igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ウルトラマンZ第9話感想 新展開への先駆け

 皆さんこんにちは、igomasと申します。今回も、Z各話感想進めてまいります!今回も、前回に引き続き、「キャラとキャラとの関係」についてやや深く論じていきたいと思っています。前回記事と関わりの深い部分もあるので、こちらもぜひ……

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 それでは、第9話感想、やっていきましょう!

 

《第9話》

 開始早々、ゲネガーグ登場。回想シーンですが、ある事情により、ゲネガーグには色々と愛着が湧いてきたので、またテレビで見られて純粋に嬉しい。

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  さて、ゲネガーグ討伐の際、Zが既に集めた9枚のメダルの他に、6つのウルトラメダルが各地に拡散したことが判明。防衛軍は密かにそれを回収し、研究していました。メダル保管のケースにも怪獣研究センターのマークがついており、魚っぽいマークが、かわいい。メダルをケースに保管し安全しきったそのとき、キングジョーが急襲。3枚のメダルが盗まれてしまう、という冒頭。目からのビーム、良いですね。ここのナレーション・BGMが、実に昭和味あって割と好み。この冒頭部分に、今回の監督の個性が最も詰まっていたのではないか、と思われます。

 今回の監督は、中川和博さん……急に知らん人出てきた(私が無知なだけかもしれませんが)。これだけ第8話までで大御所監督陣を並べておいて、ここで新人監督とは、なかなか面白い采配。初見監督なので、フラットな姿勢で見られますね。第9話は特技監督尾上克郎さんも参戦。こちらも初めて聞く監督で、非常に楽しみ。

 ストレイジ会議室では、昨日研究所が襲われ、メダルが奪われたことが議題に。オオタユカ隊員は、研究所の監視カメラ映像を見せ、敵は他のメダル回収も企んでいると思われる、と報告します。この宇宙人が、メダルを『宇宙の秘宝』と呼ぶことは、何かの伏線なんでしょうかね。宇宙人の「力尽くで奪うことはたやすい。しかし、我々は無意味な破壊は好まない」という台詞は、なかなか強キャラ感があり、少ない台詞でキャラ付けするのは大事。まぁ、「我々の強力なロボット」って語彙チョイスは、ちょっと弱そうに聞こえてしまいましたが、おおむね台詞回しは悪くない。

 ところで、なぜオオタユカ隊員は事ここに至ってまで満面の笑みなのでしょうか? あの、研究所が壊滅して死者も出ているのですが。ここ数話のオオタユカ、非常に印象が悪いです。

 さて、残る3枚のメダルを宇宙人の強襲から守りつつ、無事研究所に送り届ける護送ミッションが、今回のメインとなるお話。護送ミッションでは、ハルキがウインダムで出撃し、ヘビクラ隊長とオオタユカ隊員が車で移動。キングジョーが現れ、ウインダム対キングジョーの戦いが勃発。このシーン、ウインダムをものともしないキングジョーの強敵感が良く出ており、非常に素晴らしい。ウインダムに頭部を掴まれてからの、4体分離。頭がすっぽ抜けて驚くハルキに、分離した腹部がトンネル内部を追いかけてきて焦るユカ、と、キングジョーの見せ場の一つである「分離」が劇的に描かれているのも好印象。

 トンネル内部のカーチェイスも、まぁアツい展開。自分の好みとしては、キングジョー腹部パーツと車を同じ画角におさめてのカーチェイス、とかだとさらに燃えるのですが、好みの問題なので多くは語りません。

 頭部に逃げられるも賢明に追いかけるハルキ。この辺りの一生懸命さがあってこその、怪獣退治の専門家ですよ、ヨウコ先輩。頭部にしがみつくも、バランスを崩し転げ落ちるウインダム。第9話、ウインダムが頑丈すぎる(笑) これくらい頑丈なら、きっと明日もストレイジは安泰だ。

 前後をキングジョーに挟まれたヘビクラ隊長とオオタユカ隊員は、諦めメダルを宇宙人に渡してしまう……と思いきや、実はそれは偽物で、本物はナカシマヨウコ隊員が運んでいた、ということが判明。ハルキ以外は全員知っていた、ということで、先のヘビクラ隊長とオオタユカ隊員が笑い合っているシーンの理由が明らかになります。陽動作戦において、敵を欺くにはまず味方から、ということで詳しい内容は伏せられていたハルキ。「お前は嘘はつけない性格だろ」というだけの理由で死にかけの特攻をまかされ、仲間はずれにされたハルキは若干可哀想ではありますが(笑)

 一方ナカシマヨウコ隊員は無事メダルを送り届け、たと思いきや、そこに待ち受けるはカブラギシンヤ。ケースを開きキングジョーをおびき寄せると、ピエロのように高笑いして去って行きます。「ピエロ」という表現を使いましたが、第9話のカブラギシンヤは、その衣装も相まって、海外のドッキリ動画に出てくるピエロ的な印象を受けましたね。従来の「は虫類」っぽい雰囲気とは違っており、第9話ならではの演出なのか、今後もこの路線で行くのか。どちらにせよキャラづけは大事。

 カブラギシンヤを追いかけるヨウコのもとへ、キングジョーが着陸。ヨウコ先輩のピンチに、ウインダムでは間に合わないと、ハルキはゼットに変身。ゼットの到着に、ヨウコ隊員、カブラギシンヤ、棒立ち……え、いやそれはなくね? ここはゼットにキングジョーを任せて、カブラギシンヤを追いかける一択だと思うのですが。カブラギシンヤも、ヨウコ隊員を妨害するため、キングジョーをおびき寄せたのではないのか。そこ、逃げる一択でしょ。どちらもあまりにポンコツ過ぎて、わけが分からない。ゼットが倒れキングジョーが追いかけてくると、ようやく二人は再び走り始める。ゼットがヨウコを庇うと、ヨウコはカブラギシンヤを追うのを完全にやめゼットの心配をする。そしてゼットが倒れると衝撃で二人も倒れ、キングジョーはメダルを回収。カブラギシンヤはそれに対し何をするでもなく、ただボーッと見ているだけ。キングジョーにメダルが奪われそうになったそのとき、ゼットが横からキャッチ。メダルはZのもとに渡ります。カブラギシンヤは満足そうな笑みで去って行く。あぁ、ダメだこりゃ。

 最近のナカシマヨウコ隊員といえば、Zが登場してからはほぼ棒立ち状態で、そこにはプロ意識が微塵も感じられません。怪獣と戦うなり、メダルを追いかけるなり、出来ることはいくらでもあるのに、それをしない。やっていることといえば、ただZに惚れているくらいで、毎回「枯れ専だから5000歳のゼット様に惚れちゃう」ってだけの絵面で、正直飽きる。ここ数話で、ものすごい勢いで好感度が下がっています。

 カブラギシンヤも、目も当てられないほどのポンコツぶりで、メインヴィランとして色々と酷い。メダルを奪ったはいいものの、出たとこ勝負で計画性とか全くなく、またヨウコ隊員から真面目に逃げる気もない。メダルもあっさりキングジョーに奪われていますし、なんでこんなことになってしまったんだ、カブラギシンヤ。仮に、仮にウルトラメダルをわざとZの手に渡すことが目的だったとしても、もっと上手いやり方がいくらでもあったはずですし、キングジョーに取られそうになってる時点で計画がガタガタ。もう、ダメだこりゃしか言えない。少なくとも、メインヴィランの風格はもはや微塵もありません。

 また、第8話での下地が何の化学反応も起こしていないのも悪印象。前回第8話で、ナカシマヨウコ隊員とカブラギシンヤは邂逅をはたしており、第9話で顔を見たとき、(ヨウコ隊員がプロなら)すぐに同一人物だと気づくはずなんですよね。「あなたあの時の!」とかの台詞は最低でも必要だったと思いますし、そこから二人を絡ませて物語を面白くしていくとか、何かしら上手い作劇が出来たでしょうに。「ヨウコ隊員とカブラギシンヤ」という、キャラとキャラとの関係を描く絶好の機会なのに、ドブに捨ててしまったのは非常にもったいない。もったいないと同時に、じゃあ第8話でカブラギシンヤが隊員二人に姿を見せたのはほんと何のためだったのだ、ということにもなり、同時に第8話の株も落ちました。

 オオタユカ隊員はキングジョーを分析し、「ウルトラマン!そのロボットの弱点は、分離する瞬間!接合部がむき出しになってる!」とアドバイス。なおアドバイスするときに不必要に隊長を押しのけており、悪印象ポイント1点追加。

 ハルキは「まず押し返しましょう。真っ赤に燃える、勇気の力で!」とゼットライザーを掲げ、ベータスマッシュにタイプチェンジ。このシーン、細かいことを言いますが、変身シーンカットしてもよかったんじゃないかな、と。先の台詞で「真っ赤に燃える勇気の力」と言って、変身するときもまた「真っ赤に燃える勇気の力」と言っており、絵面があまりよろしくない。ここはハルキの先の台詞を出した直後に、「ヘアッ、トゥワッ、トゥアー、ULTRAMAN Z beta smash!」のぐんぐんカットに移行で良かったんじゃないかなぁ、なんて思いますね、素人目で見ても。

 キングジョーはベータスマッシュとの力対決でも善戦しており、いやぁ今回のキングジョー演出はほんと良い。Zが「駄目だぁ、どうしよぉ!」と焦り(可愛い)、ハルキが「こっちも4体に分かれる、なんて、できない?」と提案したことから、ガンマフューチャーにタイプチェンジすることに。早速ティガ、ダイナ、ガイアに分離し、一斉攻撃を浴びせます。TDG、もはやレギュラー並に今後も出てくるのではないかw キングジョーは4体に分離し、そこをガンマミラクルホールドで固定。新たに得たコスモス・ネクサス・メビウスのメダルを使い、必殺技ライトニングジェネレードでキングジョーを撃破します。えちょっと、ちょっと待って!? 色々と、言いたいことが。

 まず、Zが4体分離した意味があまりない、ということ。確かに4体分離したことで、キングジョーも4体分離しましたが、やっていることと言えばキングジョー一点集中で光線を撃った程度で、結果論として、4体分離せずとも強力な攻撃を撃ちさえすればキングジョーは分離していたのでは? 感が拭えません。4体に分離した後、Z・T・D・Gが別々に動いてキングジョーを錯乱して、それでキングジョーが分離してこその「ハルキナイスアイデア!」になるわけで、どうも作劇が劇的でない。ガンマフューチャーは、せっかくの変幻自在フォームだということもあり、もう少しガンマフューチャーらしい戦いをしてもよかったのかな、と思います。キングジョーが分離したら分離したで、ZTDGがキングジョーの各部位に光線を放てば、そこそこ分離した意味もあるのですが、キングジョーをガンマホールドで捉えた後はあっさりTDGが戻るという、これもパッとしない作劇。

 次に、コスモス・ネクサス・メビウスのメダルから放たれる必殺技。そもそもマックスはどこ行ったw コスモス好きなので、コスモスメダル登場はまぁ嬉しくはありますが、作品の放送順の括り的にも、ネクサス・マックス・メビウスにすべきなのでは?

 それはさておき、新必殺技「ライトニングジェネレード」。あまりにコスモス・ネクサス・メビウス要素が少なすぎる。まぁ、効果音などでオマージュはあるものの、あまりに希薄。ただのなんか凄い攻撃、ってだけ。さらに酷いのは、このウルトラマンたちが、ハルキに名前すら呼んでもらえないということ。う~む、酷い。

 今回はこの新必殺技がメインとなる回のはずなのですが、ティガ・ダイナ・ガイアが実際(分身で)登場し、コスモス・ネクサス・メビウスは姿すら見せないということで、もはや3大ウルトラマンが空気。TDGに比べ、コスモス・ネクサス・メビウスの扱いが不遇すぎて、なんだか可哀想になってきました。

 さて、ストレイジ会議室に場面は移り、メダルを研究できなかったことを悔やむオオタユカ隊員。ヘビクラ隊長は「ウルトラマンが持って行っちまったんだから仕方ないな」と発言します。仕方ないか?と一瞬思いましたが、ウルトラマンストレイジ日本支部は協力関係にあるので、そうなるのも納得かな。

 さて、キングジョーを回収したストレイジは、何を考えているのか、ナカシマヨウコ隊員が再度述べた「宇宙の秘宝か」は伏線なのか、キングジョーを操っていた宇宙人は誰なのか、と色々伏線を張って、続く。まぁ、今回と次回で前後編といったところでしょうか。次回が楽しみですね。

 ということで、第9話感想でした。とうとうオオタユカ、ナカシマヨウコ、カブラギシンヤ3名の好感度が地に落ち、キャラとキャラとの関係の描き方もグダグダ、そんな単発話でしたね。また、今回フィーチャーされた必殺技も、特に劇的に描かれることもなく、正直なところ、あってもなくてもさほど変わらない単発話。

 しかしながら、冒頭のナレーション、キングジョーの強敵感や、次回出てくるであろう宇宙人のキャラ付け、カーチェイスとなかなか良い要素はあり、これが中川和博さんの手柄か、尾上克郎さんの手柄かという話はさておき、光る演出も所々しっかりある回でありました。全体としては、上記3名の好感度がだだ下がりしたものの、作品構造として大きな矛盾点などは見つからず、大きく問題、という程でもありません。上記3名の好感度は後で上げまくればいくらでもリカバリーが利く範囲ですし、今回は、作劇の光る部分に目を向けてあげたい。ゆえに全体的な評価としては割と良かったりします(だからといって上記問題点がチャラになるわけではありませんが)。あまり記事では取り上げていませんが、ここのところハルキとゼットのバディ感も良く、ヘビクラ隊長も(種明かし回がまだなのでなんとも言えませんが)かなり良いキャラ付けができております。中川和博さん、尾上克郎さんという、少なくともウルトラマン界隈ではあまり名前を見ない監督陣でしたが、私的評価は割と高めです。

 というわけで、次回のバロッサ星人回はもちろん、後続のベテラン監督方も、上記3名のフォロー、頑張ってください。必殺技メダル陣の不遇ぶりも、なんとかしてやってください。

 それでは、また次の記事でお会いしましょう。igomasでした!