igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀 Chapter1 感想

 皆さんこんにちは、igomasです。普段はウルトラマンZの感想記事、悪役考察記事などを投稿しています。さて、先日方、YouTubeで展開されるウルトラマンの最新作、ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀Chapter1が更新されましたね。

 ウルトラマン界隈でもかなりの話題を呼んだシリーズということもあり、本ブログでも取り上げていきたいと思います。ウルトラギャラクシーファイトは、様々なウルトラマンが一堂に会して、宇宙のあちこちで戦いを繰り広げる群像劇で、前作ではニュージェネレーションウルトラマンに加え、マレーシア展開のウルトラマン、リブットの参戦が話題を呼びましたね。今回はさらに登場人物を増やし、中にはウルトラマンとはある種異種族のアンドロメロスなど、個性的な面々が登場します。グレートやパワード、コスモスやジャスティス、ネオスやセブン21といった、今まであまりフォーカスされてこなかったキャラクターが登場したことは、ウルトラ界隈でも大きく話題を呼びましたが、一方で各キャラへ描き方が雑になってしまわないだろうかという懸念の声も各所で挙がりましたね。この辺りの議論については、以下の記事に詳しく書いてあります。

igomas.hatenablog.com

  さて今作のメイン監督を務めるのは、かの坂本浩一監督。前作のウルトラギャラクシーファイトからの続投ですね。彼は、ウルトラマン監督の中でも抜きん出て、過去作品のオマージュを多く手がけており、「過去作品のオマージュならこの人」と、ある種神格化されるにまで至っていますよね。だからこそ、数々のウルトラマンが登場する今回の作品でも、監督として起用されたのでしょう。

 しかしながら、私igomasの坂本浩一監督に関する評価は世間のそれとは真逆。「坂本浩一監督は、オリジナル作品が得意で、オマージュが苦手」というのが、ブログ開設以降一貫した私の意見であります。まぁ、苦手というだけで、時にはよく見えるカットも撮られるのですが(事実ウル銀や、Zの第6話で第5話の辻本監督の大ポカを修正したりとか、所々素晴らしい仕事もしていたりしますが)、基本的には、オマージュが苦手なのだろうと見て取れます。一方で、まったくなにもないところから、一から物語を積み上げていく力はありそう、というのが現状の私の見解です。

igomas.hatenablog.com

  そんな私だからこそ、今回の新作は、幾分か温かい目で見られましたね。どうせ坂本浩一監督がオマージュ下手なのは分かっていますから、多少の粗はやむなしですからね。ある程度本記事でも、オマージュ不足の問題には触れていきますが、少なくともChapter1に関しては、さほど怒っているわけではないのでご理解くださいませ。

 それでは、Chapter1感想記事、始めて参りましょう!

 

 

Episode1

 惑星ミカリトの急激な衰え、その原因を探るため派遣された、文明監視員マックスとリブット。マガオロチの卵を発見するも、マックスは「マガオロチは既に封印されたはず」と言及します。ところで私igomas、今作がいつ頃の時間軸なのか、イマイチ把握できていないのですが、マガオロチは既に封印された、というこの発言からオーブ後と捉えてよいのでしょうか。それともこの台詞はオーブ以前に封印されたマガオロチのことを指しているのでしょうか。なにせ、Chapter1の時代設定が、「ウルトラマンリブットが文明監視員だった時代の物語」としか説明されていないので、物語の根幹そのもの(いつの時代か)があやふやで、見ていてストレス。劇中でなにかしら時代背景を示してほしいものです。

 一応、時代考察の鍵として、いろいろ考察要素はありますね。グレートの動きがテレビ当時と比べやや上達しているように見えなくもないことから、グレート後ではあるのだろう、とか、惑星カノンに木が生えていることからオーブオリジンサーガ前だろう、とか。とはいえそういった考察要素も、坂本監督がオマージュ不足なだけなのかちゃんとした考察要素なのか判別がつかないので、なんともいえません。というかそれ以前に、やはり「いつ」の情報が明示されないのは作品の作り手としてまずかろうとは思いますね。作り手として時代背景を明記することは、あまりに基本中の基本です。

 ヘルベロスが登場し、マックスとリブットは応戦しますが、そこへスラン星人が現れ、戦いのさなかマックスの体内に、ゴーデス細胞が打ち込まれてしまいます。ここでゴーデス細胞と来ましたか。これを意識してのYouTube配信だったということでしょうか。なるほど過去作の要素の使い方が豪快。

 ところで、ゴーデス細胞がなぜそんなにもナチュラルに存在しているのでしょうか。ゴーデスってすでに倒されているはずで、ゴーデス細胞自体どこからも収集できないはずなんですよね。のちに、スラン星人は実はアブソリュートタルタロスからゴーデス細胞を得ていたとわかるわけですが、それにしてもタルタロスさんはどこから調達したのか。過去に戻って回収した、なら分からなくはありませんがそれだったら過去でそのまま暗躍していればいいわけで。マガオロチの調達も同じくですね。ここらの描写がしっかり描けるようになると、物語に臨場感が増してより面白くなると思うのですが。過去要素をただ出してみた、感が強く、まぁいつもの坂本監督。

 一方惑星カノンでは、ユリアンとソラがイザナ女王と面会していました。ソラ、というのはウルトラマンフェスティバル2018のライブステージにて登場したキャラクターですね。仲睦まじく話す二人に、突如ルーゴサイトの攻撃が。ソラがバリアーを張りユリアンを守ります。ソラ、ルーゴサイトくらいの攻撃ならかろうじて防ぐことができるということで、そこそこ強いことが判明しましたね。結局、ルーゴサイトは駆け付けた80によって撃退され、彼方へと逃げ去っていきます。ルーゴサイト、R/B本編ではロッソとブル2体のウルトラマンを圧倒したわけですが、まぁロッソとブルはあくまで新米ウルトラマンですから、熟練の80一人で対応できる、というパワーバランスは悪くないように思えます。ちなみに当の80の動きは、正直言って微妙でしたね。80といえばスピーディーな戦いのイメージがあるのですが、全体的にもっさりしていましたし、動きも本編のそれとはやや違いのっぺりしていた印象です。このあたりも坂本オマージュの限界が見えます。
 ウルトラの星光の国に戻った一同は、スラン星人の計画、ルーゴサイトの暴走を報告。それぞれに対策部隊を編成することが決まり、ゾフィーはヒカリに、マックスの状況を尋ねます。ヒカリはマックスがいくら対抗したとしても、ゴーデス細胞の浸食を考えれば、もってあと三日だろう、と報告。ヒカリは3日以内に必ずや抗体を開発すると言い、とここでひとつ疑問なのですが、なぜマックスは3日くらい放置してゴーデス細胞に犯され続けてもいい、と皆が納得しているのか
 せめてリブットが若気の至りから今すぐにでもマックスを助けないと!と言って、タロウが、いまの君では到底太刀打ちできない、しかし君の才能なら、あの2人のウルトラマンに鍛えてもらえれば…とパワード、グレートの展開に持っていくとか、何かしらの会話は欲しかったところ。妙にマックスを3日放置することに皆が冷静なのが、どうも乗れず。抗体云々は仕方がないとしても、救出くらい早めに行ってもいいのでは、と誰も思わないのは、ちょっと。

 というかゴーデス細胞の抗体くらい、感染者が出る前から作っておけよと。一度は地球を滅ぼしかけた怪獣細胞ですから、こんな事件が起こる前からあらかじめ抗体は作っておくべきでは?なんて思ったりしますが。このあたりにもご都合主義が見え隠れして、まったく乗れず。

 さてリブットは、マックスを助けるための力を得るため、K76星に向かいます。そこで待っていたのは、グレートとパワード。二人がかりで、リブットを鍛えることに。

 

Episode2

 グレートとパワードの特訓からスタート。両者色々な技を決めるのですが、パワード批評はより詳しい方に任せるとして、グレートの動きが元と違うのが気になりましたね。一見ものすごく脇が甘く、体幹も悪いのに、なぜか隙が無くて必殺技が強力で芸達者、なところが一種グレートの良さというか味になっていると思うのですが、そういうオマージュは一切なし。今回全編を通して思うのは、「スーツアクターが当時の映像を確認していないんじゃなかろうか」と思えるようなカットが多々あるということ。坂本監督いわく、「グレートには空手の有段者がスーツアクターを務めていたこともあって、空手が動きの基本となっています」ということで、空手の動きを入れればある程度再現できると考えていらっしゃるのかもしれませんが、なんというか現場で、「当時のスーツアクター吉田沙保里レスリングの動きを使っているから浜口京子を使えば大丈夫」みたいな安直さがなければいいな、と思っています。同じ競技内であっても、人によって動きは全く異なりますし、その細かな差を再現するのがスーツアクターの仕事だと思っているのですが。今回はグレートがグレートに見えませんでしたね。コアなファンであればあるほど、こういった、「なんだか動きが違う」ところにいちいち引っかかってしまって、安心して見られないのではないか、とも思えます。まぁ坂本オマージュの限界というのはこういうところで出てくるのだな、と納得。

 一応、「ゴーデスとの戦いの後だから、前よりグレートの動きが上達しているのだ」なんて言い訳もできるかもしれませんが、それにしてもあまりに動きが似ていないように思えます。またそもそもこの戦いが「テレビ本編のグレート後」であるという説明もない上に、今作がテレビ本編後なら先述の議論、ゴーデス細胞をどこで手に入れたのか、なぜゴーデス細胞の抗体を作っておかなかったのか、などの問題も浮上してきますから、問題が山積み。

 場面は変わり、ルーゴサイト迎撃。ネオスとセブン21が、怪獣ルーゴサイトに自己紹介しますうん、なぜ? まぁ、自己紹介しないと視聴者がわかりませんからね、見せ方云々の話は置いておきましょうか。ネオスとセブン21、80の三人が、ルーゴサイトと戦います。そこへアブソリュートタルタロスとレイバトスが現れ、レイバトス、太った? さすがにこれは擁護しがたいレベルでダサくなっており、思わず失笑しました。レイバトス、もう少し大悪党かと思っていたのですが、「やれ」と言われて従うレベルの小悪党だったようです(笑) 残念。

 舞台はK76星へと戻り、とそういえば今作は監督曰くスペースオペラとのことですが、星から星へ移った時のワクワク感とか、皆無ですね。うむむ、どの惑星もただの平地で代わり映えがしないってのも、考え物。

 さてグレートとパワードの特訓シーン。リブット覚醒、一瞬。文字で「リブットが覚醒しました」と言われても大差ないくらいの淡白さ。しかもリブットのある種象徴ともいえるような武器でさえ、グレートパワード両人からもらったものだったという。なんの盛り上がりもなければワクワクもない強化。一応、リブットって主人公だった覚えがあるのですが、この扱いの雑さはなんなのか。

 場面が変わり、80先生、ギマイラに苦戦。80先生、まさかの弱体化。80ファン悲しむだろうなぁ。そこへ助けに来たのが、コスモスとジャスティス。80は、「君が慈愛の戦士か」と感心し、出た、「慈愛の戦士」だから戦士じゃないんだって笑 コスモスは、怪獣を退治しない、共存を目指す作風が特徴的で、そのスタンスから、「慈愛の勇者」の二つ名をもつウルトラマンです。それが、なぜか坂本監督がオマージュするといつも「慈愛の戦士」呼び。二つ名を間違えてどうする坂本監督。
 コスモスとジャスティスはルーゴサイトと交戦。二人はフォームチェンジし、コスモスはなんとフューチャーモードに変身します。スペースコロナモードとフューチャーモードは、なぜか本編終わって以降まったく姿を現していなかったので、久しぶりに見られたのは良かったですね。コスモスとジャスティス、二人が並び立つカットが入り、ちょっと待ってフューチャーモード待って体勢前のめりすぎないか

 分からない方にもわかりやすく書きますと、コスモスって基本太極拳の動きがもとになっていて、太極拳のもっとも基本的な要素の一つに、体幹がしっかりしている、というのがあるんですよね。常に体は地面と垂直まっすぐでなければならなくて、試しにインターネットでコスモスのフィギュアを調べてみてください、そのほとんどが、面白いくらい背筋がピンと張ってまっすぐなはずです。太極拳スタイルのコスモスにとって、体幹がしっかりしているのは基本中の基本。それが、コスモスを紹介するこの象徴的なカットで全くできていない。体勢は前のめり。こぶしを突き出しすぎてやや姿勢が右に傾いている。これは、さすがに素人の私でもわかります、ひどい。自分はオマージュができませんと大声で言っているようなものです。さすがにこのシーンは看過できませんでした。
 コスモスって全体的に戦闘シーンを撮った後、その映像をスローにしてコスモスの独特の動きを作っている、というのをメイキングで見たことがあるのですが、そういったオマージュも一切なく、とにかくウルトラマンがショーのようにわちゃわちゃしているだけ。いうまでもありませんが、戦闘中のコスモスの体幹は、実にひどいものでした。

 まぁ、この程度のオマージュだということは始まる前から分かっていたことなので、別に私は怒ってはいませんが、それにしてももう少しやり方はあったのでは、と言いたい。

 

Episode3

 ルーゴサイトは合体光線で倒れ、アブソリュートタルタロスが現れます。

 一方リブットはマックスに抗体を打ち込み、マックスは回復しますが、マガオロチが復活してしまいます。マックスのもとへゼノンが駆け付け、マックスにマックスギャラクシーと光の力を与え全回復。マックスとゼノンが、ともにマガオロチに立ち向かいます。

 ここからいつものごとく、主題歌、光線打ち、怪獣がたいした応戦もせず的状態、怪獣倒れる、というお決まりのパターンなわけですが、マックスの戦闘で主題歌が流れたことってありましたっけ。なにぶん記憶にないため、ものすごく違和感。テレビ本編全話通してみても、マックス戦闘中にマックスの主題歌が流れたことって結構少ないんじゃないでしょうか。ゆえに主題歌を流してもどこか疎外感があるという、オマージュをしようとしてオマージュできてないというか、なんというか。

 コスモスサイド。アブソリュートタルタロスの攻撃を防いだコスモスとジャスティス。二人が合体しウルトラマンレジェンドに。光線技を放つや否や、これでは分が悪いと思ったのかタルタロス。早々に逃げていきます。が、そもそもタルタロス、わざわざレジェンドが出るほどの脅威なんでしょうか

 アブソリュートタルタロス登場からレジェンド変身までの流れがあまりに走り気味で、実は80先生らがもうちょっとじっくりしっかりがっつり戦っていたら結構善戦していたんじゃなかろうかとか、そういう余地がかなり残っており、レジェンド登場のインパクトが薄れてしまった感はありますよね。80先生らがギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張って、それでもどうにもこうにもならないそんな時にウルトラマンレジェンドが出てきたら、見てる側は純粋におぉ〜と楽しめるのですが、アブソリュートタルタロスがどれほどの脅威なのかというのがいまいち不鮮明なままレジェンドが出て来てしまったがために、どちらかと言えば伝説の安売りに見えてしまった感は否めません。

 マガオロチ方面のウルトラマンたちも、各種光線技で怪獣らを殲滅し、無事作戦は終了。光の国に戻ってきた一同。リブットとソラはギャラクシーレスキューフォースに入隊を命じられ、そこでイザナ女王、アンドロメロス、グクルシーサーと出会い、Chapter1終了。

 グクルシーサーは、地球の、日本の、沖縄の守り神なわけですが、なぜギャラクシーレスキューフォースに入っているのか、なども描かれるとよいですね。

 

〈まとめ〉 

 ということで、Chapter1でした。見返してみると結構粗も目立ち、オマージュもところどころひどいものでしたが、まぁこんなものでしょう。コスモス、グレート、パワードあたりの、どうも動きに癖の強いウルトラマンは、だからこそこれまで他の監督人が手を付けてこなかったわけで、それを率先して無理に描こうとすると、どこかで破綻が生じてしまうのも致し方ないことなのかもしれません。オマージュができないなら、そっとしておいてあげましょう。

 とはいえ、過去怪獣のスーツの状況などを知ることができたのはありがたかったですね。一時期ホロボロスはグクルシーサーの改造ではないかなんて言われていた時期もありましたが、グクルシーサー、しっかり残っていましたね。それからイザナ女王も残っていて、良い。ギャラクシーレスキューフォースとして、いろいろ今後の作品でも展開できそうですよね。アンドロメロスなどのマイナーヒーローはほんと、焦点が当たることすらなかったので、今後どう描かれていくか楽しみです。今回ほとんど盛り上がりもなかったリブットも、次回作以降主人公としてまともに描かれてくれると嬉しいです。

 本編と思わず遊園地のヒーローショーとしてみてみれば、結構しっかりした出来で、とにかくマイナーヒーローの活躍が見られたのも微笑ましい。80とギマイラの画はぜひとも見てみたかったので、これが見られたのもうれしいポイント。それから、思いのほかソラが魅力的に描かれていたように思えます。まったくの戦闘民でないにも関わらず、あのルーゴサイトの攻撃をしのいだわけで、結構おいしいところ持っていきましたね。ヘルベロスは、いかにも番犬といった出で立ちなので、今後も雑に用心棒として使えるいいポジションを確立しています。レイバトス、太ったのが少し気になりましたが、過去編などには今後も出しやすいのかなと思いますね。

 さて次回、いよいよ本番Chapter2。今回のように甘くはいきません。良いところはいい、悪いところは悪いとはっきり言わせてもらう所存です。ご覚悟を。

 とりあえず現状、坂本浩一監督に最も送りたい言葉は、

歴代ウルトラマンたちの魅力を再発見してほしい

参照:『ウルトラギャラクシーファイト』最新作、坂本浩一監督が語る大いなる陰謀「歴代ウルトラマンたちの魅力を再発見してほしい」 (1) | マイナビニュース (mynavi.jp)