igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

新作ウルトラマントリガーについて不安はないって話

 皆さんこんにちは、igomasと申します!普段はウルトラマン、悪役考察等をしています。さて、昨今ウルトラマン新作、ウルトラマントリガーの情報が飛び交っていますね。登場キャラクターが少しずつ公開されてゆき、ネットでは賛否両論の嵐でありました。期待の声と不安の声、どちらもTwitterを賑わせています。本編公開前にこれだけ意見の飛び交う作品ってのも、珍しいことですね。

 それもそのはず、新作ウルトラマントリガーの代名詞は「令和版ティガ」。平成一作目を飾る超人気作、ウルトラマンティガのオマージュとあってか、ウルトラマン平成世代は触れずにはいられない話題であります。当時のファンがティガを懐かしんだり、新作を楽しく待ち望んだり、また一方でティガを愛する人たちが、低予算でオマージュを作ることでティガを汚して欲しくない、と懸念するのは当然のことでありましょう。

 賛否両論あるトリガー。折角ですので私igomasも、予告編などを通しての所感を述べたいなと思いまして、本記事執筆にあたりました。一意見として読んでいただけると、幸いです。

 

 

“ティガ” の影響力

 先も述べましたが、ティガの影響力は凄まじいものです。ティガは、全ての原点ウルトラマンや、新時代を担う戦士ウルトラマンゼロと並び、円谷の顔とも言えるウルトラマンでありましょう。平成一作目として製作されていたティガは、それまでの「ウルトラマンが皆M78星雲出身である」「色は赤と銀」というお約束を初めて破った作品でした。ティガ自体はM78星雲にルーツのない、まったく新たな出自を持つキャラクターでした。M78星雲の昭和ウルトラマンの世界とは隔絶された、新しい世界の到来に、ウルトラマンファンは期待に胸を膨らませたことでしょう。しかも体色は赤と、銀と、そして紫。この配色は画期的なものでありました。カラータイマーの形が個性的になったのもここからですね。造形の大きな変化とは裏腹に、全体としてはとてもシンプルなデザインになっており、バランスが秀逸だということは、以前の記事でも述べたとおりです。

 

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  怪獣の造形も大きく変化し、よりシャープなものになっていきました。丸山浩氏のデザインの秀逸さは、ご存じの通り。また、初のタイプチェンジや、「ウルトラマンは人類を導く神なのか?」という問いかけをしたという意味でも、斬新であったと言えましょう。とにかくウルトラマンの歴史において、パラダイムシフト的な作品であったことは確かです。

 ティガは、円谷という企業を、ウルトラマンという作品を大きく変える転換点だったといえましょう。旧概念を打破し新たな価値観を打ち立てる、というのは並大抵の覚悟では不可能です。それが見事に成功したからこそ、ティガはこれほどまでに愛される作品になったのでしょう。

 

トリガーへの不安はない

 さて、そんな偉大なるティガをオマージュするというのは、これまた並大抵の覚悟でできるものではありません。低予算の現代で、視聴者の期待に足るだけの「令和版ティガ」を作れるかどうか、不安に思う方がいらっしゃるのも十分理解しています。

 しかし、先に言ってしまえば、私igomasは、新作ウルトラマントリガーに、まったく不安を抱いていません。これっぽっちも。

なぜならば、トリガーが「令和版ティガ」にはなりえないと確定しているからです。

 製作陣は、並大抵の覚悟ですませてしまいましたとさ、残念!

 

不純物の多さ

 言うまでもなく、トリガーにはティガとは全く関係のない不純物があまりに多すぎます。ティガ要素は1/3以下と言っても良いかもしれません。これでは、そもそもティガとは呼べないでしょう。なぜ令和版ティガと謳っているのか、分からないレベル。

 先にも述べたとおり、ティガの魅力の一つとして、他作品とは隔絶された、独自の世界観が展開された点が挙げられましょう。しかし、昨今のウルトラマン製作予算事情とスーツ事情を鑑みるに、ティガらしい怪獣で全話揃えるのは、はっきり言って難しいでしょう。もちろん、ティガらしい作品を作るなら、M78星雲世界の昭和怪獣が出るのはもっての他ですが、仕方ありません。そこまで頑張る覚悟と予算は今の円谷にはないので、ここは目をつぶって仕方がないと皆諦めましょう。登場怪獣がティガらしくないのは、まぁ仕方がない……としても、その他の要素にまでM78星雲要素を無理矢理入れる必要は、全くありません。

 まず、主人公らの戦闘艇、ナースデッセイ号。これは言うまでもなく、ウルトラセブンの怪獣ナースをモチーフとしているのですが、え、セブン要素、いる?

 次に、主人公らをサポートしてくれる宇宙人として、メトロン星人マルゥルが登場。メトロン星人は、これまたウルトラセブンの有名なキャラですが、え、セブン要素、いる?(2回目)

 そして、なんとびっくり、細貝 圭氏演じる、謎のトレジャーハンターイグニスが登場。これは、もはやウルトラマンは全然関係なくて、なんとスーパー戦隊シリーズゴーカイジャーに登場した宇宙海賊バスコ・タ・ジョロキアのオマージュ(演者も一緒)となっています。いやそこのオマージュは絶対いらなかったでしょっ!

 また予告映像では、ウルトラマン80の怪獣ギマイラとの戦闘シーンに尺が多く取られています。いや見たいのそれじゃないんだよね、感。

 予算の関係でティガらしからぬ不純物が仕方なく入ってしまう、というのは仕方がありませんが、こうもティガ以外の要素をいらないところで無理に入れられると、それはもはやティガではありません。少しティガ要素が混じった全く別の何か、です。

 

「シャープさ」の消失

 予告映像に登場した怪獣は、ギマイラ以外にもいて、ティガ一話に登場したゴルザとメルバを何のひねりもなく合体させた「ゴルバー」、ティガ劇場版に登場した敵、カミーラ・ダーラム・ヒュドラをモチーフとした「カルミラ」「ダーゴン」「ヒュドラム」などが登場しています。

 あくまで個人の価値観も多分に含まれるとは思いますが、私は初見では、「これティガ怪獣ではないよね」と思ってしまいました。ゴルバーのただくっつけただけ感はかつてのティガ怪獣のスタイリッシュさとはまるで別物。また、カルミラ、ダーゴンに関してはまだティガ怪獣らしさをとどめてはいるものの、ヒュドラムに関してはまったくティガらしからぬ、ヒュドラらしからぬモッサリとした造形。

 少なくとも、丸山氏ほどの洗練された造形とは言えません。

 また、ティガといえば、な戦闘機GUTSファルコンも、平成版のそれとは違ってシンプルさを欠くデザインに仕上げた上、ティガとは異なり、機体が変形して怪獣に挑むハイパーモードが設定されています。ティガをやるなら全くいらない要素ではとも思えるのですが、前作Zの特空機がウケたことに乗じてなのか、戦闘機にいらぬ変形機能を追加してしまいました。その上変形したハイパーモードは、特に怪獣然としたかっこいい造形かと言われると別にそうでもなく、良い意味でも悪い意味でも「ありきたりなロボット」感の強い造形になってしまっています。少なくとも時代の先を行こうとしたあのティガのオマージュに、「ありきたり」な造形はやはり似合わないでしょう。こういうところで点数を落としてしまうのは、非常につらいところ。

 造形物として、少なくとも私は「ティガらしさ」を感じることはできませんでした。

 

シェパードンセイバーの頃から抱く違和感

 これはギンガSにて、シェパードンセイバーが登場した頃からずっと思っていることなのですが、どうもウルトラマンの武器がチープすぎて、玩具をふりまわしている子供にしか見えない、という点。そして前作のZでは、ゼットライザーの背面を塗装しておらず、あえて玩具にみせる、チープにみせる努力をしていることが判明しましたw これだけは本当に無理で、耐えられません。どれだけ特撮が見事でも、そこで戦っているウルトラマンが、玩具で遊んでいる子供にしか見えないのですから、これはもう駄目です笑ってしまいます。今作でもトリガーは、見るからに玩具な武器を手に戦うそうですが、武器を持たないティガのオマージュ作として、これはいらなかったのではなかろうかと思われます。

 

最近の坂本浩一監督

 オマージュの神様として崇められることの多い坂本浩一監督ですが、直近の仕事であるウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀が目を覆うような出来であったことは、皆さんご承知の通りです(詳しくは下の記事にて)。

 

igomas.hatenablog.com

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 今の状況で、坂本浩一監督が、何かをオマージュして作品を作る、というのがいかに危険かは言うまでもありません。もちろん私自身、坂本浩一監督の回で好きな回はたくさんありますし、決して彼のアンチというわけではありません。坂本浩一作品は駄目だと頭ごなしに言っているわけではありません。ただ、今の坂本浩一監督は確実に衰弱しています。ティガのオマージュともなると、ほころびが出てくるのは必至。令和版ティガとしての成功は、十中八九ないと言っていいでしょう。

 

ともかくいえることは

 以上から、少なくとも視聴者がトリガーに、「令和版ティガ」を期待するのはお門違いです。公式は「令和版ティガ」と謳っていますが、関係ありません。「令和版ティガが成功するか」で作品を判断したら、きっと痛い目にあうことでしょう。最後には絶対製作陣に裏切られ、悲しい思いをすることでしょう。それはオススメしません。

 「家族の物語」と謳っておきながら最終回で「やっぱり家族の物語じゃなかった」と言ってみせたルーブとは異なり、今作は「ティガって言ってるけどティガじゃないよ」と放送前から製作陣がアピールしてくれています。今のうちから、ティガの呪縛から逃れ、トリガーの違う部分を楽しんでおくのが得策でしょう。

↓ルーブのあれこれはこちら

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  今我々視聴者がなすべきことは、「令和版ティガ」への展望を諦め、それ以外の部分の「トリガー」を楽しむことではないでしょうか。私が真に提案したいのは、新しい「トリガー」の楽しみ方です。もちろん、良い意味での。

 

予算はありそう

 YouTubeにて展開された、ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀は、絵面のチープさから予算不足が各所でささやかれ、円谷にもうお金は残っていないんじゃなかろうか、なんて声も散見されましたが、今作の予告を見る限り予算はそこそこ使えているようです。第一話の舞台である火星や、シズマ財団、遺跡などなど、ロケ地かセットかは分かりませんが、とにかく色々な「場所」が出てきます。まったく同じ画角、同じ背景で物語が進むよりかは、マンネリ化が防げ、画としても良いものになるでしょう。これだけでもかなり期待できます。

 また、第一話放送前に既に新怪獣(闇の巨人含む)が4体発表されているというのは近年では珍しく、他にも新規怪獣が続々と追加されれば、タイガ以上に新規怪獣を拝める作品になるやもしれません。正直「毎回新しい怪獣が登場するのが当たり前」な時代から生きていた自分としては、新規怪獣はせめて多くあれと思っていますから、期待大です。

 

特撮技術・CGの進化

 ストーリー構成の面で色々とやらかしそうな坂本監督ですが、他方で本人の特撮技術はかなり高いレベルと言えるでしょう。Zでも様々な撮り方に挑んでいましたから、毎度特撮シーンでは、まったく新しい絵作りをしてくれるやもしれません。

 それからCG技術の進歩もまた、近年凄まじいように感じます。先程ティガらしさの欠片もないと批判したナースデッセイ号ですが、予告映像では格好良く映っており、期待が持てます。GUTSファルコンの発進シーンも、かなり作り込まれていそう。

 

俳優陣のコメントがどれも頼もしい

 以前、特撮俳優陣のコメントには、あまり愛のないコメントが多い、という内容の記事を書いたことがあります。どこか他人事のように語っているものや、定型文をそのまま貼り付けたようなものが多い印象です。

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  しかし今回、公式サイトの俳優陣のコメントを見ていくと、なんと愛のあるコメントの多いことか。自分の中に生きている、実体験なウルトラマンとの思い出の数々を、俳優陣が語ってくださっており、非常に読んでいて楽しいものでした。彼らのこの作品に向ける情熱は、他作品以上のものでしょう。

 

懸念事項

 さて、「令和版ティガ」ということにこだわりさえしなければ、案外面白そうなトリガーですが、とはいえ色々と懸念点は残ります。以下箇条書きで、今作が陥ってしまいそうな残念ポイントを列挙します。最終回まで見終えて複数チェックがついているようでは、単発作品としても問題ありかも……?

 

□主人公マナカケンゴの口癖、スマイル、スマイル♪ が絶妙にスベりそう。変身時の掛け声、「未来を切り開く、希望の光!」も、毎回言っているとあまりに自尊心が高い人みたいになりむしろ悪印象にならないか心配。

□GUTSハイパーキーは怪獣、ウルトラマンどちらの力も使えることになっている。キーはTPUが開発したもののはず。なぜウルトラマンの力がキーに対応しているのか。「超自然的な力でそうなった」とかだったら幻滅。だったらキーとか出さずに、原典ティガどおりタイプチェンジすればいいだけのこと。オマージュを徹底しなかった事への理由付けをしてほしい。

□ヒジリアキトが、どこにでもいそうなただの研究員みたいなキャラで終わってしまわないか心配

□サクマテッシンを演じる水野 直さんの演技が、あまりに大袈裟なものになりすぎて全くリアリティのない人間像に仕上がってしまわないか心配。

□ナナセヒマリは普段はクールビューティーで、操縦席に座ると性格が豹変するとのことだが、「クールビューティー」も「性格が豹変」も、どちらも中途半端、なキャラになりそうで心配。やるならとことんやってほしい。

□シズマミツクニ、公式サイトでは「そんな彼の過去には大いなる秘密が隠されていた!」と書かれているが、散々引っ張って物語中盤で「大いなる秘密」を暴露して、たいしたことないどうでもいい過去だった、みたいな展開だけはご勘弁。

□あえてティガオマージュを破って、わざわざメトロン星人マルゥルをレギュラーメンバーに入れておきながら、結局いてもいなくてもどうでもいいようなキャラだった、で終わるのは勘弁。

□「トレジャーハンターイグニス」と「闇の巨人」。メインヴィランを2勢力置いているようにも思えるが、これがあだとならないか心配。最終回まで見た後で、「メインヴィランを闇の巨人に一本化してイグニスを登場させなければもう少しまとまりのある話になったな」と視聴者に思わせたらダメ。

 

 以上、他にも色々思うところはありますが、本質的な懸念ポイントは以上。いや、ウルトラマントリガーに対して不安だらけじゃないかって思ったそこのあなた、それは言わないお約束(笑)

 

まとめ

 ということで、ウルトラマントリガーについて私が思うことまとめ、でした!

 予告映像を見るに、単体作品としてだけ見れば、良い出来になっているような気もします。良作・駄作どちらに転ぶか、しっかり見定めていかねばなりませんね。少なくとも上のチェックリスト全部にチェックが入ることがないようにだけ祈っておきます。

 それでは、また次の記事でお会いしましょう!igomasでした!