igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ウルトラマンデッカー16~17話感想 おふざけデッカー

 皆さんこんにちは、igomasです! 今回もサクサクサクと、デッカー感想進めて参りましょう。今回は16~17話です。前回のアガムス・テラフェイザー編を受けての防衛隊の様子を描いた2作品。これまでの展開を受けて少し縦軸を入れつつも、いつもの横軸展開も進めていく。こういうスタイル自体は結構好きですね。

それでは、さっそく中身を見ていきましょう!

↓前回のデッカー感想はこちら

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【16話感想】

 ちょっとおふざけが過ぎる冒頭。TPU系列と思われる隊員と、ご近所の主婦たちがミニパンドン、スピニーを捕獲するというシーン。ある程度のユーモアはあってもいいけれど、ちょっと隊員が腑抜け過ぎるシーンでした。カナタたち3人が加わってからも、ちょっと腑抜けが過ぎる。この監督とはちょっと合わなさそうと感じる冒頭でしたね。

 今回、ずっと「フォーメーションデルタ」なんてかっこつけて言っているけれど、やってることは3方向から囲ってるだけですからね、そんなにかっこつけて何回も言わなくても……と思ってしまいました。
 監督は、中川和博監督。ウルトラマンZでは、バロッサ星人やキングジョーの回を担当してらっしゃった方ですね。Zの時も、結構作品に粗が多くてかなり突っ込んだ覚えのある監督です。

ウルトラマンZ該当記事はこちら

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 今回もまぁ、2話続けて、ところどころ引っかかるところが幾つかありました。特に書き残しておきたいものだけここで書くことにします。

 カナタ、リュウモン、イチカの3人は、ミニパンドンことスピニーの捕獲ミッションとして今回駆り出されるのですが、カナタはアガムスの事が気になって、どこか上の空。リュウモンは隊長に、カナタを任務から外すことを進言します。

 それに対し、作戦の最初に隊長が言った、「3人で対処するのが確実」というのを引っ張り出して、カナタを任務から外すことに反対するイチカ。いや、そりゃ作戦の最初はそうだったかもしれないけど、もはや今となっては関係ないでしょ、と思わず突っ込んでしまいました。

 リュウモンは、カナタがあまりに上の空で、イチカも負傷する可能性があり、このままでは任務が続けられないからカナタを任務から外すように進言したわけです。もはや「3人で対処するのが確実」ではなくなった、仲間に被害が及ぶ可能性だってある。そこまでいったにも関わらず、まぁいいかとはならんでしょ、普通。なんというか、イチカの論点が凄くズレており、2話の口論を思い出してしまいました。

 応援を要請されているのに、悠長なことを言っている場合ではないと拒否する副隊長。あんた曲がりなりにも”怪獣博士”でしょうに。怪獣の危険性は十分知っているはずだし、怪獣とは、一歩対策を間違えれば大災害にも繋がる存在です。隊員に実際に被害が出るであろう状況にもかかわらず、隊員の提案を拒否って。前々回の10話あたりから、かなりの無能っぷりを発揮しています、大丈夫かなこの防衛隊。

 実際この3人、ミニパンドンことスピニーを何度も逃がし、最後には巨大化させてしまっているわけで。まったくもって「確実」でもなんでもありませんでした。

 正直、口論のシーン全くいらなかったんじゃないでしょうか。単純に、カナタが悩んでいる様子→リュウモンが「1人じゃどうにもならないなら、誰かに助けを求めたっていい」と言いカナタの心が少し晴れる→任務開始→パンドン巨大化、とかで良かったんじゃないでしょうか。変に口論のシーンを差し込むから、防衛隊がなんだかダメダメ組織に映ってしまっているわけで、このシーンの必要性をあまり感じませんでした。
 ちなみにこの、リュウモンのセリフ「1人じゃどうにもならないなら、誰かに助けを求めたっていい」っていうのは、良かったですね。前回の15話で、デッカー=アスミがカナタに対し、「我が家の家訓」を次々と言っていくシーンがありました。どれも聞きなじみのあるセリフばかりだったのですが、その中に「1人じゃどうにもならないなら、誰かに助けを求めたっていい」という旨の家訓もありました。

 今までデッカー劇中で聞いたことのない家訓だったので、恐らくはこれからそういう展開になっていく示唆なのだろう、とは思っていました。なにかと1人で抱え込みがちだったカナタに、「助けを求めたっていいんだぞ」と語るリュウモン。今後の展開に響いて来そうで、楽しみです。

 そんなわけで、16話でした。お話としては結構シンプルなので、他に何か触れる点は特にはないですね。つづけて17話も、見ていきましょう。

【17話感想】

こういうのを悪手と言うのだよ、みたいな回。

 16話の時点で若干危うげではあったのですが、17話に来てちょっとやらかしてしまったなぁ、という印象を受けました。今回は先のアガムス事件を受けて、ムラホシ隊長が敵のスパイではないかと、内部調査局局長、メトロン星人ナイゲルが登場。宇宙人が人間を取り調べしている、というのを面白く撮ろうとした監督の狙いはまぁ、分かると言えば分かるのですが、結果から言うと全然上手くハマっていない、そんな印象を受けました。

 以前、デッカー5話で、辻本監督が結構自分のやりたいように作劇した結果、防衛隊の評価を著しく落としかねない危ない橋を渡ったことがありました。5話は、辻本監督らによる類い希なる手腕によって、見事なV字回復を見せてくれていましたね。

↓デッカー5話感想はこちら

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 一方で今回、それが殆ど出来ていませんでした。ダメダメ回に両膝まで浸かっている、そんな回でしたね。

 怪獣ゴメスが現れ、市街地に向けて進行しているのですが、局長のナイゲルは、ムラホシ隊長の嫌疑が晴れない以上、出撃は許可できないと拒否。”怪獣博士”こと副隊長が、今回のゴメスは今までのものとは大きさが異なり、放っておいてよいものではないと言うものの、ナイゲルは大丈夫だと自信満々。街に配置した防衛システムを信用しきって、優雅な音楽をと注文する始末。結果ゴメスは易々と防衛システムを突破してしまいました。

 最終的に、死傷者は出なかったようですが、明らかゴメスは市街地に侵入していますし、なんならビル一棟が崩れ落ちる被害が出ています。

 いや、駄目でしょ

 こればかりはさすがに擁護しかねます。というか普通にダメダメ演出でしょ、これは。再三言っていますが怪獣というのは50m級の巨大な怪物、いるだけで甚大な被害を及ぼす大災害なのです。少しのミスで街がひとつ滅びるんです。それくらいの脅威なんです。

 データ通りにいかなかったとかなんとか言っている場合じゃないんです。そのひとつのミスで街に甚大な被害が出ていたらどうするんだって話です。防衛隊の局長として冗談じゃ済まされません。

 百歩譲って、仮にたとえば舞台となるデッカーの地球では、ガッツセレクトが対処しきれないくらいのレベルで四六時中怪獣が出現しており、ガッツセレクト以外の部署が怪獣に対処することもある、だからガッツセレクトのあずかり知らないところで勝手に怪獣退治が完了していることもしょっちゅう、なんて背景事情があったとしましょう(まぁそんな描写どこを探してもないのであり得ないんですけど)。たとえそうだとしても、副隊長から今までのゴメスとは違うと言われた以上、ガッツセレクトを出動させないとしても、何かしら部隊を追加で早急に派遣するなりすべきでしょうに。

 当然、上記のような背景事情はなく、おそらくは怪獣のような巨大生物に対処する部署はTPUにはガッツセレクトだけだと思われ、そうなるとますます、多少の疑惑はあれ出動許可を出さなければならないでしょう。

 あんまりにもナイゲルが悠長にした結果、ビル一棟が崩れたことについてはまったくもって言い逃れできません。できる限り努力してこれなら分かりますが、余裕ぶっこいて音楽聴いているうちにこの事態に陥るって、おふざけが過ぎます。

 16,17話を見るに、中川和博監督はこの辺り、あまり分かってらっしゃらないんじゃないかなぁと思いますね。怪獣に対する危機感というものがないので、気付かないうちに沢山やってはいけない地雷を踏みまくっている節があります。

 まぁ色々と書いては来ましたが、「防衛隊が宇宙人とのプロレス(?)を優先して怪獣退治を放棄する回」や「怪獣博士が制御装置を壊して怪獣を暴走させる回」に比べればまだマシな方ではある上、ナイゲルも役人としてやるべきことを全く何らやっていないわけでもなく、死傷者は出ていないことが強調されているので、ダメダメ回とまでは言わないけれど、限りなくダメダメ回に近い回であることは確かですね。もう少し見せ方を工夫すれば、一転して普通に面白い回になっていたでしょうから、惜しいなぁと思いました。

 まぁそもそも、メトロン星人みたいな異星人が局長を務めているのがどうなんだって話です。いくらその実力を買って重役に就かせるとしても、地球の命運をかけた防衛隊の出撃許可の権利を宇宙人に握らせるのは、どう考えても駄目でしょう。いざ地球を守りたい時に出撃止められたら困るじゃないですか、今回みたいに。

 また、今回の主軸となるのが、リュウモンとムラホシ隊長の過去です。実はリュウモンが防衛隊に入るきっかけとなった隊員こそが、かつてのムラホシ隊長だった、という素材は良いのですが、どうも調理の仕方に粗が目立って上手くハマりませんでした。

 まずもってこの展開をやるなら、第3話でその話が出たときに、この映像使った方が効果的だったんじゃないですかね。こちらに関してはムラホシ隊長の声が視聴者に割れているので、ムラホシ隊長は後ろ姿だけで映して、声も(それこそ1話のデッカーみたいに)消して描写するとか。そうやってリュウモン少年の過去を映像で見せて、ここで伏線回収、とした方が幾分か綺麗に纏まるじゃないですか。

 で、更に言うとリュウモンとムラホシを襲ったのがヒュドラムって、デッカー8話の展開を踏まえた上でなおヒュドラム下げをしてどうするんだって話です。これじゃあどう頑張ったってヒュドラムにヘイトが向くじゃないですか。より8話展開への不満が増すじゃないですか。これは少し悪手だったのではないかな、と思います。

 とまぁ、この展開をやるなら監督間でもっと連携を取っていたら良かったんじゃないかな、と思う部分が結構あって、それゆえあまり今回の展開自体、刺さりませんでしたね。

 もっと細かいことを言うならば、ムラホシ隊長の取調室にそんなにあっさりリュウモンが入れていいのかって話です。防衛隊を出撃させないくらい疑惑の目を向けているナイゲルさん、そういうところは甘いんだ、とちょっと仕事の腕を疑います。

 まぁそんなわけで17話でした。不満点は上記の通り結構あるのですが、まぁ全体として見てみれば、よくある通常回って感じの回ではありました。特撮は良かったですし、ゴメスも魅力的でした。

 

 ということで以上、デッカー16,17話感想でした。やはり、怪獣という存在について、今一度きちんと考え直す必要があるのではないか、と強く思った回でしたね。おふざけも、やり過ぎると粗が目立ってしまいます。何事も、バランスが大事ということでしょうね。

 それでは、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!