igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ウルトラマンギンガの強さについて

 2013年7月、メビウスからは約6年ぶりとなるテレビウルトラマン新作、「ウルトラマンギンガ」、その一年後には続編の「ウルトラマンギンガS」が放送されました。主人公の礼堂ヒカルが変身するウルトラマンギンガですが、これら全27話に映画も含め、とにかくパワーバランスが揃っていなさすぎる、怪獣とウルトラマンの強さが話数によってバラバラだ!とよく言われます。では実際のところ、ギンガの強さはどれほどのものなのか、ちょっと検証してみたい。

 

ウルトラマンギンガは強い

 まず大前提として、ギンガは他のウルトラマンに比べても強いことは明らかです。顕著な例はウルトラマンXの客演回。かっこよく登場して、サラッと「グア軍団殲滅してきた」発言。また、ギンガストリウムに変身しインペライザーを一掃する、平成ウルトラマンらを苦しめたエタルガーをギンガビクトリーに変身し倒す、ウルトラの星を滅ぼし、ウルトラマンも怪獣も人形(スパークドールズ)に変えてしまった強敵、ダークルギエルを倒す、などなど、戦績からしても強いとは言えるでしょう。

 

ギンガのパワーバランス

 ただ、先程も書いたように、とにかくギンガはパワーバランスがめちゃくちゃなんですよね。ちょっとそこを説明していこうかと。
 まず、ウルトラマンギンガは、ノーマル状態でも強いのですが、その強化形態、ギンガストリウムがギンガSで登場。その劇場版でウルトラマンビクトリーと合体しさらに強化、ギンガビクトリーになりました。
 しかし、ノーマルのウルトラマンギンガの状態で光の国を滅ぼすほどのダークルギエルを倒し、グア軍団を全滅させる力があるのに、ギンガストリウムでノーマルとは見違えるほどの活躍をすることもあまりなく、ギンガビクトリーも、ウルトラファイトビクトリーのスーパーグランドキング戦では、レオやアストラが善戦している横で押されていた印象が強く、あまり強そうに見えない部分もありました。特にウルトラマンギンガSは、ギンガが主人公ということもあって(あまりに毎回無傷の主人公は絵面がつまらないので)結構一般怪獣にボコボコやられる回もあったりと、なんというか、これがあのルギエルと渡り合った戦士なのか!?と巷で噂になりました。
 ギンガのパワーアップ形態が、ギンガでも倒せる敵より弱い敵に苦戦する。これだけでも、ギンガのパワーバランスがあまり的確ではないのではないか、と噂される理由がわかるのではないでしょうか。
 ギンガのパワーバランスが疑問視される一因として、出てくる怪獣のレパートリーが上げられます。ギンガにはさまざまな怪獣が出てきており、過去にウルトラマンがさほど苦戦しなかった一般怪獣や、ラスボス級の怪獣もぞろぞろ出てきます。すべての怪獣を同じように倒すので、一般怪獣にもラスボス級にも、同じように苦戦し善戦する姿が描かれるからこそ、パワーバランスが崩壊しているように見えるのではないでしょうか。
 ラスボス級の怪獣に関しては、主にダークザギ、ハイパーゼットンの話が有名でしょうか。ダークザギは、ウルトラマンネクサスのラスボスを務める怪獣ですが、ウルトラマンギンガの劇場版に登場し、スパークドールズから実体化した後、ギンガと互角の戦闘をして激戦の末敗れます。ネクサスの話をするとかなり長くなるのでここでは割愛しますが、ネクサスって真の姿をノアといって、まぁいわばウルトラマンの世界における神のポジションというか、とにかく最強の存在なわけです。そのノアと互角に渡り合えるのが、ダークザギ。そのダークザギと互角に戦えるギンガが一般怪獣にボコボコにされるのって、ネクサスのネームバリューに傷がつかない?って話なんですよね。
 ハイパーゼットンは、「ウルトラマンサーガ」というタイトルの映画に登場した怪獣で、あらゆる宇宙の生命体に加え、一つの地球のすべての生命の恐怖を糧に誕生した最強のゼットン。瞬間移動能力を含む高度な戦闘能力を持ち、ゼロ、ダイナ、コスモス三人のウルトラマンが束になっても全くかなわなかった相手です。最終的に、ゼロ、ダイナ、コスモス三人が合体してウルトラマンサーガが誕生し、さらに地球防衛隊の活躍もあってようやく倒せた怪獣です(合体して誕生した究極のウルトラマンに、圧倒されることなく互角に立ち向かったという意味ではかなり強いといえるでしょう)。ウルトラマンギンガSのテレビ本編にてスパークドールズから現れ、ギンガ、ビクトリーの二大ウルトラマンコンビに敗北しました。究極のウルトラマンをもってしても倒せなかった怪獣を、ウルトラマンたかだか二人で倒せるものか?という意見や、だったらどうして一般怪獣には苦戦するの?と、ウルトラマンサーガのネームバリュー落としになる、という意見が多いですね。
 結局こういうパワーバランスの欠陥の一番致命的なところは、一度も敗北を知らない、チートみたいな数々の誇り高きウルトラマンの名誉を汚すというところなんですよね。レジェンドウルトラマンたちを立てつつ、ちゃんとギンガだって強いんだぞ、みたいな結論に達せれば良いのですが……

 

ギンガのパワーバランスに対する理由づけ

 じゃあこの矛盾をどう上手く説明すればいいのか。掲示板、Twitterなど様々なところで議論されているのを見ていて、これは納得できる、と思ったものを合わせて列挙してみたく思います。
 まず、ダークルギエルは、もちろん光の国を滅ぼしたので強いことに変わりは無いのですが、武器であるダークスパークがそもそも強すぎるのでは?という意見。まぁこれは、本編でもダークスパークをなくすとかなり弱体化していた節はあるので、十分考えられるかとは思います。そりゃルギエル自身も強いけど、ダークスパークも相当強いよね、って話。ダークスパークを使えば、そもそもウルトラマンと戦闘する以前に人形にしてしまえますものね。これによって、ルギエルは武器なし単体で光の国を滅ぼせるほどは強くないけど、でも普通の怪獣に比べたら圧倒的に強いよね、くらいのポジションになったわけです。
 次に、ダークライブした怪獣と、ダークスパークから実体化させた怪獣は、圧倒的にダークライブした怪獣の方が強く、ダークスパークからただ実体化しただけでは元の怪獣の強さに到底及ばない、という意見。ダークザギが弱そうに見える(これ、かなり語弊があるので注記しておくと、あくまでネクサス本編の話や設定に比べてって意味で、ザギが全然見劣りしないくらいのアクションをしていることは補足しておきます。だから別にギンガのネームバリューが下がるとかはない)理由としては、ダークライブされた状態だから、ということで説明がつくかと……これで、ノアのネームバリューも下がらない。
 そしてダークライブした怪獣はその操作主のコントロールによってかなり強さが変わるという意見。こうすると、ギンガSの怪獣がギンガの怪獣に比べて強く描かれているのも、怪獣をコントロールする側が優秀だから、ということになるわけですね。
また、ハイパーゼットンに関しては、映画と違い、あらゆる生命体の恐怖を取り込んで誕生したわけではないので、映画の個体に比べれば弱いはずだ、という意見が成立するわけですね。その証拠に羽がないじゃないか、と。ハイパーゼットンはその後の作品にも出ますが、映画の個体とは手の形が違うなどの差別化もされており、この「別個体だから映画ほど強くない」って理論はそこまで変ではないはず。まぁ、とはいえハイパーゼットンもギンガSでそこそこいい活躍はしてるんですけどね。これでサーガの評価も下がらない。

 

最後の砦

 とまぁここまで来れば、ギンガSの一般怪獣にギンガが負けてギンガのラスボス級の敵にギンガが勝つ理由ってのはだいたい説明できるんじゃないかと。しかしギンガ、そこまで説明が付いてもまだ、いやギンガストリウムやギンガビクトリーよりノーマルのギンガの方が強いんじゃね?と思える描写はたくさんあり(実際、前述のザギ戦やルギエル戦の強さの描写は、ギンガストリウムやギンガビクトリーを超えてるなんて言われることも)、まったく、さすがギンガはパワーバランスが崩壊しすぎているというか……
 この、ギンガの強化形態がそんなに強くなったように見えない時がある、という意見に対する究極の答えがあって、それが、「ウルトラマンギンガの歌が流れている時のノーマルギンガは最強」という、トンデモな説。まぁ、実際そうなので、なんとも反論できないのですが

 

まとめ

 以上、まとめますと、ノーマルのギンガは普通の他のウルトラマンに比べれば圧倒的に強い、ということ。ダークルギエルも、そのギンガと互角ぐらいには強いということ。ダークルギエルがダークスパークを手に入れれば、ウルトラの国を滅ぼせるくらい、ルギエルもダークスパークも強いということ。ギンガS怪獣がギンガ怪獣より強いのは、ダークライブしている操作主の力に依存するからで、ザギが弱体化して見えるのはスパークドールズから実体化させられただけの怪獣は元に比べ弱くなるからだ、ということ。ハイパーゼットンが弱く見えるのは映画とは別個体だからということ。それでもザギとハイパーゼットンは強く、ちゃんとギンガの強さも補完されてるねってこと。 そして、ギンガの強さは、
ギンガ→ギンガストリウム→ギンガビクトリー→ウルトラマンギンガの歌が流れている時のノーマルギンガ
ということでした。以上のことを使えば、ギンガのパワーバランスがどうのこうの、って話になったときある程度説明はつきそうな気がします。まぁ、ここで議論されていることはあくまで、「こう考えたら辻褄が合うよね」ってだけで、違う考え方も出来たりするので、これが真実だ、とまでは思わない方が良いですが、有用な議論に変わりはないでしょう。
 それでは、今回の記事はこの辺りで。またどこかでお会いしましょう。以上、igomasでした。