igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ドクタードゥームMCU参戦

 皆さんこんにちは、igomasと申します。本日は、先日サンディエゴコミコン2024にて発表された、MCU最新情報について述べようと思います。サンディエゴコミコンの映像をご自身の目で確かめたい、という方は、適宜YouTube等で先に見てから戻ってきてください。

 

※以下、サンディエゴコミコン2024で発表された、今後のMCU、これまでのMCU(デッドプール&ウルヴァリンを含む)についてネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 ということで、このたびMCUシリーズにロバートダウニーJr.がドクタードゥームとして参戦することが発表されました。ドクタードゥームと言えば、アベンジャーズやファンタスティックフォーの強敵として描かれる大悪党です。アイアンマンを演じた彼が、まさかのアベンジャーズの敵を演じるという、とんでもないニュースでした。私としては、これはかなりありだと思います。

 たしかに、アイアンマンはアベンジャーズエンドゲームにて死亡し、ロバートダウニーJr.はMCUを卒業した、と言われていました。そんな彼がMCUに再び復帰することには、賛否両論あるのだろうと思います。実際、彼のアイアンマンとしての物語は、アベンジャーズエンドゲームで終わったことに変わりありません。彼がもし再び同じアイアンマンとして登場し、死んだアイアンマンの代わりとして再び活躍するようなことがあっては、アイアンマンの死を台無しにすることになりかねません。

 けれども、彼がこと敵役として、しかもシークレットウォーズの大ボスとして登場するとなると、途端に話は変わってきます。ひとつ、シークレットウォーズは原作コミックでも特にスパイダーマンが重要キャラとなる作品です。そしてMCUスパイダーマンは、アイアンマンを師として慕い、彼の死を悼む映画まであるくらいです(スパイダーマン:ファーフロムホーム)。そんなスパイダーマンが、アイアンマンと全く同じ顔をした、そしてアイアンマンとは真逆の悪性を持ったドゥームにどんな反応を示すのか、それが今から楽しみでなりません。ふたつ、ロバートダウニーJr.という役者自身が、MCUというシリーズを10年以上にわたり支えてきた大黒柱ともいえる存在です。つまり、誰よりもMCUというものを理解しているし、誰よりもMCUのことを考え続けている役者です。そんな彼がまったく新しい役、それもとてつもない重役を演じたとしても、MCUの中における立ち位置をちゃんと理解して、すぐ適応できる役者といえます。みっつ、そもそもロバートダウニーJr.はMCUを卒業したわけではありません。アイアンマンが死んで、しばらくMCUを離れていたに過ぎません。フェーズ4,5と来てマルチバースの下地がようやくできたところで久しぶりに戻ってきたに過ぎません。デッドプール&ウルヴァリンでもクリスエヴァンスがキャプテンアメリカとしてではなく戻ってきました。MCUにかかわった全ての役者に、再び戻ってくる機会がある(当然、そのキャラの死を汚さない範囲で)。MCUはもともとそういうシリーズだと思っています。

 だから、ロバートダウニーJr.が戻ってくること自体、そしてドクタードゥームを演じること自体は。私はかなりありだと思っています。

 

 が、これまたもう一つやっかいな問題がありまして、次のアベンジャーズ2作品の監督を務めるのが。アベンジャーズインフィニティウォー、エンドゲームを撮ったルッソ兄弟だということです。つまり次のアベンジャーズは、またロバートダウニーJr.とルッソ兄弟のタッグになった、元サヤに戻ったというわけです。これではあまりにもOBの凱旋が過ぎるのではないか、と言われているわけです。

 ロバートダウニーJr.がドクタードゥームをやる、というだけならまだしも、ルッソ兄弟カムバックと相まって批判されるのは。正直仕方がないとは思います。結局のところ、インフィニティウォー、エンドゲームの延長でしかなく、それ以上のもっと爆発的な何かを期待できないということになるからです。

 MCUはもともと、フェーズ1の頃はかなり手探りの状態でした。思えば、シェイクスピア劇に造詣の深い監督にソーを任せたり、戦争映画の得意な監督にキャプテンアメリカを撮らせたり。ヒーロー映画とはまた違った映画を得意とする監督を多く起用していました。それぞれの監督の味があったからこそ、ここまで一大シリーズに成長したのだと思います。もちろん、アイアンマンを撮ったジョンファヴローが天才的な監督だったというのは大きいですし、アベンジャーズを撮ったジョスウェドンの力も大きいです。

 そしてフェーズ2,3と進むにつれ、「これは」という画を撮れる実力派監督(ルッソ兄弟、タイカワイティティ、ジョンワッツ、ジェームズガンなどなど)を多数揃えたMCUシビルウォーやソーラグナロクスパイダーマンホームカミングなど、絶えず多数のヒーローが相互に関連し合う壮大な作品を作り上げ、更なる躍進を遂げ、インフィニティサーガの大成功を収めます。

 インフィニティサーガが終わり、フェーズ4以降、マルチバースサーガが始まりました。ここで、MCUを指揮していたケヴィンファイギは、フェーズ1と同じ事をしようとします。つまり、様々な得意ジャンルを持つ新進気鋭の監督に、一回全部丸投げしてみよう、と。これが悪手でした。というのも、フェーズ4はサーガの移行により多少リセットされたとはいえ、フェーズ1の頃とは違い、既に世界観が構築されすぎている世界だからです。そこで、CG技術にあまりに疎い新人監督ばかり起用して、矛盾のある脚本を書く脚本家ばかり起用して、喧嘩ばかりして派閥争いする制作陣を起用して、現場の疲弊を招き、シリーズは衰退の一途を辿りました。

 ケヴィンファイギとしては、いったんフェーズ4で(保険としてこれまでMCUで活躍した監督を起用しつつ)新進気鋭の監督に自由にさせて、そこでダイヤの原石を見つけ出し、かつマルチバースサーガの下地を作って、フェーズ5以降になれば以前と同じように絶えず多数のヒーローが相互に関連し合う壮大な作品を作り、フェーズ6で爆発させる、という計画だったのでしょう。しかしその計画は、フェーズ4の時点で崩れてしまいます。先述の通り新進気鋭の制作陣は結構な大やらかしを続け、それどころかこれまでMCUで活躍した監督も今ひとつの活躍でした。タイカワイティティはソーラブアンドサンダーを撮ったものの。ソー役のクリスへムズワースが自由にやりすぎたと反省する始末。ジョンワッツもスパイダーマンノーウェイホームで3人のスパイダーマンを集結させ名作を作り上げたものの、やはり一作に色々と詰め込みすぎて多少無理をしているなと感じましたし、そもそも3作作り上げたのでこれで一旦契約終了。ジェームズガンのガーディアンズ3は素晴らしかったですが、DCに移籍してしまいました。これまでMCUを支えてきた監督を軒並み失い、新人監督もそこまで奮わず、MCUに焦りが見え始めます。この辺りはフェーズ4作品ランキングで詳しく述べています。

↓フェーズ4作品ランキングはこちら

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 また、フェーズ4ではそもそもマルチバースサーガの導入が上手くいっていませんでした。ワンダヴィジョンからちまちまと進めていた「過去作の登場キャラ出る出る詐欺」はずーっと続き、ドクターストレンジマルチバースオブマッドネスでもついにそれは果たされませんでした。この、カメオ出演を出し渋り過ぎてMCUが失敗した話は、デッドプールMCUを救うのか、という記事で取り上げています。

デッドプールMCUを救うのか

igomas.hatenablog.com

 そしてフェーズ5が始まります。先述の問題はそのまま引き継がれており、制作陣の喧嘩による大荒れかつ予算の大量消費(シークレットインベージョン)、エンタメ的にかなり損をしているエコーなど、新進気鋭の監督を使った事による牛歩はなおも継続。当初の予定通り絶えず多数のヒーローが相互に関連し合う映画を作ってはみたものの制作陣が育ちきらず今ひとつクリーンヒットに欠けたマーベルズ。いよいよもう後戻りできないところまでやって来たのです。

 こういうわけでフェーズ5に入ってなお、①監督陣を軒並み失い、新人も育っていないカメオ出演を出し渋り過ぎて視聴者が離れる。という大やらかしをしてしまうのです。

 デッドプールウルヴァリンはあまりに多くのカメオ出演があり、ようやくワンダヴィジョンの頃からの課題であった②をクリアしますが、制作陣からしてみれば、映画公開前の時点では①も②も達成されていない状況なわけで、相当な危機感があったことでしょう。残った最後の監督、ルッソ兄弟にすべてを賭けるほかなかったというのが、実情だと思います。実際、フェーズ4を撮った監督の中でも一定の評価を得た、シャンチーやロキの監督には声をかけたものの計画が頓挫。どう考えてもルッソ兄弟誌か残っていなかったのでしょう。

 そして、膨れ上がる危機感に苛まれたMCU制作陣はついに、苦渋の決断に迫られます。それが、ロバートダウニーJr.をも再度起用し、インフィニティサーガのメンバーを再び呼び戻す、というものでした。

 正直、今回の発表は、完全にフェーズ4,5を反省しての結果だと思っています。フェーズ4であまりに現場に丸投げしすぎた弊害が、シリーズが進むにつれて見過ごせないほどのしわ寄せになっていたのだと思います。

 ロバートダウニーJr.の復活は、次のサーガ、フェーズ7以降で良かったのではないか、と思う方もいるかもしれません。しかしそれは違います。次のサーガでは駄目なのです。制作陣の危機感は膨れに膨れ上がっているのです。そして今これをやることにはもう一つの意味があります。すなわち、制作陣の、次のサーガにはこの負債を持ち込ませないという覚悟の結果なのです。

 結局の所、このマルチバースサーガは私が当初思っていたとおり、インフィニティサーガが終わった後のお試し期間という位置づけになりました。とりあえず自由にやってみて、駄目だったら次善の策として元サヤに戻す。その上で、フェーズ7以降はその反省を生かして、正真正銘インフィニティサーガを超えるシリーズを作る、そういう計画なのだと思います。

 正直、マルチバースサーガを捨て石のように使ってしまったことはかなり痛手だと思いますし、フェーズ7以降本当にやりたいことができるかは疑問です。しかし、とりあえずロバートダウニーJr.とルッソ兄弟が組んで駄作と言うことはまずあり得ないでしょうし(インフィニティサーガの延長に過ぎないとしても)、期待して良いんじゃないかなと思っています。そもそも私ロバートダウニーJr.のドクタードゥームはめちゃくちゃ良いアイデアだと思いますし、冒頭にも述べましたが。

 というわけで、これはMCUのフェーズ7に向けた覚悟の現れ。フェーズ7以降、インフィニティウォーの延長線上にはおさまらない恐るべき制作陣を揃えたMCUの本気に期待しつつ、とりあえずお試し期間として色々チャレンジしているマルチバースサーガの行く末を見ながら、楽しんでいきたいと思います。

 

 

 ということで、最近のMCUに絡めた、ロバートダウニーJr.、ルッソ兄弟談でした。それでは、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!