igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

デッドプールはMCUを救うのか

 皆さんこんにちは、igomasです。今回は、先日特報が公開された、「デッドプール&ウルヴァリン」について語っていこうと思います。せっかくですので、最近よく聞く「MCU疲れ」といった話題にも切り込んでいこうと思います。
 一応、MCUは映画の興行収入においても華々しい実績を残す、世界の「覇権」コンテンツでありますから、いつものウルトラマンに対する甘々な感想ではなく、手厳しいコメントもあるかもしれません。ご了承ください。
 あと、MCUのネタバレが多少あるのでお気をつけて。

 


デッドプールMCUを救うのか?

 MCUは、フェーズ4以降、マルチバースサーガに突入してから、明らかに作品のクオリティが下がってしまいました。
 最たる理由の一つが、ケヴィンファイギの方針です。フェーズ4以降は、監督経験の浅い監督に大規模な映画やドラマを任せたことで、VFX技術やCG技術に疎い監督が曖昧な指示で現場を困惑させるという事態が多発しました。
 また、現場の連携がほとんど取れておらず、ワンダ&ヴィジョンとドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(以下MoM)のように、シリーズなのに作品感の繋がりが悪いものも。果ては製作陣が派閥を作って対立し喧嘩しながら作って、見るも無惨な結果になってしまったシークレットインベージョンなど、燦々たる有様です。
 作品間で連携が取れていないので、別々の映画のキャラを絡ませるユニバースの旨味は消えて、特に大集合映画が公開されることもないまま、何に向かって進んでいるのか分からない状態で視聴者はただ作品を見続けるだけ。そんなわけで今、「MCU疲れ」という言葉が盛んに謳われているのです。
 特報が出されたデッドプールが、そんなMCU疲れを払拭する救世主となるのか、「デッドプールMCUを救うのか」ということが、TwitterYouTubeで盛んに議論されています。
 結論から言うと、デッドプールMCUを救うのか」という問い自体がナンセンスです。そもそもシリーズものなのですから、その中の1作品がたまたま良かっただけで、シリーズ全体が救われるわけがありません。良作が継続的に出続けて初めて、シリーズが良くなるのです。
 先日、こんなツイートを見つけました。「アントマンアンドワスプ/クアントマニアで、MCUは終わったと思った。でもその後ガーディアンズオブザギャラクシー3でMCUは復活した。その後、シークレットインベージョンでMCUが終わった→ロキシーズン2でMCUが復活した→ザマーベルズでMCUが終わった。さて、デッドプール3はどうなるか?」と。いや、1作品ごとにシリーズが終わったり復活したりするわけないでしょうに。どれだけ名作が含まれていようが、シリーズ全体として見てダメならもうそのシリーズはダメなんです。もし「MCUが終わった」という作品が複数あるなら、その時点でシリーズとしてはオワコンです。
 だから、もしあなたがMCU疲れをしているというのなら、デッドプールは「MCUを救うか、救わないか」という次元で考えるような作品ではそもそもないのです。
 「MCUを救うか、救わないか」という問い自体、非常にナンセンスと言えるでしょう。


MCUフェーズ4以降の最大の問題点

 作品感の連携が取れていない、監督が新人ばかりで指示出しが曖昧、これらはMCUの抱える問題点のひとつでしかありません。これら全てに共通する、根本的な問題点に気づかない限り、MCUは良くなりようがありません。問題はもっと深刻で根深いものです。
 それは、ケヴィンファイギが、「MCUはエンドゲームまでで貯金がある」と思い込んでいる点です。
 MCUはフェーズ3でかなり盛り上がりを見せ、一時はアベンジャーズ:エンドゲームが世界興行収入1位を獲得し、その他の作品も世界興行収入ランキングに名を連ねました。ケヴィンファイギはこのことをもって、「これだけの超大作を出したのだから相当な貯金があるだろう。だから、新人気鋭の監督を起用して、ある程度好き勝手やっても視聴者はちゃんとついてきてくれるだろう」と考えてしまったわけです。
 確かに、アベンジャーズ:エンドゲームは超大作でしたし、アイアンマンから始まる10年の歴史の集大成としてこれ以上ないほどに見事な作品ではありました。しかし、エンドゲームまでの道のりの中で、手放してきたものも多かったのです。
 フェーズ4以降、ディズニー+で、数々のMCUドラマが公開されていますが、フェーズ3までにも、MCUのドラマは存在していました。それらは各種サブスクにて公開されていました。
 ABCでは、MCUスピンオフとしてエージェントオブシールドが制作され、他にもエージェントカーターなどが公開されていました。Netflixでは、デアデビルジェシカジョーンズといったディフェンダーズシリーズ、Huluではクローク&ダガーなどなど。これらは全てMCUとして作られており、どれも名作揃いで、ファンからも愛される作品ばかりでした。
 しかし、各種サブスクで配信される数多あるドラマ作品のキャラを、映画に絡ませるのはやはり難しかったらしく、これらのドラマは全て、エンドゲーム公開に至るまでの中で、「MCUとは全く関係ない別物」ということになってしまいました。
 視聴者からしてみれば、これまでMCUだと思って長々と見続けてきたドラマシリーズの数々が、全て無かったこととして扱われるわけですから、そりゃ、やりきれない気持ちになるわけです。
 また、MCUとは完全別シリーズとして作られていたX-MENシリーズも、ディズニーが20世紀FOXを買収したことで、シリーズが有耶無耶に終わってしまいました。
 たしかにエンドゲームは名作だったかもしれませんが、そのために払った代償は大きく、とても貯金ができたとはいえません。むしろ、今まで上記のシリーズを楽しんで見ていた人たちに対して、大きな負債を抱えた、という表現の方が正しいでしょう。
 フェーズ4が始まって以降、ワンダ&ヴィジョンでは、X-MENシリーズでクイックシルバーを演じていた役者さんが登場し、X-MENシリーズのファンは大歓喜しました。MCUX-MENが参戦するのでは!と喜んだわけです。しかし、結局そのクイックシルバーは偽物で、X-MEN(ミュータント)ではありませんでした。
 それ以降、プロフェッサーXが単体では出たものの、X-MENのキャラは全く出ることがなく、先日ザマーベルズにてようやくビーストが登場した程度でした。
 せっかくX-MENという美味しいキャラを手に入れたのですから、ゆっくり小出しにしようというケヴィンファイギの気持ちは分からなくもありません。でもそれは、本当に「貯金」が出来ていたらの話です。実際は負債だらけなのです。呑気にしてる場合では無かったのです。
 デアデビルにしてもそう、ノーウェイホームでマットマードックの姿でちょっとだけ登場し、シーハルクやエコーで少し出演した程度。他のディフェンダーズ組も、キングピンは出たものの、ジェシカジョーンズやルークケイジ、アイアンフィストは音沙汰なし。
 シークレットインベージョンでもエージェントオブシールドの登場が期待されましたが、全く登場せず。
 問題は、負債を抱えていることに気づかないまま、「作品的に必要とまでは言えないから」の一点張りで登場を出し渋ってそれでいいと思っている、ケヴィンファイギの絶望的なセンスの無さです。
 エンドゲームまでの間に抱えた負債は、さっさと取り払ってマルチバースサーガに移るべきでした。クリフハンガーにして良いのはせいぜいワンダ&ヴィジョンまで。ファルコン&ウィンターソルジャー、ロキでマルチバースサーガの下地を作った後にやるべきことは、真っ先に負債を払い切ることでしょうに。ブラックウィドウとかエターナルズとかシャンチーとかムーンナイトとかミズマーベルとかシーハルクとか、何作ってるんだって話です。まずファンタスティックフォーかデッドプールでしょうが!
 MoMこそが、視聴者がギリギリ待ってくれる、最終ラインでした。だってタイトルがマルチバース・オブ・マッドネスですよ? マルチバース中のキャラを出さなくて何するって言うんですか。なにドクター・ストレンジの変異体出してるんですか。ちらっと出すだけでいいんです。X-MENも、ディフェンダーズ組も、エージェントオブシールドも、クローク&ダガーも、ファンタスティックフォーも、ゴーストライダーも、全員まとめて出さなきゃ駄目でしょうに。フェーズ5最初の作品は何がなんでもX-MENでしょうに。そこまでの下地をどうして作らないのか。どうして「連携が取れずワンダ&ヴィジョンのリフレインになる」みたいな、素人が詰まるような初歩的なところで躓いているのか。
 正直、MoMでMCUは世界の覇権コンテンツとしては完全に「終わった」と思ってます。覇権コンテンツであることを無視すれば、作品として本当に酷いのはエターナルズとシークレットインベージョン程度だと思っているので、普通に視聴に耐えるシリーズだとは思ってます。でもまぁ、世界の覇権コンテンツとしてのMCUはオワコンです。
 今となってはX-MENディフェンダーズ組が出てきても、もうただ「遅い」しか感情が湧いてきません。視聴者を待たせに待たせすぎです。それほどまでに、負債が膨らみきっているのです。
 さて、冒頭の問いに戻りましょう。デッドプールは「MCUを救うか、救わないか」という次元で考えるような作品ではそもそもない。ならデッドプールは何なのか。それは、MCUが抱える多額の負債を払うか、踏み倒してバックレるか」という次元の作品なのです。
 これまでのMCUを見るに、デッドプール3は、まぁ、多少マルチバースのキャラも出るかもしれませんけれど、基本的にはこれまで通り「バックレる」映画になると思います。ケヴィンファイギがこの根本的な問題に気づくのがいつになるのやら……悲観するしかありません。


デッドプール&ウルヴァリン特報を見て

 とはいえ、デッドプール&ウルヴァリン自体はめちゃくちゃ楽しみではあります。
 単純に1,2のクオリティが高いので、かなり安心して見られますし、既にウルヴァリンパイロ、TVA職員の登場が決まっている他、ネガソニックティーンエイジウォーヘッドやコロッサス、ユキオなど(カメオ出演だとは思いますが)も登場が確定しています。おそらくはアライオスも出るでしょう。
 特報だけでこのキャラの数ですし、おそらくメインヴィランだろうと思われるカサンドラ・ノヴァの情報もほとんど未解禁ですから、続報が楽しみです。
 シリーズとしてはともかく、単体としては面白い作品になるであろうと期待が持てますし、なによりデッドプールが今後MCUを引っ掻き回してくれると思うとかなり楽しみです。
 デッドプールが次元を超えてアース616に来るとインカージョンが起こりそうな気もしているのですが、そのあたり言及はあるんでしょうか。シークレットウォーズとどう絡んでくるかも見所ですね。
 デッドプールウルヴァリンの変異体も登場することでしょうし、どれくらいはっちゃけた作品になるのか、今から楽しみで仕方ありません。特報映像の再生数が物凄い勢いで伸びており、ノーウェイホームの再生数すら越えたなんて話を聞きますし、それほど観客も楽しみにしている作品ということなのでしょう。


 取り敢えず今はディズニー+でムーンガール&デビルダイナソーを見て、楽しく待とうと思います。X-MEN '97も公開が決まっているので、せっかくだから当時のアニメを1から見ていこうかな。余裕があればマダムウェブも観に行くか…
 ということでこの辺りで記事を終えたいと思います。それでは、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!