igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ウルトラマンデッカー5話感想 やりたいことをやるために

 皆さんこんにちは、igomasです! デッカー、意外と語りがいのある作品で、かなり記事更新のモチベーションが上がっています。毎回3000字ほど書くとさすがにキツいので、デッカー感想は時折1500字程度と少なくなってしまっているのは申し訳ないのですが、それでもデッカー感想、かなり良いペースで更新できている気がします!

 今回は、ちょっとした雑談と、デッカー感想を合わせた記事となっております。かなり筆がのって、6000字程度の記事になりました。是非お楽しみくださいませ!

↓前回の記事はこちら

igomas.hatenablog.com

 

【雑談:モンスアーガーの話】

 前回あまり好いていないといっていたモンスアーガーですが(今現在もそうではあるのですが)、先日ウルトラマンショップに行った際に、ソフビ売り場でモンスアーガーに一目惚れしてしまいまして、即購入しました(笑)

 私は、ソフビ人形を見るときに、どれだけ「劇中で登場した怪獣だ」と思えるか、という基準で見ています。ですから、あまりに塗装省略していてもはや誰ってレベルのソフビ(ファイブキングや紅蓮騎、食玩対決セット)や、劇中とあまりに造形が違いすぎて原形をとどめていないソフビ(DXファイブキングやガンQ、ホオリンガ)、前面の塗装がブツ切りになって、背面がまったく塗られていないソフビ(ウルトラマン系全般)は、自分の中ではかなり評価が低くて、買わずじまいだったりします。

一方、今回のモンスアーガーは、造形が劇中にかなり近く、再現度が結構高いんじゃないかと思います。それで、購入を決意したわけです。モンスアーガーはそもそもが全体的に赤い怪獣ですから、多少の塗装省略もあまり気になりませんでした。前面の塗装が背面でブツ切りになるなんてことはないので、その点も安心です。是非是非、購入されてみてはいかがでしょうか。

↓私のソフビ雑談はこちら(ふざけまくった記事ですw)

igomas.hatenablog.com

 

【デッカー5話感想】

 だいぶ遊んだなぁ

 第5話は、監督、脚本ともに、けっこう面白がって自分のやりたいことをしていた話、そんな印象を受けました。以下詳しく見ていきましょう。

 物語への導入の仕方は昭和を思わせるものでした。怪獣出現の際の市民の逃げ方のカタコト感なんて、昭和そのものです。湖からエレキングが、スーツ新造で登場です。

 エレキングがスーツ新造というと、いつもの私なら、「ダイナオマージュ作品の数少ない新規造形スーツ枠なのだから、昭和怪獣ではなく平成怪獣を作って欲しい」なんて言っているところですが、今回はそうは言いません。どうやら関係者によると、人気の高い怪獣のスーツというのは別にテレビ用とかそういうのは関係なく、知らぬ間に勝手にスーツが新造されていたりするのだそう。ジード登場時点でかなりスーツがふにゃふにゃにしおれていたので、エレキングも今回新造されたのでしょうね。デッカー用新造スーツ枠はまだまだ残っていると考えて良いんですよね、円谷さん? そこで平成怪獣のスーツが作られると考えて良いんですよね、円谷さん? 頼みますよ……

 さてエレキングですが、さすが新造というだけあって、白い。本当にビックリするくらい真っ白なスーツでしたね。年が経つにつれてこのスーツも黄色く変化してゆくのでしょうか。また、今回のスーツはかなり細長い体型で、肘が特徴的なものとなっています。初代の特徴をとらえたスーツ、といえばそうなのですが、それにしてもかなり独特な肘。むしろ新鮮味を感じましたね。

 このエレキングですが、今回とにかく面白い。エレキングが湖に大の字に飛び込むカット、「ご飯だよ」と山盛りの電池を渡される様子、ピット星人のユウコの動きに合わせて手足をじたばたさせるシーン、ウルトラゾーンばりに村を散歩して盗電する姿。全部あまりにシュールすぎて、大変面白かったです。こう、シュールなんだけどほのぼのとしてもいるんですよね。それが良かった。そんな雰囲気で、すべてのシーンが統一されており、制作陣のやりたいことがちゃんと一貫していました。

 第5話が素晴らしいのは、横軸展開の話のひとつとして、制作陣が自分のやりたいことをだいぶ遊んでやっている一方で、「スフィアの襲来により地球に残された異星人」を描くことで、縦軸の展開にも絡めていくという離れ業をやってみせていることです。ただの横軸の話であれば、作品全体として見ると、最終的にはあってもなくても変わらない話だったね、という評価を受けてしまうことになるのですが、縦軸と絡めたことで一気に作品としての深みが増しました。また、しっかりとキリノイチカのキャラクターを掘り下げた上で、カナタやリュウモンとの絡みも描いているのは巧みです。

 本作では、「怪獣が友達」という新たな概念を、デッカーという作品に導入することにも成功しています。すべての怪獣が敵というわけではない。中には、意思疎通の図れる、友好な怪獣がいてもいい。25話の話の中の、バリエーションのひとつとして、こういう話が入っているのは、実に良い采配だと思います。

 こうやってちゃんと「友好な怪獣の存在」を描く話が1話あるのなら、なおさら「第2話の時点でデッカーに怪獣ミクラスが加勢している」事実がノイズとなって響いてきます。特にあのときは怪獣とウルトラマンの共闘について触れていないのに、今更そのテーマをやるのか、ということにもなってしまいかねず、やはりカプセル怪獣要素はまったくいらなかったのではないか、と思います。第5話が悪いと言っているわけではありません。第5話の展開はそのままに、カプセル怪獣がいらないと言っているのです。ストーリーのプロット上、今のところただのノイズでしかないんですよね、カプセル怪獣

 第5話ではエレキングミクラスが一瞬だけ戦い(セブンオマージュ)、正直カプセル怪獣を出したの、これがやりたかっただけなのでは? と思ってしまいますが、果たしてどうなのでしょう。まぁエレキングミクラスの戦いに、まったくワクワクしなかったわけではないですが、全体として見たときにノイズとなっているのでは、本末転倒です。

 これまでを見る限り、明らかにカプセル怪獣が出てくるシーンは蛇足気味に付け加えられており、これはもしかすると制作直前になっていきなり「カプセル怪獣を出せ」という上からのお達しがあったのかもしれません。またはバンダイからの要求があったのかもしれません。もしそうだとすると、そのたった一言がどれだけ作品のクオリティを貶めているか、ということについてもうちょっと慎重に考えた方が良いと思います。また、もし武居監督本人がカプセル怪獣を出そうと言い出したのなら、うん、もっと良くないですねw どちらにせよカプセル怪獣展開は、デッカーで一番好いていない部分かもしれません。

 エレキングが成長していく過程で、幼体のエレキング、リムエレキング、成体のエレキングが全部出てくるのは、嬉しかったですね。リムエレキングの造形、好きなんですよね。先程も触れましたが、成体の等身大エレキングが街中を闊歩し、盗電していく様子はシュールで好きです。

 ピット星人のユウコとエレキングの楽しげな様子を見て、友好的な怪獣の存在を確信するイチカ。お腹がすいて、今にも死んでしまいそうなエレキングを見て、助けてあげたいと思ったイチカは、基地から巨大なバッテリー「メガアース」をこっそり持ち出すことにします。しかしあっさりカナタとリュウモンに見つかってしまうのでした。

 なにげにエレベーターのシーンでは、リュウモンが「道に迷った上に通信機を落として連絡が取れなかったって、ちょっと考えられないミスだな」と、キリノイチカの実力を正確に判断した上で疑う様子や、カナタが「人間思わぬミスするもんだろ」と大して気にしていない様子をしっかり描いていることで、既に描かれていたキャラをしっかり定着させており、細かいながらも丁寧な描写。

 隊長は、キリノイチカが感情に走ったことを叱ります。そしてイチカが、TPUを融通の利かない組織だと思っていたことを叱り、「星は違えどスフィアの被害者同士、いたわり合うのは当然です」と、優しい一面を見せます。怪獣を保護する、というのはそう簡単なことではないでしょうが、部下の意見や思いをちゃんと汲んで、なすべきことをなす、実に良い上司です。

 続けて隊長は言います。「本来なら、カイザキ副隊長の意見も聞くところですが、生憎会議に出席中です。今はまず、食いしん坊君の命を優先で」

いや駄目だろw

 いやいやいや、あなた方今まで何と戦ってきたんですか、怪獣ですよ怪獣!? 怪獣とはその巨体さゆえに、存在するだけで脅威となる、ただ歩くだけで都市を壊滅に追い込む、そういう生物だと重々分かっているはずです。会議中とかなんとか言っている場合じゃないでしょ。怪獣ですよ怪獣? 怪獣博士の意見も聞かず、生態についてまったく知らないのに勝手に作戦を進めるなんて、無茶苦茶にも程があります。会議なんていくらでも中断すればいいじゃないですか、あなたたちが対峙してるの怪獣なんですよ! もっと危機感持って貰わなくては困ります!

 とここで、あ、駄目だこの第5話終わったかもしれない、と若干絶望した私ですがしかし、第5話、見事なV字回復を見せてくれました。これは本当に、さすがとしか言いようがありません。

 隊長が甘い判断をしたおかげで、案の定エレキングが暴走。カナタが変身するのですが、この時のセリフにご注目。「もし街で暴れたら、保護するどころじゃないな」。そうなのです。確かに隊長の考えは甘かった。怪獣は暴れている。だけれども、そんな即興の作戦でも決行するに至ったのは、この場所が街から離れており、人的被害がないと考えられていたからなのです。それがこのセリフ一言に集約されています。まぁ確かに怪獣を暴れさせたのはかなり防衛隊に非があるけれど、被害が出ないのなら首の皮一枚繋がったといったところでしょうか。

 そして今回盛大にやらかしてしまった隊長も、ちゃんと副隊長に叱られ、謝罪します。しかも2度も。まず真っ先に隊長が謝り、その後キリノイチカの良さと危なっかしさに触れた上で、もう一度また謝る。この流れが非常に好印象。真っ先に謝るのは誠実で良いですし、キリノイチカいいよね、みたいな話で謝罪がなぁなぁになってしまうのを避けるために、最後にもう一度謝るというのは、セリフの配置が本当に上手いな、と感じました。

 デッカーの活躍もありエレキングは縮小化、元通りの大きさに戻るのですが、ただ大きさを元に戻しただけでは、今回の一件が再発する余地が残されています。そこで最後にちゃんと、「エレキングがもう大きくならないように餌の量を調節する方法を防衛隊が考える」という描写が付け加えられているのは、とても丁寧と言えましょう。また、キリノイチカがユウコと一緒に和気藹々とエレキングの餌やりをして終わるというのも、今作の幕引きとしてかなりグッド。良い采配といえましょう。

 と、こういうわけで、隊長、そして防衛隊の失態は、「街への人的被害は出ないように行われていた」「しっかりと謝罪があった」「エレキングの暴走がまた起こらないよう、対策を講じた」という3段構えのフォローがあり、見事にV字回復してみせましたね。正直、この3つのどれか1つでも欠けていたら、かなり批判させていただいていたと思います。しかし丁寧かつ緻密なフォローをした結果、防衛隊の独断が一般市民を危険にさらすという最悪の展開をギリッギリで回避し、最終的に第5話は誰の株も落とすことなく、話としても面白い展開になった、といういいとこ取りを成し遂げたわけです。これは素直に褒めたいところですし、これまでのニュージェネでは出来ていなかったことだと思います。見事としか言いようがありません。

 と、褒めちぎって終わっても良かったのですが、少々気になることが。それは今回初登場の、ミラクルタイプへの初変身についてです。今回新形態への変身だったわけですが、とにかく展開が雑になってしまっていて、劇的さに欠けていました。

 「奇跡を、奇跡を起こすんだ~~~」と叫んでミラクルタイプの力を手に入れるわけですが、このセリフが本当によく分かりません。なぜそこで「奇跡」という言葉が出てくるのでしょう。エレキングの攻撃が一瞬やんだのに油断して、そのせいで電撃を喰らっているときに、「奇跡」を求めるというのがまるでわからない。ミラクルタイプのミラクルという言葉とかけて無理矢理とってつけた感が否めません。このセリフさえ全カットしてしまえばまだ上手くまとまるのですが、本当になんでこのセリフ入れたんでしょう。

 また、新形態取得までの過程も、描き方が良くないなと感じました。新形態というのは、普通に戦っている中で、「なんか新形態取得したな、ラッキー」みたいな描き方をするよりも、「今までの力ではどう頑張ってもこの状況を打破できない」という描写をして、視聴者にも、これは新しい力が必要だなと思わせる展開の方が、圧倒的に劇的になります。たとえば、エレキングが痛がっているのを見てデッカーが攻撃を躊躇し、膠着状態になる」とか、そういう描写ひとつ入れるだけでも、新形態取得の必要性がグッと強まります。

 やっぱり辻本監督は新形態を描くのが苦手なんだろうなぁ、という印象を受けた第5話でした。

 全体として第5話は、だいぶ遊んでいるがゆえ、人を選ぶような話ではありますが。十分制作陣のやりたいことがしっかりできており、その上登場人物のキャラを掘り下げ、スフィア襲来による影響という縦軸展開もこなしている、なかなかの力作回ではないでしょうか。新形態の出し方がすこし劇的さに欠けることや、カプセル怪獣の扱いについては若干の不安が残るものの、概ね丁寧で良い回だったのではないかと思います。

 ということで第5話感想でした! かなり長めの記事になってしまいましたね。いやはや、どうしてZもトリガーもデッカーも、第5話というのはこう、文章量が増えてしまうのでしょうか(笑)

 それでは、本日はこのあたりで、igomasでした!

 

↓参考までに、Zとトリガーの5話感想

igomas.hatenablog.com

 

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