igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ウルトラマンデッカー9話感想 プロレスってなんだっけ?

 皆さんこんにちは、igomasです! 8話で失速してから、なんとか回復しつつある今日この頃。デッカー9話感想も、進めていきたいと思います。なお10,11,12話はまとめて一記事にする予定ですので、次の記事が出たらだいぶ追いつくことになるかな、とは思います。

 それではデッカー9話感想、始めていきましょう!

↓前回のデッカー感想はこちら

 

igomas.hatenablog.com

 

《デッカー9話感想》

 やりたいことは分かる。分かるけど、さすがに「宇宙人一体によってたかって戦闘機や地上部隊が迎撃を仕掛ける」のをプロレスと言うのはちょっと無理がありすぎる。お話の構造そのものに無理がある、そんな回。

 本作、前半でも結構気になるところは多いと言えば多いのですが、なにより後半の違和感が尋常ではないので、いきなり後半のプロレスのシーンに触れてしまおうと思います。以下、箇条書き的に書いていくと、レッドキングが暴れているのに(しかも一回取り逃している凶暴な怪獣)、スフィアまで融合しているのに、完全放置の防衛隊。怪獣(スフィアレッドキング)が市民(グレースの娘)を襲っているのに、そっちを完全放置して宇宙人とのプロレス(?) を優先する防衛隊。デッカーに止められただけで怪獣退治を放棄する防衛隊怪獣退治の放棄を即承諾してしまう副隊長(怪獣博士)と部下たち。防衛隊よりよっぽどプロレスの相手に相応しいレッドキングが現れたのに、防衛隊と戦うことを選ぶグレース。お話の収集がつかなくなって、雑にプロレスを切り上げ途中から参戦する防衛隊とグレース。今までデッカーとスフィアレッドキングの戦いなんて見向きもしていなかったグレースが、いきなり私ごと打つのだとか言い出して、いい話風に話をしめようとする雑な展開。怪獣放置をしておきながら、いい感じの展開に乗ってしまえと言わんばかりの雰囲気を醸し出す隊長。取り敢えず雪を降らせていい感じの雰囲気にしてうるっとさせようとする魂胆が見え見えの雑な演出。ダイナのオマージュなのに一度の戦いで複数回タイプチェンジしてしまう雑オマージュデッカー。カプセル怪獣を3体出してやることは怪獣からグレースを引き離すだけという雑さ
 いや、もっとこう、あっただろ!
 さすがにストーリーが滅茶苦茶。展開もテキトーでその場しのぎ。もう少しまともなお話を持ってきてほしい。そんな1話でした。

 まぁさすがにそれだと制作陣を突き放しすぎなので、もう少し詳しく書いていこうと思います。まずもってこの話が何をしたかったのかがよく分かりません。グレースと娘の物語を書きたかったのでしょうか。宇宙人と防衛隊がプロレスをするという奇異な展開を描きたかったのでしょうか。正直、30分で両方を描き切るだけの力量が今の制作陣にはないので、変に欲張らず、どちらか一つに絞って描くべきでした。明らかにどちらも中途半端な描き方で終わってしまっています。

 グレースと娘の物語に焦点を当てるなら、まぁ順当な話にはなっていたかもしれません。グレースと娘の2人の関係にもっと尺を割き、グレースと娘がこれまでどのような生活を送ってきたのか、であったり、グレースの華々しい過去なんかも、もっと映像で見せることもできたでしょう。娘からグレースへの思いは(描写足りてないですけど)まぁ少しは描かれていますが、グレースから娘への思いももっと描くべきでしょう。そして順当にグレースと怪獣をプロレスさせて、最後の最後に、せめて怪獣と相打ちになってでも、それで死ぬことになったとしても、最後は娘の前でカッコいい生き様を見せたいと、グレースが怪獣ごと撃たれる展開に持っていく、とかすれば、上の雑な展開は回避できたのかな、とは思います。とにかく「グレースと防衛隊がプロレス」→「怪獣が出たけど無視して続行」→「収拾がつかなくなってお涙頂戴展開に持っていく」という流れが絶望的に良くないので、それを回避するために、順当にグレースと娘の話にしていればまだまともだったかもしれません。まぁ、それでもありきたりな話には違いありませんが。

 ではもう一つの方向性、宇宙人と防衛隊がプロレスをする、という展開を中心に話を作ってみましょう。正直このアイデア自体も大して面白いとは思いませんが、とはいえ宇宙人と防衛隊が戦うのをプロレスと呼んでしまう、という思い切りの良さは、頭のネジがひとつぶっ飛んでいて多少の新鮮味はあるかもしれません。

 頭のネジがぶっ飛んだ展開をする上で重要なのは、その他の部分では丁寧な作品作りを心掛ける、ということです。ちゃんとお話しづくりができる基盤があって、その中で一つだけ変なところがあるから面白いのです。ただ変なだけの作品なんて、見向きもされません。あちこちで頭のネジが外れていては、見るも無残な凡作が出来上がるだけになってしまいます。今回の話は、まぁ、凡作です。

 たとえば上にあげたところだと、カプセル怪獣の雑な使い方だとか、デッカーのタイプチェンジだとか、やらなくてもいいのにわざわざノイズになるようなことをするのは、悪手としか言えません。また、プロレスの途中で怪獣を出して、防衛隊が怪獣を放置する展開に持っていくのも違和感しか生まず、これはさすがにいただけません。そもそもプロレスだけの話にして怪獣を出さないとかでも良かったのではないでしょうか。無論、グレースが怪獣にしがみついて「私と一緒に撃て」展開に持って行って、お涙頂戴風にするのはもってのほか。あまりに唐突としかいえず、「宇宙人と防衛隊のプロレス」路線で行くならこちらの展開はごっそりカットで良いということになります。とにかく違和感を減らして、「宇宙人と防衛隊のプロレス」という一番変なところに、一点集中すべきです。

 またそもそも、プロレスをする意味も希薄です。グレースには、地球ではプロレスの相手がいないから防衛隊とせめて戦いたい、という理由はあるにせよ、防衛隊はただ単にグレースにお情けをかけてやっているにすぎず、防衛隊が積極的に戦う理由がありません。ガッツグリフォンの練習のため、というのは、理由として弱すぎます。既に一度出た装備の調整なんて、よそでやっておけばいい。わざわざ一話「宇宙人と防衛隊のプロレス」というテーマでやるからには、プロレスにもっと強い意味がなければやる意味がありません。むしろ新装備の予行演習としてプロレスをやる、というのが順当な流れではないでしょうか。なんでもいいからガッツグリフォンの新装備考えるとか、今までにない新たな戦術考えるとか、それができないなら、テラフェイザーを早めに出してしまうとか、とにかくいくらでもやりようはあるでしょう。

 とにかく第9話、違和感が多すぎてお話になりません。

 最近の記事では、作品の問題点を挙げて感想記事を終わらせることが多かったのですが、今回もそれをやるとほんと、記事が700字くらいで終わってしまうので、今回は「どう改善できるか」を中心に記事を書いてみました。あまりこういうスタンスで書き続けるのもどうかと思いますので、次回はまた別の側面から感想記事を書ければと思います。
 と、まぁ後半部分については色々と違和感を挙げさせていただいたわけですが、一つだけ、前半にあった違和感についても言及させてください。冒頭のパトロールのシーンのイチカ、かなり嫌味な感じになっていました。この感じどこかで見たなと思ったら、あれですね、第1話のイチカとカナタが初めて会った時の、当たりの強かったイチカをイメージした描写なんじゃないかと思います。最近は、イチカは第1話からはかなり印象も変わってきているのですが、やっぱり坂本監督1話しか見てないな、これは。

 それでは、また次回の記事でお会いしましょう、igomasでした!