igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ウルトラマンマックス感想7~9話

 皆さんこんにちは、igomasです。マックスさっくり感想、進めて参ります。今回は、なにげにこの配信で一番楽しみにしていた、ケサム回。

 

 

第7話「星の破壊者」

 ナレーションのDASHの説明が、だんだん熱を帯びてきた(笑)

 第7話は、山での捜査から始まりますが、宇宙人の仕業とはあまり考えられないということもあって、どこか緩い雰囲気が出ており、隊長から注意されるところなどは、かなり抜け感のある演出。ちょっとカイトとミズキにコメディチックなことをさせたかったのかな。この監督が上手いのは、緩い雰囲気を作るだけ作っておきながら、任務開始以降はしっかり両隊員がプロの顔つきになっており、メリハリのある描写は見ていてスムーズ。カイト隊員は光に向かって進み、爆弾を発見。ミズキ隊員、前回の今回でまたも足を挫くw

 ミズキ隊員はなんやかんやあって、ケサムと出会います。自分だって負傷しているのに、怪我している彼を懸命に治療し、ケサムを信じるミズキ隊員。ミズキ隊員が、ものすごく登場人物として好感度を上げてきており、嬉しい限り。ケサム自身は、傲慢に星を滅ぼす文明を破壊する者として、決して完全悪というわけではなく、ミズキ隊員はミズキ隊員で、人間の可能性を信じるという、両者の対立が、作品そのもののテーマとなっているのも秀逸。スラン星人の回しかり、ナレーションしかり、今作は「行き過ぎた文明を作り上げた人類の罪と、それを変えていこうとする人々」の話が大きな主軸となっており、あくまでそのテーマに沿った横軸展開ストーリーが多いのは、一貫しているという意味で評価できるポイント。

 まぁ少なからず欠点もあって、スラン星人回とやや話が似てくるという弊害や、そもそもミズキ隊員とケサムの会話シーンがやや長く、視聴者に飽きが来てしまう、という問題もあるでしょう。ただ今回のように、作品序盤で作品テーマについて登場人物に長々と喋らせること自体は堅実な描き方ではあります。

 この話は久しぶりに見たのですが、記憶と違って、ケサムがだいぶ老けてました(笑) もう少し若い方を起用しているイメージがあったのですが、気のせいだったよう。戦闘のCGが良かったですね。この頃からかなりいいCG。ってか、ネクサスであれだけのCGが出来てたらそうなるか。個人的には、近年のCGより好みなくらい、この時期のCGは評価しています。

 最終的に、宇宙人を放置し人類を危機に陥らせてしまったことを謝罪するミズキ隊員ですが、そのミスを認めながらも、宇宙人との共存を望むその姿勢自体は悪くない、とフォローする隊長。事実人類滅亡の危機だったので、ここでさほど怒っていないのは隊長としてやや甘い部分ではありますが、隊長としての好感度アップには一役買いましたね。

 

第8話「DASH壊滅!?」

 ポイントは、「皆が笑って暮らせる世の中になれば」と夢を語った直後に危機が迫る主人公

 怪獣がDASH基地内部で暴れる、というストーリー上、ゲストキャラを出すことなく、DASH隊員のみの描写を丁寧に出来るので、この話でレギュラーキャラの評価が爆上がり。

 人間の本性が見えるのは、その人間が本当にピンチに陥ったときです。自分の身に危険が迫ったとき、簡単に味方を捨てて自分は生き残ろうとするか、仲間を見放さず、ともに窮地を脱しようとするか。そこに、人の本性が現れると、よく言われます。その法則が、第8話、かなり上手くはまっています。DASH基地が壊滅しかけ、自分たちの命も危うい状況下で、他の隊員達を助け、懸命に怪獣と戦うレギュラーメンバーたちの勇姿が一層際立ち、好感度が爆上がりした、という感じですね。

 怪獣に基地を襲われる、というのは直近でいうとZのバロッサ星人回がありましたが、当時の予算状況、作劇の巧さもあってか、組織の巨大さ、その中で特に際立った活躍を見せるレギュラーメンバーの魅せ方、が秀逸で、ほんと素晴らしい。

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  怪獣の脅威をきちんと描き、レギュラーメンバー全員に見せ場を作り、マックスも活躍させ、あらゆる要素を詰め込んでしっかり纏めた、非常に優れた名短編。

 ところで、誕生日からの基地壊滅演出というのは、シルバーブルーメオマージュだったりするのでしょうか。まぁ、希望を持ったスタートから絶望に叩き落とすという話運び自体は、結構よくある展開ではありますが……

 

第9話「龍の恋人」

 マックスを代表する回の一つとして、よく話題になる回ですね。

 「これぞ龍型怪獣!」と言わんばかりの王道龍型怪獣(龍型怪獣ってなんだ?) フォルムの、ナツノメリュウと、少女を巡る物語が展開していきます。今作特有の、人間の横暴さとそれを正す者との対比を、単発回に上手く盛り込んだ一作となっていますね。

 ナツノメリュウのフォルムが素晴らしく、これだけ首が長い怪獣というのは珍しいはずなのに、どこか既視感というか、親和性・王道感があるのはマックスならではと言えましょうか。花火や夜の戦闘が、とても印象深いエピソードでありました。当時のスタッフは、ナツノメリュウを動かすのにかなり苦労したとか。当時のソフビ人形などを見ても、いやはやすごいですね(笑)

 不満点としては、ホテル建設サイドの横暴さが足りず、「人間の傲慢さ」があまり劇的に描かれないところが挙げられるでしょうか。「ナツノメリュウの伝説なんて大昔の作り話でしょ、この村の発展を考えたら、ホテルを作って観光客を呼び込もうよ」というのは、意外と筋が通っており、なんだか悪人とまで言えないかも、と思ってしまったり。もっと大がかりに、森林伐採により森の生物たちが困り、ゴミで川は荒れ自然が汚されている、とかまでやれば「人間の傲慢さ」はきわだったかも。まぁ、ウルトラマン製作陣って基本人がいいイメージなので、そこまでワルな発想に至らなかったのかもしれませんが(褒めてます)。

 単発回としてのまとまりは良く、オチも丁寧な回でしたね。

 

 

 というわけで、今回も、マックスさっくり感想でした。まぁこうして見ると、少しずつマックスという作品の欠点なども見えてくるものの、テーマ自体はしっかり一貫して描いてるんだなぁ、ということが分かりますね。やはり、テーマの一貫性は正義。

 それでは、また次の記事でお会いしましょう! igomasでした!