igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ウルトラマンZ第12話感想 生物兵器グルジオライデン

 皆さんこんにちは! igomasです。今回も、各話感想、進めていくとしましょう!

 前回第11話では、ハルキ父とのエピソードを交えつつ、「怪獣を倒すことの是非」という、新たなテーマを持ち出してきました。今回は、そのテーマをどう調理しているか、に注目しながら、キングジョーストレイジカスタムの新たな活躍にも期待しつつ、見ていきたいと思います。

 それでは、さっそく第12話、見ていきましょう!

 

 

《第12話》

 セブンガーとグルジオライデンとの戦いからスタート。なにげに久しぶりなセブンガー、そしてもっと久しぶりなクリヤマ長官。第4話からまったく出番がありませんでしたが、実に9話ぶりの登場と言えましょうか。長らく見ていなかったので存在を忘れかけていました笑 後半での活躍に、期待です。

 なんとしてでもグルジオライデンを止めたい様子のクリヤマ長官。セブンガーとウインダムが力を合わせるも、グルジオライデンに押し切られてしまいます。ハルキはゼットに変身。ガンマフューチャーで必殺技組の力を使い、グルジオライデンを追い詰めるも、とどめの一撃でまたもやハルキの心に迷いが生じ、光線を撃つことはかなわず。逃げられてしまいます。

 クリヤマ長官は、「怪獣を逃がすとはなんという体たらく!」と説教します。今作では、第三話のストレイジ本部の面々の、「ウルトラマンでも苦戦する敵に立ち向かっているセブンガーはすごい」発言のように、ウルトラマンありきの地球防衛思想が散見されるのですが、その中でもクリヤマ長官は、一貫して「地球人のみの力で地球を守る」ことを目標としており、ぶれていないのが良いところ。

 キングジョーストレイジカスタムが出動できないという問題や、グルジオライデンの次なる出現地はどこかと議論するストレイジのメンバー。「あ、これちょっと見てください」と(お芝居感マシマシで)オオタユカ隊員が取り出したのは、グルジオライデンの表皮。遺伝子操作の痕跡が見られる、地球外生物だと判明します。「生物兵器」というワードから、「宇宙人の手によって無理矢理改造され、暴れるグルジオライデン」に同情を見せるハルキ。前回に引き続き、同情の余地のある怪獣を登場させたのは、良い采配。

 クリヤマ長官により、グルジオライデンは、防衛軍の監視下にあり、10年前地球に落下してきて以来、調査研究を進めていたことが明らかに。グルジオライデンのデータから、セブンガ-、ウインダムら特空機が作られたとのこと。グルジオライデン、かなり本編において重要な役割を果たす怪獣で、中ボス級くらいの活躍はあってもいいのでは、と思いましたが、割とあっさりの退場でしたね。果たして誰に改造されたのか、来年のシリーズなどで明らかになるのでしょうか。

 クリヤマ長官が、次はキングジョーで確実に殺せと言うのに対し、「ウルトラマンゼットでも苦戦したんですよ」というオオタユカに対し、「ゼット様には頼らない。次は私たちだけで」と答えるナカシマヨウコ隊員。

 CM明けのシーンでは、キングジョーを見つめるハルキにヨウコ先輩が声をかけ、「ゼット様大変だよね……毎回怪獣と……だからこそ、私たちが強くならなくちゃいけない。自分たちの力で、平和を守れるように」と言います。怪獣達が本当に悪いのか、と尋ねるハルキに、ヨウコは「今この世界に、怪獣の居場所はない、可哀想だけど。だからこそ誰かに押しつけちゃいけない。ちゃんと背負いたいんだ、命を奪う責任を」と、ハルキの甘い考えを教え諭します。ヨウコの発言を通じて、ゼットの向かう「怪獣を倒すことの是非」についての答えがしっかりと示されたのは、良いことではあります。

 う~ん、今回ちょっと上記の2シーン(CM前の、クリヤマ長官に対するヨウコの反応と、CM後の、ヨウコがハルキに教え諭すシーン)が、少し引っかかりましたね、第12話。

 そもそもの問題は、ヨウコ隊員がそこまで「命を奪う責任をちゃんと背負」っていないところにあるのでしょう。ここでヨウコ隊員を振り返ってみると、第6話ではお遊びみたいな訓練シーン、第7話では棒立ち、第8話ではゼット様にベタ惚れして終了、第9話ではキングジョーと戦うでもなく、カブラギシンヤを追いかけるでもなく、棒立ち、第10話では巨大戦をゼットに丸投げ、と、本当に命を奪う責任を背負う気があるのか、というレベル。第5話にて唐突な「仕事人」発言が飛び出したり、今回の第12話でハルキを教え諭したりと、セリフの上ではさも仕事人かのように扱われていますが、実際は全く異なります。セリフと実際の描写とがあまりに乖離しているという、かなりブレブレな人物。

 クリヤマ長官は、上に書いたとおり、ゼット作中で、「怪獣退治は人間だけの手で成し遂げなければならない」という姿勢を一貫して貫いているキャラであり、ヘビクラ隊長も、オーブでの一件もあり、怪獣退治に対してしっかりとした考えを持っているようです。そういう人物達が、ハルキを教え諭すならまだ分かるのですが、ヨウコ隊員は、ハルキを教え諭すには立ち位置がブレブレであり、結構違和感があったことは否めません。

igomas.hatenablog.com

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 ゼット様に頼りまくっていた当の本人が、急に「命を奪う責任を背負いたい」と言い出しても、あまり劇的にならないのは当たり前。まぁ、前回のレッドキング戦のヨウコ先輩は、結構仕事人らしい活躍をしていたので、武居監督回の中だけでは、しっかり描けていたのかもしれませんが、全体で一貫していなければ、意味がありません。

 ハルキは今までの戦いを振り返り、自分の迷いを断ち切ります。一方都市では、グルジオライデンが出現。ハルキはウインダム、ヨウコ先輩はキングジョーに搭乗し、出撃します。

 キングジョーの強みをフルに活かした、セパレートモードやタンクモードを駆使し、グルジオライデンを追い込むキングジョーストレイジカスタム。ペダニウム粒子砲も決まり、かなり善戦します。それはそれとして、なんか今回、ヨウコ先輩の目つきが怖い(笑) 仕事人設定を活かしたかったのでしょうが、結構、怖かったw

 キングジョーを守るため、盾となって倒れたウインダムの配線を喰いあさり、再びエネルギーを溜め込んだグルジオライデン。ハルキはゼットに変身し、アルファエッジで立ち向かいます。グルジオライデンは、割と正当怪獣的な、フィジカル重視のシンプルな戦い方をする怪獣でしたね。アルファエッジとの王道取っ組み合い対決は、それはそれで良かった。

 必殺光線を放とうとするゼットですが、ハルキはまだ迷いを断ち切れておらず、グルジオライデンの涙を見て心が揺らぎ、まさかの変身解除。ゼットがオリジナル形態に戻ってしまいます。ゼットがピンチに陥ったそのとき、倒れていたキングジョーが再び動き出し、ヨウコは捨て身の作戦を決行。無事グルジオライデンを倒すのでありました。

 キングジョーの分離を使い、とどめの一撃を喰らわせるヨウコは、かなりかっこよかったですね。今回記事であれこれ言ったことを差し引いても、非常に良いとどめのシーンでありました。

 喜ぶオオタユカとクリヤマ長官。そして不敵に笑うヘビクラ隊長。そこ不敵に笑って良いのか(笑)というシーンではありますが(好感度的に)、果たして次回以降ジャグラーがどう動くのか、期待です。ハルキはどうしようもない葛藤にさいなまれ、空に向かって慟哭して、エンディング。

 なるほど、渋めのテイストで締めましたね。第12話を見る限り、この「怪獣退治の是非」という新たなテーマは、あくまで武居監督独自のものではなく、ゼット全体のテーマとしてしっかり扱ってくれる様子。確かに2話でこのテーマが解決しない、というのは、スピーディーな話運びを期待する人からすればやや不満も残るかもしれませんが、近年こういった重大なテーマを、しっかり描かないままサラッと流してきたことを考えると、こうやってじっくり描いてくれるのは、かなり嬉しかったりします。単発回ではなく、ゼット全体を通して、「怪獣退治の是非」を描くという、製作陣の覚悟とも取れるこの終わり方は、かなり期待させてくれますね。今後どう物語を動かしていってくれるか、楽しみです。

 と思っていたら次回、カネゴンで箸休め回みたいになっているのですが……ハルキの苦悶、ちゃんと描いてくれるのか、やや不安、というところで、今回記事とさせていただきます。また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!

 

《予告》

9/20(日) ウルトラマンゼット第13話感想記事更新予定(頑張る)

9/22(火) 新シリーズ、ウルトラマン “???” 感想記事シリーズ、始動!

9/20(日)~9/26(土) 上とは別に何かしらの記事挙げます!たぶん!

10月初週 大規模記事更新予定

乞うご期待!