igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ウルトラマントリガー第4話 主人公って何だっけ

 皆さんこんにちは、igomasです! さて、久しぶりにウルトラマントリガー第4話、感想です!第1話から第3話にかけて、メイン監督の坂本浩一監督が撮っていましたが、今回からは、他の監督陣が撮っていきます。メイン監督の撮った第3話までで既に基盤工事が滅茶苦茶なトリガーですが、ここから立て直してくれるのでしょうか。やや怖いもの見たさもありつつ、第4話、見ていきたいと思います!

↓第3話の感想記事はこちらから

igomas.hatenablog.com

 

今回のピックアップ!

 感想に入る前のミニコーナー、今週のピックアップ! 今回も、TwitterなどSNSで多く呟かれた感想を紹介していきます。

 

・オカグビラってなんだよ、何も変わってないじゃんw
 第4話は、この意見が圧倒的に多かった印象ですね。第4話に登場する、深海怪獣グビラは、初代ウルトラマンにて登場した怪獣で、近年では最多出演回数を誇る怪獣です。映画『ウルトラマンサーガ』で新規スーツが作られてからというものの、エックス・オーブ・ジード・ルーブと4年連続で出演、そして、今作トリガーにも出演と、なんと10年で6回も出ているのです。さすがに6回ともなると描写のマンネリ化も酷く、「最近のウルトラマンは、ただただ怪獣と対決するウルトラマンを毎年変えてるだけ」とまで言われる主な原因となっています。

↓怪獣の扱いについては下記記事を参照

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 さて、そんな「ニュージェネの準レギュラー」ことグビラですが、問題なのはその描写です。深海怪獣の名の通り、初代ウルトラマンでは水棲生物として登場したグビラですが、近年の撮影では、プールでの撮影に予算がかかるからか、グビラは地上で戦うのが主流になっています。事実、ここ10年で、グビラが水中にいる描写がなされたのは、ウルトラマンオーブのみ。他は、ずっと地上での戦いでありました。

 今回トリガーに登場したグビラも、同じく地上で戦うグビラです。しかし、どういうわけか今回のグビラは、陸に適応した変異種、オカグビラなんて呼ばれています。これまでのグビラだって陸上で戦っていたのに、対して原種と描写の変わらない(しかも色合いもさして変わらない)いつものグビラが、「普通のグビラじゃない変異種」として描かれると、悶々としてしまいます。製作陣にとっては新怪獣のつもりなんでしょうが、正直視聴者目線からすればただのグビラ。さすがにこれを新怪獣と呼ばれてもどこにも「新」要素がないと、批判が集まりました。

《第4話感想》

 さて、それでは早速、中身を見ていきましょう!今回の監督は、メイン監督の坂本氏から変わり、武居正能氏が務めています。武居監督といえば、ルーブのメイン監督を務めたことで有名ですが、私個人の見解としては、本編大筋の話より、本編大筋への橋渡し回が上手い監督という印象です。風呂敷を広げて伏線を張って盛り上げて、大筋回へバトンを渡す、番組中盤で真価を発揮するタイプだと思っています。

 正直、メイン監督が主人公をただのスマイルbotにしており、キャラの方向性も定まらない現状、本来第1話でやるような作品の基礎工事を、今から始めなければいけないレベルのトリガー。武居監督にその重荷を背負わせるのは非常にリスキーかと思われるのですが、はたして吉と出るか凶と出るか。
 また、今回のタイトルは「笑顔のために」。これは言わずもがな、主人公マナカケンゴの「皆を笑顔に」というポリシーを指していると思われます。現状マナカケンゴ、ただのスマイルbotでしかなく、なぜ彼が「皆を笑顔に」と連呼するようになったのか、キャラの過去が一切描かれず、ただただ「スマイルスマイルしか言わないウザキャラ」という描写しか存在しないので、そろそろ何かしらの描写が欲しいところ。「笑顔のために」なんてタイトルを設けるくらいなのですから、さすがに主人公の深掘りがあってほしい。

 ということで、「作品の基礎工事は出来たのか」「マナカケンゴの描写が出来ているのか」の2点を中心に、今回は見ていきたいと思います!

 

 冒頭、マナカケンゴの夢のシーン。ルルイエに水をやっているのですが、「焦らなくていいからね、いつか、皆を笑顔にするんだよ〜」以外にかける言葉がないために、やっぱり花を、「人を笑顔にするためのツール」としか考えていないんじゃないかと悶々とします。
 夢から醒めたマナカケンゴは、古代遺跡の調査へと向かいます。そこで、夢で見たオブジェを見て反応します。地球に数多ある古代遺跡は、何かの伏線でしょうから、今後もチェックしたいところ。
 調査班の中に不審な男が紛れているのに気がついたユナが歩み寄ると、その不審な男はなんとトレジャーハンター、イグニスでありました。ゴクジョーのアイテムを盗みに来たと言うイグニスに対し、「この間は私のことをゴクジョーって言ってたくせに」と怒るユナ。アキトもそれに賛同し、「そうだ、ユナの方がゴクジョーだ」と、あぁぁぁ、言っちゃったよ、とうとう言っちゃったよアキトぉぉぉぉぉぉ〜

 

おめでとう、アキト、君はトリガー残念部隊第3号だ!

 

 第3話でなんとかこらえたアキトでしたが、どうやらユナ愛を抑えることは出来なかったようです。まぁ、ユナもまんざらでもなさそうだし、頑張れ、アキト!(笑)
 プロの盗賊たるもの逃げるのも大事、と逃走するイグニス。逃げたものは仕方がないと割とあっさり諦め、ケンゴとアキトは古代の石板を前に考え込みます。過去のシーンが挿入され、4話にして総集編みたいなことをやっているトリガー。まぁ、1〜3話で詰め込み過ぎていたので、これくらいサクッとした回想なら良いのではないでしょうか。
 さて、話し合いをしているケンゴとアキトの前に、またも颯爽と現れるイグニス。1話で2度も関連施設への侵入を許してしまうセキュリティの甘さが、なんともガッツセレクト。

 空中を飛ぶナースデッセイ号への侵入は容易ではありませんが、どうやらイグニスは、グエバッサーの羽根を使ってやって来た様子。グエバッサーは、ルーブに登場した鳥系の怪獣ですが、白と赤の色味の空飛ぶ箒というのは結構華々しいアイテムで、好みド直球。イグニスは、置いてあった古代の変身アイテムを盗み逃走してしまいます。


 さて、ここで少し考察を。ナースデッセイ号には、かつてトリガーに変身するために使われていた、古代の変身アイテムが置かれています。いわば、古代の変身アイテムこそが、トリガーに変身するための「正当な変身アイテム」であり、アキトが作った機構はあくまで「模造品・コピー」にすぎません。本作、主人公のマナカケンゴがなぜこの「正当な変身アイテム」で変身しないのか、ずっと謎なんですよね。

 順当に作品を作るのであれば、古代の変身アイテムが火星でケンゴの思いに応え再び光を放ち、ケンゴが変身する、という流れにするでしょう。その方がよほどヒーロー的で格好良い。それを、あえてコピー品で変身させるのには、どういう意図があったのでしょうか。

 これには二つ考えられて、ひとつは、そもそも主人公がマナカケンゴじゃない説。実はアキトが主人公で、番組後半で正当な「古代の変身アイテム」を手に真のトリガーとして戦い、番組を完全ジャックしてしまう、というもの。実はトリガーはアキトの物語だった、とするなら、ケンゴの描写の薄さも頷けます(笑) とは言ったものの、さすがにこの説はジョークですね。

 もうひとつの説が、自分の中では有力で、コピー品で変身することでかえって、トリガーの闇成分が抑えられている説。トリガーは、おそらくティガ同様、その本質に闇の力を宿しており、光と闇が絶妙なバランスを保っているウルトラマンなのではないでしょうか。だから、本来の変身アイテムで変身しようと思ったら、よほど光の強い人間でなければ不可能なのではないでしょうか。常人には扱いきれない闇の力が、古代の変身アイテムには隠されていそう。番組中盤、後半にて、ヒュドラムに恨みをもつイグニスか、はたまたケンゴ自身がこの古代の変身アイテムを用いて変身し、闇に飲まれるという話がありそうですね。

 どちらにせよ、正当なる変身アイテムで変身しないのにはなにか理由があるはずですから(ないと困る)、今後に注目ですね。
 さて、逃げたイグニスは司令室に逃げ込みます。筋肉バカことサクマテッシンは役立たず(本当に何のためにいるのか分からない)。代わりにイグニスに挑んだ隊長タツミセイヤ、なんと、なんと初めて活躍しました!よかったぁーーー!いやほんと、隊長がただただ残念なキャラのまま番組終わりかねなかったので、活躍の場があって本当によかったです(笑) ナナセヒマリは、隊長にパスされた古代の変身アイテムをキャッチ。マルゥルはイグニスの正体を一生懸命思い出す。隊長、ユナ、アキトはイグニスに銃を向け牽制します。あれ?主人公は? このシーン、なんと主人公だけ最初から最後まで棒立ち! 活躍という活躍もなく、もはや完全空気な主人公。あれ、主人公って、なんだっけ(笑)
 とそこへ、怪獣が現れます。ビルの倒れ方、地面の割れる様子など、様々な監督の撮り方を取り入れた特撮描写は、結構好きですね。
 怪獣は謎の信号に引き寄せられている、というマルゥルの発言に、耳を傾ける隊員たち。このシーンが結構酷くて、隊員が全員銃を下ろしてしまうんですよね。イグニスは一瞬にして自由の身に。何者かもわからない、空を飛んで本拠地まで乗り込んできた危険な侵入者を、まさかの誰も見ていないという驚きの状況。これぞガッツセレクトクオリティ!
 イグニスは古代遺跡から発掘されたアイテムをちゃっかり盗んでおり、簡単に逃げられてしまいます。しかしそのアイテムは、怪獣グビラを呼び寄せる発信源でありました。ナースデッセイ号から出たイグニスが、グビラに襲われてしまいます。
 駆けつけたケンゴとアキトとの絡みはかなりコミカルで、あ、今作のイグニスこんな扱いなのねと納得。どうやらイグニスは、プロっぽいけどツメの甘い残念トレジャーハンターでいくようです。

 ちなみにガッツファルコンはあっさりやられました。これがガッツセレクトクオリティだ!
 ケンゴはトリガーに変身して応戦。ここのグビラとの戦いは、なかなか見応えがありました。画角だったり魅せ方だったり、好みの描写が多かったですね。カメラが下手に動きすぎることもなく、テキパキと画面が動く様子が、武居監督らしくて良い。
 グビラは町を縦横無尽に駆け回り、なかなか攻撃に出られないトリガー。ピンチのトリガーを援護するべく、こっちだ、と怪獣を誘導するアキト。しかしその誘導している方向は、どう見ても泣いている女の子の方向だぞアキト!ユナと女の子の方に、怪獣を一瞬でも誘導してしまっているぞアキト!(笑) 市民のためになっているのか市民を危険にさらしているのかわからない、これがガッツセレクトクオリティだ!
 アキトの援護で立て直したトリガーは、パワータイプにチェンジし、無事グビラを葬り去るのでした。去るトリガーを見て、木の上から「ゴクジョーだね」と微笑んで落っこちるイグニス、いよいよ公式認定の残念キャラになってしまいました

 

 ということで、第4話感想でした。今回注目したのは「作品の基礎工事は出来たのか」「マナカケンゴの描写が出来ているのか」の2点でしたが、イグニスのキャラの方向性を確定した、という意味では、基礎工事は着実に進んでいるといえましょう。残念1号ことタツミセイヤも初の活躍シーンが挟まれ、概ね良好か。一方で、筋肉バカことサクマテッシンの描写は一向に良くならず、現状監督陣も持て余している様子。この辺りは今後頑張って欲しいですね。

 そして、マナカケンゴの描写、これは全く出来ていませんでした。正直、泣いている女の子の声を聞いて、「皆を笑顔にしなきゃ」と言った程度で、もはや何も描けていないのと同義。これまでのマナカケンゴの描写と何も変わりません。ケンゴの「皆を笑顔にしたい」という気持ちの根幹や、実際に人を笑顔にする様子が描かれたわけでもなく、結局、ただのスマイルbotで終わってしまいました。主人公の描写は少しも進みませんでしたね、残念。
 また、グビラを呼び寄せた古代のアイテムにもなんの言及もなく、なんの中身もない怪獣作劇でありました。ビルの倒れ方や地面の割れ方など、特撮自体は結構満足したのですが、怪獣を描けているかと言われればそうでもなく。

 結果、主人公に焦点を当てるようなサブタイトルにもかかわらず、主人公の描写は進まず、第4話ならではの要素であったグビラ周りの古代のアイテムも雑な扱いで、本筋へつなげる話としても、単体の話としても、正直微妙な回でありました。

 今やるべきはあくまで主人公の描写をひとつでも入れること。1~3話でそこをないがしろにし、4話以降でも描写の意識がないために、作品の致命的な問題点を残したまま、バトンを次へ繋いでしまいました。これがマナカケンゴを1~3話で既に描けていればまた変わったかもしれませんが。

 せめて少しでも、主人公を「良い人だな」と思いたい。次回に期待したいですね。なんて思っていたら、来週から2週連続で総集編。これには心底驚きましたね。なんとかかろうじて掴んだファンをも手放すその采配、さすがです。

 ちなみに、総集編の案内役はデバンらしいです。なぜ防衛隊のマスコットにデバンじゃなくて、メトロン星人マルゥルを使ったんだ……