igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

トリガー、突っ込みが追いつかない

 皆さんこんにちは、igomasと申します。ついにウルトラマン新作、ウルトラマントリガー』の放送が開始しましたね。「令和版ティガ」を謳う本作は、放送前からTwitterなどの各種SNSで様々な反応がなされ、不安視されていた作品であります。私igomasも、放送前に色々と懸念点や推しポイントを紹介させていただきました。

 

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 さてそんなウルトラマントリガーですが、正直、このブログでどう扱えばいいのか大変悩んでいるのが現状です(笑)

 先日公開された第1話を視聴したのですが、第1話の時点で、あまりに突っ込みどころが多すぎるのです。話運びや展開、キャラの動きやセリフ、その一つ一つ、どれを取っても不自然で突っ込みどころが満載。今後毎回、各話記事を書いていたらどの記事も軽く1万字は越えるのではないかというレベルのシロモノでありました。

 もちろん、何もかも悪いとまでは思っていないのですが、「突っ込むところはちゃんと突っ込む」という本ブログのコンセプトからすれば、かなり辛口になってしまうのは必至かと思われます。そうなるとやはり記事が長くなって、筆者も読者の皆様もかなり疲れてしまうんじゃないかと思うんですよね。

 私にはとても捌ききれないと思ったので、ウルトラマントリガーに関しては、ウルトラマンZのような各話感想記事はお送りできそうにありません。考えている候補としては、

①トリガー雑感と題して軽い記事を毎話更新する

②トリガーにおいて、物語上重要な話だけ抜粋してガッツリ記事を書く

③最後に総括記事だけ書く

④そもそもトリガーは扱いきれないので他の坂本浩一作品を語る

 のどれかになるかと思われます。

 まぁそもそも、ウルトラマンZは第1話の時点で作品構造がしっかりしており、作品構造論として語りがいがあることから各話感想記事を書き始めたという経緯があります。今作ウルトラマントリガーはその点で言えば、作品構造はあまりしっかりしていません。構造論以前の問題が山積みということもあり、各話感想をガッツリ書くのはやめておきたいなと思うんですよね。ちなみにウルトラマンZ各話感想はちゃんと完結させますので、しばしお待ち下さいませ。

 とはいえ折角ですので、軽く第1話には触れておこうかと思います。それでは、前置きが長くなりました。トリガー第1話、見て参りましょう!

 

今回のピックアップ!

 さて、新コーナーのお時間です。本作トリガー、あまりに反響が大きすぎて、私が言いたいことをTwitter民の皆さんが全部代弁してくださっているという(笑) そういった、各所で既に言われているような感想の数々を、ピックアップとして紹介しようというコーナーです。今回よく見られた意見は、次のようなものでしょうか。

 

・主人公、独り言が多すぎる

 もう、ごもっとも、って感じの意見ですね。本作の主人公は、周りに研究員もいる中、ずーっと独り言をブツブツと言っていましたし、その後もとにかく独り言が目立ちました。他の登場人物との対話で物語が進むのではなく、主人公の独り言で物語が進んでいく、というのが話運びとして不自然。もう少し配慮できたのではないでしょうか。

 

・花を手に平和を説く青年に銃を握らせる秀逸な脚本

 最初に言い出したのが誰なのか、調べても分かりませんでしたが、これもまたTwitterを騒がせていた意見。そもそも第1話、主人公がウルトラマンとして開花する流れに違和感がありすぎて、上手く乗れなかった一因になってしまいました。

 

 とにもかくにも、「独り言が多く不自然」でコメントが埋め尽くされていましたね。さて、それでは第1話、私はどう見ていったのかご紹介していきます。

 

〔第1話感想〕

 まず初めに指摘したいのは、「闇の巨人の復活の雑さ」であります。トリガーに封印されたとおぼしきカルミラ。彼女の復活の仕方はなんと驚きの「宇宙を漂う岩にぶつかった」でありました。さすがにもうちょっと何かなかったのかと言いたいですね。それ全然封印したうちに入りませんし、その程度で満足してしまった過去のトリガーの杜撰さが目立ちます。悪役の魅力としても半減ですし、工夫が欲しかったところ。

 火星の研究所でのカット。主人公マナカケンゴが、育てている花に「焦らなくて良いからね。いつか素敵な花を咲かせて皆を笑顔にするんだよ、スマイルスマイル」と言うところからスタート。もうこの時点で、かなり不安になりました。植物を「きれいな花を咲かせて皆を笑顔にするためのもの」と思っていやしないかと、非常に不安になりました。少なくとも植物が花を咲かすのは、別に人間を笑顔にしたいからとかそういう話ではなく、「生きるため」であります。主人公は植物学者でありながらそういった前提を忘れ、植物を「人々を笑顔にするための手段、ツール」と思ってしまっているのではないか、と懸念しているわけです。マナカケンゴが「植物」というものとどう向き合っていくのか、今後の展開によっては、ただの独りよがりな人間になってしまうやもしれません。非常に注目したい点ですね。特に、すぐ次のシーンで、「いっぱいお食べ~」と言いながら明らかに植物にとって過剰な水を与えているのも、不安。

 細かいことを言い出したらキリが無いのですが、一つ指摘を。ガッツセレクトの隊長であるタツミセイヤが電光掲示板に映るシーン。ナースデッセイ号とガッツファルコンの映像は、視聴者には示されていますが、これ、電光掲示板の映像ではタツミセイヤがただただ棒立ちで話しているって事なんでしょうかね。だとしたらタツミセイヤ、「なんか凄そうな言葉を並べ立てるだけの人」になってしまい、第1話から早くも残念ムーブなのですが(笑) 電光掲示板にナースデッセイ号とガッツファルコンが映し出され、それを見たマナカケンゴが「すげー」と言うならまだ説得力がありますが、なにぶん電光掲示板の映像からわざと変えて、テレビ視聴者に対しての映像としてナースデッセイ号やガッツファルコンが提示されるため、どういう状態で会見が行われているのかイマイチよくわかりません。細かい部分ですが、こういう場面の接続の悪さが積み重なって、凡作が生まれるのです。気を付けて欲しいなぁと思った部分。

 マナカケンゴ怒濤の独り言シーンののち、彼は母を訪ねようと決心。そのまま母とシズマ氏の後をつけ、遺跡へと入っていきます。いや、遺跡のセキュリティ甘っっ!!! 明らかに異質な像のある遺跡に、身分も確認せずあっさり通す警備員には恐れ入ります。

 なんだかんだあってゴルバーが登場。崩れる遺跡。マナカケンゴは不思議な力に守られ助かり、母親に「ケンゴ、あなたなんでここに!」と驚きます。まぁ、ここも「そんなに近づかないと自分の息子判別できませんか?」と言いたくなりますが、グッとこらえて次に行きましょう。

 シズマ氏のゴモラ砲でゴルバーを一度は退けたものの、多くの人々が負傷します。そしてスタッフらが彼らの怪我を見ます。「こんな時、僕には何ができるんだ」と棒立ちの主人公。怪我した人に話しかけたりスタッフの手伝いしたりすればいいんじゃないですかね? 何もする気がないのに「僕には何ができるんだ」とか言われても困ります。

 ここからの流れは凄まじいものでしたね。「君が夢見る未来はなんだ」ととてつもなく不自然な質問。先程まで怪我人と話そうとすらしなかったのに「皆を笑顔にしたい」と言い出す主人公。「皆を笑顔にするような花を咲かせたい」という植物学者に「じゃあ自分で切り開いてみろ」と銃火器を手渡すシズマ氏。まるでマナカケンゴがトリガーに変身することを3人とも分かっているような会話。銃を手に、怪獣ではなく遺跡の方に走りだす主人公。いやもう、突っ込みが追いつきません(笑)

 カルミラがトリガーの石像を破壊しようとしているのを見て、特にカルミラの方に立ち向かっていくとかそういうことはせず「やめろ!」とだけ言う主人公。心持ち手を広げてみたりしますが、カルミラは鞭を上に振り上げ石像を破壊しているので、手を広げてみたところでなんの抑止力にもなりません。そして、鞭攻撃をマナカケンゴに行うも、人間一人殺せないカルミラ。鞭の破壊力に問題大ありです。仮に邪魔が全く入らなかったとして、ほんとに石像壊せたんでしょうか。

 そして、ユザレ的な何かがカルミラを阻み、あっさり散っていきます。ここでユザレ的な何かとマナカケンゴとの会話が一言でもあればまだ話は変わるのですが、なんの絡みもないまま消失し、消滅し終わってからの「やめろ」。いや遅いよマナカケンゴ! ユザレ的な何か消えちゃったよ。あと3秒くらい早く言うべきだったよマナカケンゴ。ユザレ的な何かも、別にマナカケンゴを見て望みを託して消えていく、とかでもなかったですし、ほんとただの「時間稼ぎの盾」に過ぎなかったのかなという印象。

 銃を持っていながら、カルミラに何の抵抗もしていなければ、なんならカルミラを止めるために動こうともせず、ずっと棒立ちでありつづけ、なんの効果もないのに手だけ広げてみた主人公、「皆を笑顔にしたいんだ!」と力説されても、うーんと首を捻ってしまいます。そもそも「皆を笑顔にしたいんだ!」は自分を殺そうとしている相手に言う台詞ではない。

 そして「未来を紡ぐ希望の光、ウルトラマントリガー」と口上付き・ポーズ付きで変身。とってもとっても、不自然。第1話の時点で、自分は光の巨人になれると当然のように思っていなければとても出てこない発言ですし、なにより口上が上から目線で独りよがり。大丈夫かなぁといよいよ心配になってきます。

 さらにさらに、変身直後、下からの特撮。ええぇぇ(困惑) 下から撮る特撮というのは、前作ウルトラマンZの坂本浩一監督回でなされた手法ですが、あれはZ、ジード、ゼロの3人のウルトラマンによるものでした。Zですら、数話主人公と共に数々の強敵を打ち倒した後であり、ジード、ゼロは言わずもがな歴戦の勇者。手練れな3人のウルトラマンがスピーディーにアクションを決める様子を下から映し出していたからこそ、良い絵面になっていたのです。一方で、今回はまだ第1話、それも初変身であり、そもそも巨人に変身したという事実を受け止めることから始めるような段階。それでいきなり怪獣の方に突っ込んでいって、スピーディーな戦闘を繰り広げられても、見る側からしたらポカーンとする他ありません。戦闘中のマナカケンゴの意識はあるようですし、どうしてただの植物学者が、第1話からサクサクトリガーの力を簡単に操ってしまえるのか。大変困惑。まぁ、坂本浩一監督のことですから、下から撮る技法に味を占め、トリガー第1話でもやってみました、程度の感覚なのかとは思いますが、これはいただけない演出でした。折角なかなかに革新的な撮り方なのに、もう少し後の話まで我慢できなかったのか。

 そして、ゴルバーとカルミラに絡まれピンチのマナカケンゴ。彼の脳内にトリガーの記憶が呼び覚まされます。「そうかあの剣は」トリガーのものなのかぁと気づいたマナカケンゴは「んんっ!」と手を挙げます。「んんっ!」で来る剣w Zでの新武器登場の回でも述べましたが、あまりに新武器登場の盛り上がりに欠けます。もうちょっと、なんかこう、あっただろうに。

↓Z新武器登場回はこちら

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  で、結局第1話怪獣ゴルバーはカルミラの盾になって死にましたとさ。盾になって死ぬ1話怪獣って、あまりに魅力がなさすぎて驚愕であります。技自体もメルバの目からのビームや、飛んだり地中に潜ったり、まぁ普通なものばかりで、印象には残らない怪獣でありました。またカルミラもカルミラで、「変身したばかりの新米主人公に二人がかりで負ける」というまさかの赤っ恥。「そうじゃないとつまらないねぇ」と逃げるカルミラ、とてつもなく残念悪役であります。

 そもそも、闇の巨人をテレビシリーズに出すと言うこと自体、かなり無理があることは以前タイガの記事でも話したとおりです。闇の巨人がテレビにレギュラー出演するということはつまり、何度も何度もウルトラマンと闇の巨人との戦闘が挟まるということでもあります。そういう場合って、たいていトレギアのように「何のために出てきたのかイマイチわからない」パターンか、今回のカルミラのように「闇の巨人がそもそも弱すぎてすぐ退散する」パターンくらいしかないんですよね。どちらにせよ話運びとして邪魔でしかなく、ストーリーに落とし込むのが非常に難しい、というのが現状です。悪役としての株も下がりますし。話の流れを不自然に見せないよほどの手練れ脚本家でないと、捌ききれない要素なのです。

↓タイガについてはこちら

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 そして結局、火星で植物を育てることを夢見ていた青年が地球に向かい、次回に続く、と。この展開もやはり不自然でありました。まぁ火星の土壌は地球に持って行けばいいと言われればそれまでなのですが、にしても主人公の夢とストーリー展開との間の乖離が激しく、う~んと唸ってしまうところ。

 ということで、ザックリトリガー感想でした。これだけ書きましたが、細かいところに触れ始めたら本当に止まりません。本記事では殆ど登場人物の動きやセリフについて触れていませんし、かなり飛ばして書いたということをご理解下さい。それでこれだけの文章量になったわけですから、まぁ、お察しの通り今までみたいなガッツリ感想はたぶん無理です(笑)

 すでに第1話の時点で、変身の口上と「スマイルスマイル」が寒くなってしまったのですが、ここからどうやって盛り返すのでしょうか、果たして盛り返せるのでしょうか。ティガうんぬんとかもうどうでもいいので、単体作品としてまともな作品になることを望んでいます。

 それでは、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!

 

【追記】

 私igomas、最近作品批判の記事ばかりなのですが、別に作品をけなしたい人間とかではないのでそれだけはご了承下さい。少しでも褒める点があったらちゃんと褒めます。最近は、絶望的なくらい褒めるところがない不作揃いというだけなんです。どうか作品を褒めさせて下さい、お願いします。

【追記2】

 色々と頑張って探したところ、トリガー第一話、一応褒める要素がありました。それは、Z第一話でも触れていましたが、「第一話から全キャラ出すということをしていない点」であります。描くキャラを絞ることによって、話を分かりやすく、視聴者を掴みやすくする効果があります。坂本浩一監督は割と第一話からキャラをたくさん闇鍋のごとく登場させるイメージがあったので、キャラを絞るということを覚えたのは大きな進歩と言えましょう。まぁだとしても、せっかくマナカケンゴ一人にキャラを絞った割には全然彼を描けていなかったので、その努力も水の泡ではあるのですが……