igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ウルトラマンZ第15話感想 劇薬てんこ盛り

 皆さんこんにちは、igomasです。ウルトラマンゼット第15話感想、やっていきましょう。今回登場する怪獣は、虚空怪獣グリーザ

 グリーザは、ニュージェネレーション3作目、ウルトラマンエックスのラスボスを飾った怪獣で、その圧倒的な強さにより、視聴者に強烈な記憶を植え付けた、伝説級の怪獣です。その存在は虚無。無ゆえに、こちらからの攻撃は通らないが、グリーザからの攻撃は通る、近くにいるだけで、無のオーラ(ダークサンダーエナジー)で並の怪獣が発狂して暴れ出す、と、設定だけでもかなりの強豪。劇中では、UNVERネバダ支部を一瞬で破壊、Xio海上艦隊をも軽々と撃退し、主人公達のいるXio日本支部を襲撃。最後にはウルトラマンエックスを倒し、サイバーゴモラや戦闘機などの援軍もあっさりと退けたその絶望感は記憶に新しく、まさに平成のゼットンとも言える大活躍を見せてくれました。

 またグリーザはその奇妙な動きと多彩な技の魅せ方が素晴らしく、特撮面でも高い評価を受けた怪獣です。グリーザの光線はかのスペシウム光線を描いた飯塚定雄氏が手がけており、圧巻の出来となっています。また本編でも述べますが技が非常に多彩で、中には胸部から無数の手が伸びてくる、といった奇妙なものもあります。この技の数々が、グリーザの魅力を押し上げていると言って良いでしょう。

 そんなグリーザは、私igomasがニュージェネ世代で最も好きな怪獣の一体で、それだけ思い入れもある怪獣です。並の画では満足しませんよ、田口監督。素晴らしいグリーザ戦を見せてくれることを、期待しています。

 今回は、かの第7話を越える劇薬てんこ盛り回ということもあり、どれだけ上手くこれらの要素を捌いていけるかが、鍵となりそうですね。それでは早速、本編を見て参りましょう!

 

 

《第15話》

 冒頭、朝倉リクのカットからスタート、宇宙船がグリーザの異常な数値をキャッチ。一方地球では、工事員が雑談中、不敵な笑い声が響き渡り、いよいよ満を辞して、グリーザ登場。OPが始まります。今回の監督は、先述の通りメイン監督の田口監督。前回ブルトン回でたぐいまれなる日常パート力を見せつけてくれたわけですが、今回はどんな画で魅せてくれるのか。
 OP明け、ストレイジではハルキとヨウコ先輩の腕相撲シーン。「筋トレが、筋トレが足んないんだぁ〜」とハルキがダンベルを掴むや否や、ヨウコ先輩もダンベルを手に取り、楽しげ。隊員達ののほほんとした雰囲気、というのは、一つには主人公達のキャラ付けという役割もありますが、後から現れる脅威、絶望との対比、という役割も持っていますよね。和気藹々とした楽しげな雰囲気が、一転して絶望へと変わる。ウルトラマンレオシルバーブルーメ回に代表される演出の仕方ですが、こういう強豪怪獣登場回とは相性が良い。
 ユカは作業中の工事員の失踪をヘビクラ隊長に報告。ヘビクラ隊長もまた、この失踪事件を重く受け止め、捜査の必要性を感じます。
 更なる筋トレのため外に出たハルキは、地下駐車場のようなところで、リクからの通信を受信。ブルトンを倒した影響で、宇宙の穴、グリーザが出現したことが判明します。

igomas.hatenablog.com

 直後、空中に第一形態のグリーザが現れ、第二形態に変化し着地。グリーザ、着地とともに周囲のビルをなぎ倒す様が、実にかっこいい。
 一方のストレイジも、このグリーザ出現を観測。キングジョーは未だ復旧せず。「ならウインダムで出ます」というヨウコをすぐさま静止し、「死ににいくようなもんだ」、と言うヘビクラ隊長のその顔つきからも、グリーザのヤバさが伝わり、好演出。
 言わずもがなですが、今回のグリーザ特撮がもう最高で、第二形態の不気味な飛び方、時には第一形態へと変化しながらビルを破壊してゆき、と凄い特撮技術。やはり惜しみない破壊は良いですね。
 到着したリクとハルキは、グリーザ迎撃に向かいます。この同時変身もまた圧巻で、ゼットとジードの変身カットを上手く融合させた良演出。ゼットの変身カットにジードの変身カットが割り込んだと思ったら、今度は逆にゼットの変身カットが割り込んできて、と、めくるめく凝った演出が素晴らしい。
 続けてグリーザ第二形態との戦闘シーン。これもまた圧巻ですね。その存在が「無」ということもあってか、ゼット、ジードの攻撃をいともたやすくかわし、これまた謎の背中からの攻撃。グリーザは背後への攻撃も強い、ということを一目で示せるのは良いですよね。強者たるにふさわしい、良い技だと思います。平成ならではのグニュン、とした瞬間移動もかなり好きで、平成怪獣のいいとこ取りみたいな技のチョイスがほんと良いんだこれが。
 実態が全くの無、とは言いながらも、時折ウルトラマンの攻撃が当たったりするのがまた謎ですね。存在理由も発生原因も、生態も何もかもが不明で、まさに「怪獣」と形容するに相応しい。ちなみに、今回エックスの時よりかはウルトラマンの攻撃がグリーザに当たっているように思えましたね。これは意識してのことなのか、気のせいなのか。
 圧倒的な強さのグリーザに、全く歯が立たないゼットとジード。とそこへ、ジャグラーが参戦。ゴルザ、メルバ、超コッヴのメダルを使い、トライキングへと変身します!
ですよね〜
 以前の記事でも書きましたが、プレバンのダークライザーにファイブキングを構成する怪獣のメダルがついてくるのは、つまりそういうこと。

igomas.hatenablog.com

  突然のジャグラー(ファイブキング)参戦に対し、ジードがあっさり、「あの怪獣は、手を貸してくれるのか?」と仲間と認識。
 この辺りの、味方の怪獣がいるのか、みたいなテーマはグリーザ編が前後編だともう少しじっくり描けたのでしょうが、兎に角今回要素がてんこ盛りなので、一部省略している箇所があってもやむなし。ちなみに補足すると、ここでこのセリフをハルキではなくリクに言わせたのは良い演出だと思っていて、つまりジードは怪獣と共闘したことがある(グルジオレギーナ)からあっさり納得できた、ってことですよね。気配りがいい。
 とはいえ3人がかりでもてんでだめで、またまたグリーザさんお箱の豪音波攻撃で圧倒。ジャグラーさんは、闇の力、もうちょっとお借りするぜーっ、とガンQ・レイキュバスのメダルでファイブキングへと変身。グリーザを吸い込もうとするもこれも全く歯が立ちません。
 ジードはゼットに自身のメダルを託し、「宇宙の穴を塞ぐにはそれを縫う針が必要、それはあの穴の中にしかない」と言ってグリーザの中へと飛び込むのでした。ジードが怪獣の中に取り込まれるのは、キメラベロス以来ですかね。
 ジードがグリーザの中へと飛び込む直前、地味に大爆散を噛ましているジャグラーもといヘビクラ隊長。ボロボロのヘビクラ隊長が、ストレイジに帰還。心配がるヨウコ先輩とユカに、「階段で転んだ」とごまかしてますが、ごまかし切れないくらいかなりダメージ受けてまいす。
 このままではジードを助けられない、と危機感を抱く一同。悩むハルキ。とそこへ、ゼットのインナースペースが出現。驚いて飛び上がるハルキが、かわいいですね笑
 ゼットはグリーザにどう立ち向かえばいいかについて、ハルキに話します。グリーザを縫う針は、グリーザの中にしかない、グリーザの向こう側の、無の世界に行けば、ジードを助けられるかもしれない。ハルキは早く無の世界に行ってジードを、リクを助けようと言うが、ゼットはそれを静止します。「そんな簡単じゃない。無に飲み込まれないためには、理屈を超えたパワーが必要だ。それこそゼロ師匠とジード先輩、あとは、先輩のウルトラやばい父親、ウルトラマンベリアルのメダルを、組み合わせるとかな」ん?「この中には?」「ない、そもそもベリアルのメダルなんて存在しない」「じゃあ、無理じゃないすか」んんん?ここが今回の話の一番まずい部分で、いつの間にか、話の方向性のすり替えが行われているんですよね。グリーザを倒すためには、理屈を超えたパワーが必要。それに対し挙がったゼロ、ジード、ベリアル、というコンボは、あくまでゼットが提案した一例でしかなく、他にも理屈を超えたパワーを生み出すコンボはあるはずなんですよね。先例を挙げるなら、コスモスとジャスティス、とか、ゼロ・コスモス・ダイナとか、メビウスウルトラ兄弟一門とか、理屈を超えた力の組み合わせは、いくらでもあるのでしょう。本来の流れなら、グリーザを倒すために理屈を超えた組み合わせが必要→一例としてゼロ・ジード・ベリアルはどうか→ベリアルのメダルはない→じゃ持っているメダルで別の組み合わせを考えるか、と普通なるはず。しかしながらいつの間にか、ゼットとハルキの間で、ゼロ・ジード・ベリアルの組み合わせしかない、ベリアルのメダルなしにグリーザには勝てない、ということになっている。これが、話の方向性のすり替え、というやり方です。なぜこんなことをするのか、というのは考えてみれば実に簡単なことで、こうすることで「ジャグラーと一緒にベリアルのメダルを取りに行く」という後のシーンとの接続がスムーズになるからなんですよね。ゼットとハルキが、持っているメダルで究極のコンボを作り出す、というのは正直絵面的にあまり盛り上がらず、それならジャグラーと一緒にカブラギからメダルをカツアゲする流れの方がいっとう面白く、そこに接続するためには無理にでも話の方向性をすり替えて、「ベリアルのメダルがないと勝てない」かのように描こうと、こういった逆算的な考えが働いたのだと思います。こういう手法はよくやるし、あまり批判するのも酷ではありますが、とはいえこの方向性のすり替えが、今回やや露骨に思えました。もう少しスムーズな流れなら、ベリアルメダル争奪戦もより面白いものとなっていたのかも。とはいえ、尺の都合によりこうせざるを得なかった、という製作側の事情もあるでしょうから、これ以上深掘りするのは避けておきます。
 インナースペースから出てくると、そこにいたのはジャグラスジャグラージャグラーに誘われて、ついて行くことに。ハルキとジャグラーが同じ車に乗ってるのは、ちょっと、シュールですね。ジャグラーがカーナビみたいになっていたのも、コミカルで面白かったです。
 2人が向かった先は、カブラギシンヤの研究室。銃撃戦の後、あっさり捕まるメインヴィラン(笑) そして割と簡単にベリアルのメダルを渡して去るという、なんとも味気ない敗北。本人は楽しげに笑っていますが、完全にジャグラーの手の上で踊らされているわけで。所詮奴はメインヴィランの器ではなかったか……
 手に入れた3枚のメダルを手にすると、ライバル同士のメダルが共鳴して、ウルトラパワーアップ。3人のメダルが光り輝きます。ゼロビヨンド、ジード、ベリアルアトロシアス。これらを使い、ハルキは新形態へと変身しようとしますが、案の定ベリアルメダル、変身拒否
 一方ジードは無の世界にて宇宙の針に触れ、というか宇宙の針に刺されます。それに反応してか、グリーザが活動を再開。グリーザのレッキングバーストが炸裂。これがまた凄いですよね。オーブのフラフラ演出を彷彿とさせますが、ジードがゆらゆら揺れて、グリーザと共にレッキングバーストを放つ。その破壊力からも脅威が見て取れます。このシーンはかなり好きなカット。
 ハルキはゼットと共になんとかベリアルのメダルを装填し、新たな姿、デルタライズクローへと変身。凄まじい力の余波でジードがグリーザから引き離されます。
 引き離されたリクが、デルタライズクローを見て「黄金の、嵐」と急にポエマーになるのが、とてもジード。
 デルタライズクローとグリーザとの熱いバトルが展開。ゼットはグリーザの胸部から体内に手を入れ、取り出したのはなんとベリアル!ではなく、ベリアルの頭をした武器、ベリアロク。Twitterでもかなり物議を醸していた、異色の武器ですね。
 ゼットはベリアロクを手に戦おうとするも、剣が地面に突き刺さって抜けない!ゼットが「早く抜けやがりなさいよ」と言うのに対し、「一緒に戦う仲間だから」とハルキが律儀に挨拶すると、ベリアロクは再び「俺様を手にしてお前は何をする」と問い、宇宙の穴を切る、という試みに興味を持ったのか、やる気を出して共に戦います。この辺り、尺の都合もあってかベリアロクの離反とかそういう話は後回しの模様。
 グリーザ、光線を放つも、ベリアロク、食べた!ベリアロクは光線を跳ね返し、グリーザに当たって爆ぜます。この爆発も、青色の火花を使っており、綺麗な演出。ほんと綺麗な青色が出てますよね。原料は銅化合物なのかガリウムなのか非常に気になるゲフンゲフン。
 グリーザ撃退専用武器ということもあってか、ベリアロクの効果は絶大で、切られた傷口がぱっかりと開き、グリーザが余計に意味不明な怪物になってましたね。必殺攻撃をくらい、虹色の光を放ちながら爆散するカット。着地がまた美しい。
 シーン変わり、ジードライザーが修復したことで、リクはプリミティブの力を取り戻し、メダルをハルキに託すのでした。ジードが去った後の地球は、こうしてまたゼットへと託され、ハルキは使命感を胸に、エンディング。

 というわけで第15話、劇薬てんこ盛り回でした。グリーザの脅威、ジード参戦、ジャグラー参戦、新たな力デルタライズクロー、新たな武器ベリアロクと、要素があまりにすさまじく、若干強引なところや端折ったところも見受けられましたが、全体としてとても良くまとまった逸品でありましょう。今回特にグリーザの脅威が魅力的に描かれ、エックス戦に負けず劣らずの大迫力バトルでありました。エックス当時では市街地での戦いがなかったものですから(グリーザがそもそも市街地戦を装丁してデザインされた怪獣でもないのでしょうが)、今回昼夜の市街地グリーザ戦が見られたことは非常に嬉しかったですね。まぁなかなか現状では田口監督にしか描けない怪獣ということもあり、またテレビで見たい気持ちが半分、下手に使って欲しくない気持ちも半分、といった心境です。少なくとも昭和のゼットンや、平成のハイパーゼットンのような、明らかな格落ちだけは今後避けたい怪獣ですね。

 グリーザを倒す鍵となった、宇宙の穴を縫う針、ベリアロクですが、言わずもがな、これと同じ役割を果たすのが、エックスのエックスラッガーということなのでしょうね。宇宙の穴を縫う針が、エックスの因子に触れ合えばエックスラッガー、ベリアルの因子に触れ合えばベリアロク、といった形で実体化し、それによりグリーザが倒せるようになる、ということですね。恐らくは現状この「宇宙の穴を縫う針」がなければグリーザは撃退できないわけで、これもグリーザが今回強豪怪獣であり続けられた要因なのでしょう。また、エックスでは第三形態となったグリーザ、今回は第二形態の時点で、第三形態を残して敗退ということで、今回のグリーザも、展開によってはまだまだ強くなり得たと考えると、なかなかに脅威ですね。

 今回個人的にはデルタライズクロー登場時の、ジードの「黄金の、嵐」発言がツボで、結構ポエムチックな語りが劇中入ってくるジードテレビ本編を彷彿とさせ、なかなかお気に入りの台詞。個々のキャラを上手くキャラに合いそうな役回りにさせるという采配は、見習いたいところ。

 次回、新怪獣(といっていいのか、ほぼハリボテ怪獣ですが)メツボロス登場。ルーブ本編からは久しぶりの登場となりますが、次回どんな風に魅せてくれるのか、楽しみです。ベリアロクとの掛け合いも、楽しみ。

 それでは、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!

 

【補論】ベリアロク

 さて、今回登場したベリアロクでありますが、Twitterでも非常に物議を醸し、発表当時は様々な論争が繰り広げられていましたね。ウルトラマンベリアル自体は、初登場時から、様々なバラエティー番組でコミカルな一面を見せたり、円谷公式のウルトラマン列伝などでも、コミカルな言動があったりと、割と緩さも兼ね備えたキャラではあるのですが、それにしても今回やり過ぎではないかと、一部から叩かれていたようすね。そもそも剣に顔がついている、という絶妙なダサさが、仮面ライダー系のアイテムを彷彿とさせ、仮面ライダー特有の(良い意味でも悪い意味でもある)一種の悪ノリが、ウルトラマンにも浸食してきているのではないか、という意見もあったものです。仮面ライダーのノリは仮面ライダーで、ウルトラマンのノリはウルトラマンで、という棲み分けが大事、というのは納得。まぁさすがに今回の一件は、仮面ライダーのスタッフがウルトラマン玩具に関わったとか、そういった大きな問題ではないのでしょう。これといった確証もないですし。

 また玩具版では、ベリアロクに喋る機能がついていて、「寝る前にはこれだ!デスシウム歯磨き!」といったネタ台詞も収録されている、というのも話題になりましたね。デスシウム歯磨き、なんとも面白い響きです(笑)

 ちょっとネタに走りすぎた武器、ということで論争になったベリアロクですが、私の意見はウルトラマンギンガの頃から変わっていません。私の基準は「武器としてまともならオッケー」。

 というのも、ギンガSのシェパードンセイバーの頃から、玩具展開と足並みを揃えようという販売戦略が見え見えで、どうも劇中で使われている武器が、武器でなく玩具にしか見えない。玩具が劇中武器のデフォルメなのではなく、玩具に合わせて劇中武器をデフォルメしている。シェパードンセイバーも、剣というよりかは、結構玩具っぽかったですもんね。それ故、ウルトラマンが武器を手に戦っていても、正直玩具で遊んでいるようにしか見えず、悶々とした日々を過ごしているわけです。最新作のウルトラマンゼットでも、前にバロッサ星人回で、「武器として使っているゼットライザーの裏面の塗装省略が安っぽい」と言ったように、どうもウルトラマンの劇中武器が、安っぽい玩具に見えてしまっています。ですから、現状の私は、とにかくウルトラマンが劇中で持っている武器が、玩具ではなく武器として認識できればもはやデザインはなんでもオッケーで、ですから今回もベリアロク発表時はベリアルの頭ではなく刃の方のとがり方を見ていましたw 玩具展開に合わせて刃長が短いものの、切れ味自体は悪そうでもなく、まぁある程度は武器として見られそうだからだいたい満足、といった感じでした。

 あれっ、おかしいな。「ベリアロクのベリアルの頭についての論争」の話をしていたのに、私が頭ではなく刃の方を見ていた、という話からいつの間にか「ウルトラマンの武器の商品展開論」の話に移り変わっている。あっこれが話の方向性のすり替えか!というところで、今回の補論でした(笑)

 

ウルトラマングレート感想7~9話

 皆さんこんにちは、igomasです。かなりあっさりとですが、グレートの雑感7~9話。

 ゴーデス及びゴーデス細胞の脅威が去った後の地球でも、絶えず怪獣災害は発生しており、後半では人類の悪行やら環境問題やらの方向性で進む様子。ゴーデスがあまりに重大なポジションを占めていたが故に、後半に苦労が見えます。

《第7話》

子供は驚くほど強い生存本能を持ってる by隊長
 え、隊長ってそんなこと言う人でしたっけ?今作、隊長の立ち位置が未だ掴めず、第七話。
 文化の違いからなのか何なのか、隊長が堅物なイメージと隊長らしいイメージとが混在しており、どう捉えていいのか分かっていません。
 怪獣のデザインは、嫌いでもないが好みでもない、みたいな感じ。

 

《第8話》

グレートとの会話、他の隊員に筒抜け
 しかも仲間からは独り言扱いって……笑
 グレート視聴の中で1番楽しみにしていた回、マジャバ回。昆虫怪獣の代表格でもあり、グレートを代表する一体ですよね。どことなくマジャバの名がマガジャッパやマジャッパに似ていることもあり、親近感があります。
 冒頭、農薬に対する問題提起的な始まり方。環境問題重視のグレートらしい展開。直後、飛行機の横をビュイィンと、いやほんと、ビュイィン以外の擬態語が思いつかないくらいビュイィンと、マジャバが登場。あまりに高速で動くもんで笑ってしまいました。

 違法農薬により巨大化したイナゴがマジャバの正体なわけですが、友人の死を悼み協力しようとしてくれる、農家の太っちょさんが、使用者から絶えず妨害されるってのがこう、可愛いけども、それで尺稼ぎされてる感があって複雑。
 卵を守ろうとするマジャバが大変印象的で、けなげでしたね。巨大化戦闘は今日もあっさり目。グレートはグレートで、若干体幹が良くなった印象。

 

《第9話》

 電脳植物との対決回。とにかく展開が早く、早々にして黒幕が誰なのか、敵が誰なのかがあっさり分かってしまうのも、実にグレートらしいです。

 今回の話、電脳植物に洗脳され、特殊な酸素のもとでしか生きられない、ベゴイドという名の植物人間が多数尖兵として登場するのですが、彼らのタンクトップ姿が実にシュールで、印象的でした。ジャックシンドーにもあっさり負けるし、外の空気を吸えばすぐ倒れるしで、ウルトラシリーズでも珍しくとことん弱い尖兵。

 巨大化した電脳植物、バイオスはかなり特徴的な見た目で、グレートソフビの中でも、バイオスのソフビはかなりの異彩を放っていた思い出。

 

 以上、あっさりグレート感想7~9話でした。ゴーデス亡き後の話の展開にやや苦労している様子が見え隠れ。グレート先輩の体幹が少しずつまともになってきているのは、見ていて微笑ましいですね。

やり残したゲームの話

 皆さんこんにちは、igomasです。普段はウルトラマンZ等の各話感想や、悪役考察記事を書いています。今回は少し箸休め、ゲーム雑談です。いやはや、こういうサックリ記事はストレスフリーに書けるため、作業の合間にサッと書いてしまいがち。

 ゼット各話感想記事も、少しずつ書き上げておりますので、もうしばらくお待ちくださいませ。

 さて、普段は悪役考察も勧めている私ですが、特にゲームは、悪役の宝庫。各ステージのボス、雑魚キャラ、ありとあらゆる悪役が跋扈するゲーム業界は、私も毎年注目している一大メディアであります。今年も、あつもりやペーパーマリオオリガミキング、スーパーマリオ3Dコレクションやポケモンのソードシールドダウンロードコンテンツクラッシュバンディクー4やモンハン新作など、あちこちで賑わいを見せていますね。

 私も、そのゲーム業界の波に乗ろうと奮起したはいいものの、Switchは売り切れ、結局新作は遊べず。仕方がないので部屋の奥に埋まった過去のゲームを発掘し、昔クリアできず断念したゲームを再プレイしたりしておりました。今回は、その雑感記事みたいなものとご理解ください。昔懐かしのあのゲームや、かなりマイナーなものまで、ちょっぴり難しいゲームの数々を、振り返って参りましょう。

 

 

マリオカートDS

 何気に50ccをチンタラ走ってただけで投げ出していたマリオカートDS。せっかくなので100cc,150ccどちらも一位フィニッシュでエンディングを見たいな、と思い再挑戦。DS版はミニターボ操作がやりやすく、面白いものの、結構どのレースもシビアなもので、150ccはかなり何度も諦めかけました。なにしろ青コウラがほんと、タイミングよく来るんですよね。Wii版はやったことがあったのですが、それに比べ道の横幅も狭く感じられましたし、とにかくアイテムが飛び交って、1位をとるのが難しかったですね。ルイージの掃除機カートを使い始めてからは安定し、なんとか無事クリアできました。

 

ヨッシーアイランドDS

 言わずと知れた鬼畜ゲーム。100%クリアどころか、ストーリークリアすら至難の業と言われるゲームですね。赤ちゃんのマリオ、ルイージなどを背中に乗せたヨッシーを操作する、というゲームなのですが、ダメージを受けると赤ちゃんが泣きながらどこかへ飛んでいき、時間内に回収しないとゲームオーバー。赤ちゃんの泣き声がほんと不協和音的で、トラウマです。中には即死ゾーンもたくさんあって、いやこれは、マリオ系で出していい難易度ではない(笑)

 ワンワンが追いかけてくる即死ゾーン、ダメージを受けてなかなか上に登れない、時間制限つきの滝登りゾーン、なまずみたいなやつに食べられると即死のイカダゾーンなど、数々の難所が勢揃い。当時の私は先述の滝登りゾーンでつまづき、放置していた模様。なんとか滝登りゾーンをクリアし、その後の難所も次々と攻略、無事ストーリークリアとなりました。さすがに全クリを目指す気力は、ないですw

 翻ってみるに、結局一番の難所は滝登りゾーンだったなと。敵の配置が秀逸で、いかに登らせないか、が最適化されていました。いやはや、恐ろしいゲームでした。

 

スーパーマリオ64DS

 かの有名なマリオ64のDS版。64と異なり小型機ということもあってか、操作性がやや悪く、かなり難しくなっています。64版ではマリオしか使えなかったプレイアブルキャラが4体に増え、マリオ、ルイージワリオヨッシーが操作可能となりました。ヨッシーが操作可能とは、いやはや珍しいソフト。ミニゲームも多彩で、こちらもかなりの人気を博していましたよね。

 ボスもやや増えステージもやや増え、かなりボリュームのある作品となっています。

 全スタークリアは少し遠い道のりだったので、取り敢えずストーリークリアを目標にプレイ。当時はボム兵の戦場すら大苦戦していたわけですが、今となってはサクサクとクリア。1番辛かったのは、たかいたかいマウンテンでしょうか。操作性が難しく、すぐミスになってはスタート地点に落っこちて、何度も何度もやり直していました。

 ステージもキャラも多彩で、追加要素も満載。非常に楽しくプレイさせていただきました。

 

ブルードラゴンプラス

 超マイナーなゲームですね。皆さんご存知でしょうか?主人公達は自分の影から生み出される「影」というモンスターを使役しており、影を使いながら悪の勢力と戦う、というのが大まかなストーリー。

 今作は前作の続編であるらしく、ストーリーも前作を前提としたものになっています。ちなみに、初心者への配慮は一切ないので、ストーリーも登場人物の紹介もほとんど省略されており、プレイしている自分もまるでちんぷんかんぷんでした(笑)

 操作は、20人程度のキャラを一度に操作するというなかなか作業量の多いもので、常に各キャラに目を配りながら操作せねばなりません。操作するキャラをタッチペンで囲むのですが、刻一刻と過ぎていくバトルの中で冷静にキャラを囲めるはずもなく、またキャラが壁の後ろに隠れておりそもそも上手く操作できなかったりと、操作面でのストレスは馬鹿になりません。画面も勝手にぐるぐる動くのでやっていて混乱してきますし、ワープゾーンのあるステージでは各キャラがワープするごとにムービーが挟まるというなかなかのもっさり仕様でありました。

 さらには、主人公の拠点が敵に襲われるとゲームオーバーとなり、セーブを間違えると完全に詰んで最初のステージからやり直し、という酷な仕様。なんども挫けそうになりました。ちなみにゲームクリアしてもなんの実績(ストーリークリア、とか)もなく、なんの追加要素もなく、ラスボスに挑む前に戻されるという悲しい仕様。

 と、色々書きましたが、20人規模のチームをリアルタイムで操作し敵を捌いていく、という作業のワクワク感はとてつもなく、大変楽しめました。

 敵キャラも豊富で、キャラ図鑑を埋めていくのは楽しかったですし、隠しキャラやミッションも面白いものでした。

 かなりキャラメイク要素が強いので、色々と試行錯誤してみると面白いかもしれません。

 

エレメントハンター

 こちらもややマイナーなゲーム。化学の世界のモンスターハンター、と言うと分かりやすいでしょうか。各地に大小様々なQEXなるモンスターが出現。QEXを攻撃すると元素が吸収でき、各元素から武器を生成して戦います。大型のQEXを倒すのがゲームの目標となるわけですが、この大型QEXが強いのなんの。

 このゲームには防具強化、という概念がなく、敵の攻撃も、2連続で喰らうと死ぬ、一撃で死ぬ、といったアバウトなものとなっています。ちなみに一撃でと書いた通り、作中には攻撃を喰らうと即死の大型QEXも登場し、これを捌くのがなかなか大変なんですよね。一撃必殺技持ちのQEX、その名もオンソク。特徴はその驚異的な速さ。主人公の最高スピードでも全く追いつけない高速移動で翻弄し、最後に一撃必殺で決めてくるという強敵。高速移動故にこちらの攻撃はほぼ当たらず、一撃必殺技がバンバン飛んでくるというハードワーク。恐ろしいのはこのモンスターが登場するのが最序盤ということ。ゲームを買って初日で投げ出す、ということが十二分に起こりうる恐ろしいゲームとなっております。

 実際、私もオンソクが倒せずリタイアしていた模様。剣系の武器よりもガンナー系の武器の方ががこのゲームでは強いことに気づき、メイン武器をガンナー系に変え突破。

 他にも、ある特定の武器を持っていなければ対処しづらい大型QEXが多く、一種死にゲーといいますか、倒されながら対策を考える、というのが必要になってくるゲームかと考えます。

 ストーリーはあってないようなもので、セリフも無機的、主人公や登場人物に感情移入のしようがなく、物寂しい雰囲気となっています。というか主人公がダメージを受けたときに発する声がかなりストレスを与えるものとなっており、不評なようです。アニメもやっているそうで、第一話だけ見たのですが、これも登場人物がなかなかに無機的で、ある種味のある作品となっていました。

 さて、数々の問題児QEXを突破したものの、結局私は途中で断念してしまいました。というのも終盤頃に登場する、オオカゼノリュウで熱が覚めてしまったのが原因です。このQEX、ほとんど空中、それもガンナー系武器では攻撃が通らないほど上空を飛行しており、地面に降りてきて攻撃を当てられるタイミングがほぼほぼありません。銃系の武器に相当慣れれば、特定のポイントから的確に弾を打つことにより、辛うじてオオカゼノリュウに弾を当てることができ、辛うじて地上で攻撃可能ですが、それでもかなり体力の減りは遅いです。また、時には銃系の武器が当たらないほど上空、時にはマップ外に逃げるため、攻撃の当てようがありません。これが結構な頻度であるため、かなりストレスが溜まります。また、このゲームには時間制限があるため、それを超えると強制的にゲームオーバー。もうお分かりかと思いますが、オオカゼノリュウ攻略にはあまりに時間が足らず、本来の制限時間の3倍は欲しいと思うほど。とにかく時間もかかるしストレスもたまるし、別にこのゲームを苦労してやる必要もないと思いリタイアした次第であります。

 まぁ、今からこのゲームを始めるという方は、頑張って下さい。

 

 ということで以上、やり残したゲームの話、でした。いやはや、思い返すとなかなかストレスの溜まる高難易度ゲームばかり挑戦していたのだなと、驚きです。どれもやってみるとなかなかに面白く、ワクワク感の詰まった作品でありました。皆さんも、機会があればぜひ、部屋の奥底に埋もれてしまったゲームを再発掘してはいかがでしょう。それではまた次の記事で、igomasでした。

ウルトラマンマックス14~17話

伝説の借りパク回を、見逃してしまった……
 皆さんこんにちは、igomasと申します。かなり溜まっておりましたが、ウルトラマンマックス感想、やっていきましょう。なお冒頭にも書きました通り、第13話ゼットンの娘を試聴し忘れており、今回記事では省かせていただきます。大変申し訳ありません。数少ないウルトラマンゼノン活躍回だったのに、残念でなりません。
 ウルトラマンについてあまり詳しくない方に補足しておきますと、第13話では、かの強力な宇宙恐竜ゼットンに苦戦するマックスのもとへ、ウルトラマンゼノンが現れる。ゼットンとの攻防の末、新武器マックスギャラクシーで最後の一撃を放とうとするも失敗。マックスギャラクシーはマックスのもとへ移り、マックスは必殺光線でゼットンを攻略。マックスギャラクシーはそのままマックスが借りパクするのであった、という話です。ちなみに、マックスギャラクシーはもともとゼノンがマックスに贈り届けるつもりで持ってきていたらしいので、厳密には借りパクではない模様。

 では、14話から、サクサク見ていくこととしましょう。


第14話「恋するキングジョー」

ウルトラマンマックス対ハリケンブル
 ゼットン星人の因子が入った女性を救うため、身辺警護も兼ねて共に時を過ごすトウマカイト。淡い思い出がつのる中、ミズキ隊員は嫉妬、ゼットン星人は復讐の炎をたぎらせ、という話。
 今回の話に登場するキングジョーは、ウルトラマンZでも、バロッサ星人の宇宙船として、そして、ストレイジカスタムとして活躍していますね。元々はウルトラセブンに登場したロボット、キングジョーですが、マックス版が特殊なのは、セブンのキングジョーと分離の仕方が異なる点。頭、胸、右足、左足の4体分離となっています。ちなみに、Zのキングジョーは、セブン準拠の分離方法(頭、胸、腹、足)です。
 内容に関しては、ありがちな恋の描写、やる気があればゼットン星人に勝てるという根性論、嫉妬のあまり奇抜な格好で尾行するミズキ隊員、いつの間にか勝手に完成したキングジョーを訝しがることなく楽しげに操縦するお兄さんと、この辺り細かいところ気にせずすんなり楽しめるか、みたいなところが大きそう。私はそこまで乗れませんでしたね。
 キングジョーは、かの有名な気をつけのポーズで倒れる描写はありませんでしたが、毎回やるとそれはそれでやり過ぎまであるので、こういう変化球キングジョーもありかなと思いました。


第15話「第三番惑星の奇跡」

 マックス最高傑作とも名高いイフ回。たしかに単体としての完成度は高く、独特の語りから始まる冒頭の引き込ませ方は目を見張るものがあります。少女の悲しげな運命が語られた後、少女の生きる唯一の希望、発表会が行われることが、ミズキ隊員の口から語られる。
 そこへイフが飛来。少女のこともあり、やや焦りが見える隊員。早く一掃しようと攻撃するも、その物体は生き残り、あろうことか同じナパーム弾を体内から放出。なんとイフは、攻撃されればされるほど、それと同じ攻撃を体内から繰り出す無敵の怪獣だったのだ!ババーン!
 上記の設定から、ウルトラマンの最強怪獣の候補にも挙げられるイフですが、今回の話で対処法が確立された以上、今現在では大した脅威ではないのかな、と思われます。もちろん激戦区に投下されれば部類の強さを誇ることは想像に難くありませんが。
 マックスが登場し、マクシウムカノンを放ち爆発四散するも復活。マクシウムカノンを無限に打ち出す第4形態の恐ろしさは、筆舌に尽くしがたい脅威でありました。

 炎に包まれる絶望的な状況の中、どうして自分は二度も希望を打ち砕かれなければならないのか、と泣き叫ぶ少女の、そのピッコロの音色を聞いて、禍々しくも美しげな姿で宇宙へと飛び立っていき、ラスト。なんでも外部からの干渉を跳ね返す存在であったイフは、文字通り優しさには優しさを跳ね返す、そんな存在だったのだ、ということで、なんとか地球は滅亡を免れました。

 戦いの人、であるダッシュの面々が、二度も絶望してもなお夢に向かって進む少女のピッコロに救われる。切なくも温かい、そんな物語。

 と、いい話風に纏めているのが当時のませた自分には合わなかったのか、長らく再視聴を敬遠していた作品。個人的に好みなのは、導入部でありましょうか。この入りがいつもと違うだけで、ぐっと世界観に飲み込まれる感じが、お見事。しかしながら、話運び自体は、「怪獣の能力から弱点を見つけ、対処する」というウルトラマンの大枠をそう外した内容でもなく、この話ばかり取り沙汰にされるのは今でもあまり嬉しくなかったりします。イフの各形態の着ぐるみを用意している大盤振る舞いは、ほんとすごいのですけど。

 

第16話「わたしはだあれ?」

 マックス伝説のコメディ回。

 周囲の生命体の記憶に干渉する能力を持つ、宇宙化猫タマ・ミケ・クロ。エックスでも出てましたよね。マックス怪獣はもっと今のウルトラマンにも出て欲しいところ。Zのギガスくらいの出番なら、出せなくもないでしょうし。

 冒頭からどこか抜けた感じの作風で、いやはや、第14話から第16話まで、まるで話の始め方が異なっており、さすがは横軸展開のマックス。サブタイトルのデザインも、自由度が高い(笑)

 タマ・ミケ・クロの影響で、まったくもって戦力にならないダッシュのメンバーの描き方が滑稽で面白く、コメディ回として十二分な出来でありました。めっちゃ笑いました。特に面白かったのがトミオカ長官。そこはかとないハヤタオマージュも含め、はっちゃけ方がなかなかに良かったです。

 

第17話「氷の美女」

ミズキ隊員、またもゲストに嫉妬

 今作男性隊員がゲストに惚れ込む展開が多く、そのたびにミズキ隊員が焼き餅を焼くという、ミズキ隊員、ちょっと可哀想。まぁそれがミズキ隊員のアイデンティティーの一つでもあるのですが(笑)

 ゲストのニーナ役、上良早紀さんは大怪獣バトルのハルナ隊員も演じてらっしゃいます。初見でパッと気づけず、私もまだまだだなと感じましたね。

 今回登場のエラーガですが、個人的には強化前の形態の方が好みだったり。水中を泳いでいるカットとか、かなりかっこよかった印象です。

 そういえば、オーストラリア支部の戦闘機が、やけにかっこよかったですね。

 

 ということでザックリと、ウルトラマンマックス14話から17話の感想でした。やはりマックスを代表する、イフ、タマ・ミケ・クロ辺りがとても印象的でしたね。単発回を詰め合わせたマックスだからこそできる自由な演出が、ほんと素晴らしいなぁと思いました。それでは、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!

「歴史ある作品に出られて光栄です」について

 皆さんこんにちは、igomasです。普段は、ウルトラマンゼット、マックス、グレートの各話感想記事や、媒体を問わず古今東西ありとある悪役の考察記事などを書いています。今回は、ちょっとした雑談&感想記事。

 ちょうど今日、仮面ライダーの映画公式サイトにて、ゼロワン映画の新ライダー紹介ニュースが出ましたよね。私は、とある事情があって、仮面ライダーからはまた当分離れることにしたのですが(下記添付記事参照)、とはいえ、ウルトラマンという特撮作品を嗜好する以上、他の特撮作品である仮面ライダーにも、ある程度精通しておきたいもの。知識として、新ライダーの名前くらいは知っておこうと、公式サイトに足を運んだわけであります。

 

igomas.hatenablog.com

 

 さて、そうして公式サイトに足を運んでみると、なるほど今回の新ライダーは、複数人が同じライダーに変身するらしく、新キャスト中4人が、仮面ライダーアバドンに変身するそう。劇場版では、同じ見た目の敵ライダーが4人並び立つ、という構図になるのでしょうか。こういうのって、割と珍しいですよね。量産型ライダーって、重要ポジションのキャラが変身するイメージがあまりなかったので(まぁ、ライダーに関してはほんとにわかなんで私が知らないだけかもしれませんが)。

 新キャストは、仮面ライダーアバドンに変身する4人に加え、かの東宝シンデレラ山崎紘菜さん。各キャストの出演にあたってのコメントを読んでいると、かなりその内容が、ウルトラマン出演陣のそれと異なっていることに気がつきました。これは興味深い、と思い、記事にさせていただいた次第であります。

参考公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/reading/kamenrider-winter/223/

https://m-78.jp/z/cast/

https://m-78.jp/geed/425/

 

 さて、早速本題なのですが、タイトルにもなっていますが、こういった特撮作品のキャストのコメントに、最も使われるマジックワードが、「歴史ある作品に出られて光栄です」。Zのナカシマヨウコ役、松田リマさんや、ジードの鳥羽ライハ役の山本 千尋さん含め、多くのウルトラマンキャスト陣が使ってきた言葉です。私これ、あまり好きじゃないんですよね。

 これって、キャストコメントを書くときの一種テンプレみたいなもので、要は書くことがないから字数稼ぎに使ってる言葉なんですよね。もちろん、キャストの中には、特撮作品となんの馴染みもない人はたくさんいるでしょうから、書くことがないのはよく分かるのですけど、でも「歴史ある作品」ってフレーズは、あまりに芸が無いな、と。毎年毎年見るワードなので、テンプレ感が強すぎるのかもしれません。

 そもそも「歴史ある作品」って言葉自体が、歴史ある作品のファンが喜ぶ文面じゃないような気がするんですよね。だって、ウルトラマンのファンだって、仮面ライダーのファンだって、(1冊の本などにも纏められないほどに芳醇な)その歴史の中身そのものを、濃密に味わってきたわけで、それをサクッと一言で「歴史ある作品」と纏められても、あまりいい気がしないと思うんですよ。いや、いい気がしないのは私だけかもしれませんが。ただ少なくとも、「歴史ある作品」ってフレーズは、あくまで作品の長い歴史の表面しかなぞっていない言葉です。大事なのはその中身。キャスト陣がその作品に触れ合い、何を思い何を感じたのかそれこそが、長い歴史を知るファンがキャストらと共有したい、特撮の楽しさってもんじゃないでしょうか? そう考えると、やはり「歴史ある作品」などという浅はかな言葉は、あまり褒められたものではありません。

 だから、歴史ある作品、とまるで人ごとのように言うのではなく、自分なりの言葉で、自分の経験と合わせて表現してみる。そういうことも、キャストには求められる力なのかな、と思っています。

 翻って今回、仮面ライダーのキャスト一同のコメントを見るに、自分の言葉でかみ砕いて語るのが、非常にうまいなと。畑芽育さんなどは、テンプレの言葉を使わず、「私が生まれるずっと前からあった仮面ライダーシリーズの劇場版にまさか自分が出演するとは!」とその歴史の長さを自分の人生の尺度で述べているあたり、素晴らしいです。小山さん「子供の頃にテレビにかじりつくように夢中になっていた」福士さんのオーディション経験など、それぞれの体験に基づいた温かみあるコメントの数々は、見ていて楽しくなりました。山崎さんは「出演のお話をいただきゼロワンを拝見したのですが、今ではすっかりハマってしまい現場で本物の変身ベルトを見たときは大興奮してしまいました。いちファンとしてこの作品に携われる幸せを噛み締めながら」と、ファンとしてはこれ以上無いくらい嬉しいお言葉ですよね。こういう、仮面ライダーファンに対して誠意のある、温かみのこもったメッセージを書ける俳優って、伸びていくんだろうな、と常々思います。

 たかだかコメント、たかだか数行と思われるかもしれませんが、俳優のコメントはそれだけ作品において重要だということを、ご理解いただきたく、この記事を書かせていただきました。こんなに気分の良いキャストメッセージを見たのが久しぶりだったもので。

 もちろん、ウルトラマンのキャスト陣のメッセージも、良いものをたくさん見かけますが、近年あまりにコメントのテンプレ感が否めません。ファンが嬉しくなるようなアツいコメント作りを、今後の俳優陣にも期待したいところですね。それでは、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!

ウルトラマンZ第14話感想 ブルトォォォン!

 復活の時だぁぁああああああああああ!

 どうもこんにちは、お久しぶりです、igomasです。だいぶ期間が開きましたが、ウルトラマンゼット第14話感想、やっていきましょう。これまで、第11話~第13話まで、「人間の都合だけ考えて、無闇に怪獣を殺してしまってよいのか」というテーマを、じっくり描いているゼット。今回は、その締めくくりの回ということで、ハルキがそのテーマとどう向き合うのか、注目していこうと思います。

 また、今回は初代ウルトラマン怪獣の中でも異色を放つ怪獣、四次元怪獣ブルトン回。特撮面も目が離せません。近年では(とはいえもう10年以上前ですが)、CGで登場することもあったブルトン。今回はスーツが新規造形され、特撮がより面白くなっております。楽しみにするとしましょう。

 それでは、第14話感想、やっていきましょう!

 

《第14話》

 冒頭、セブンガーが退役し、来月から博物館に展示され、少しずつ何かが変わりゆくストレイジ。これは、最終回辺りで特空機が全滅し、セブンガーが最後に活躍する、っていうアツい展開でありましょうか。セブンガー、なんだかんだでウインダム登場からは活躍が芳しくなかったので、最後の最後、良い活躍を期待しています。

 キングジョーストレイジカスタムの活躍を称え、ストレイジでは祝勝会が行われていた。ここでのオオタユカの喜びようが微笑ましい。ずっと頑張ってきた整備班の仲間達と自分を称え、盛り上がっている様子。なんだろう、田口監督が撮るとこうもオオタユカがナチュラルに良い人になるのはなんでだろう。なんだか、最近ずっと悪印象ばかりのオオタユカを見ていたので、初心を思い出して新鮮な気持ちになりました。おそらく今回を見るに、メイン監督の田口監督が描きたいオオタユカは、あくまで怪獣好きとしてのキャラで、マッドサイエンティスト要素はそこまで押しだそうとしていなかったんじゃないかな、と思います。多くの監督陣にバトンが引き継がれてゆくうちに、いつの間にかオオタユカが人の血の通わないマッドサイエンティストになってしまったことはかえすがえすも残念でなりません(笑)

 ヨウコ先輩に何飲む?と聞かれ、コーラ!と即答するユカと、プロテインと答えるハルキ、呑気に自転車で入ってくるヘビクラ隊長。この隊員達の和気藹々とした雰囲気こそ、田口監督の真骨頂でありましょう。これがあるから、田口監督の日常パートはやめられない、止まらない。

 有給休暇のはずのバコさんが現れ、どんちゃん騒ぎを怒られるとひるんだ整備班の面々だったが、バコさんは意外とノリノリだった!「中途半端はよくねぇ。マグロ、ご賞味ください」でOP。

 物語も後半に突入し、OPも2番に変わりましたね。歌詞については前回第13話で色々と考察しておりますので、そちらをご覧下さいませ。

igomas.hatenablog.com

  さて、今回の監督ですが、久しぶりの、メイン監督田口監督です。よっ、我らの田口くん!いやぁ、ここ数話のあれこれで、もはや田口監督でなければ安心できない体になってしまいました(笑) これまでは、どちらかと言えば特撮面に重きを置いて田口監督を語ってきましたが、今回は日常パートもかなり出来が良く、注意深く見ていきたいところ。

 OP明け、美味しそうにマグロを頬張るストレイジの面々。と思いきや、このシーン、実はコロナの関係で演者の皆さんはマグロを食べることが出来なかったのであった(詳しくは先日の生放送を参照)! 無念! たしかに、よく見るとご飯の上のマグロ、なくなってないですね。なんというか、事情を知った上でもう一度見ると、哀愁漂いますね、このシーンw

 こんな美味しいマグロどこで!?と尋ねるオオタユカに、「昔ちょっとな」と答えるバコさん。ここで、バコさんは「謎の過去を抱えた黒幕(異星人)ポジション」ではなく「昔ちょっとなの一言で色々できちゃうタイプの人ポジション」だったことが判明。長らくバコさんの立ち位置があまり定まっておらず、作品上どんな立場なのか考えあぐねていたのですが、なるほどそういうポジションだったのですね。13話で考察したバコさん黒幕説、可能性は低そう。

 端っこの方で、気まずそうな顔をするハルキに、声をかけるヨウコ先輩。「こんな時に何しけた面してんの? 考え事?」と優しく尋ねます。ヨウコ先輩も「実はさ、私もちょっと考えちゃってるんだよね。確かにキングジョーは強い。けどこんな兵器を私たち人間が手に入れちゃって、ほんとに良いのかな」と、自身も悩みを抱えていることを打ち明けます。ヨウコ先輩の、キングジョーに関する悩みというのは、これまでの話のどこにも描写がなく、若干唐突ぎみではあるものの、「ハルキだけが悩んでいるのではない」と励ますその姿は、先輩として、上司として、好印象。

 美味しそうにマグロを頬張るヘビクラ隊長(ほんとは食べてないけど)。何かを察知し、格納庫を出て行きます。一方ストレイジ基地の外にはカブラギシンヤが現れ、赤い物質と青い物質をPPAPし、ブルトンが出現します。冒頭でも述べましたが、今回のブルトンは新規造形。ゼット第1話のものとも少し違うようです。

 バコさんは華麗に披露し、ユカに「バコさんなんでこんなにマジック上手いの?」と聞かれ、「昔ちょっとな」と答え、さらに「昔ちょっとなで色々できちゃうタイプの人ポジション」を確立していきます(笑)

 ハルキはマグロを食べ終わり(食べてないけど)「うまいもん食い終わったときって食べる前に時間を巻き戻して、何回も食べたいって思っちゃいますよね」と言い、ヨウコ先輩も「こんな時は美味しいもの食べるに限るねぇ~」と返します(食べてないけど)。あぁ、演者さん食べてないって知った後見ると、ほんと哀愁漂いますねw まぁそれはさておき、このシーンも良いですよね。悩んでばかりいたハルキが、しばしの間悩みを忘れ、ヨウコ先輩と和気藹々と語り合う、というシーンが挟まれるのは、良い。ずっと暗いシーンばかりでは見ている側も辛いですし、こういう緩急の付け方は、作品作りにおいて、大事。

 さて、そのとき突然、ユカ達が宙に浮く、という謎現象が起き、ここから怒濤のブルトン演出シーン。ストレイジ一同は、基地に現れた怪獣ブルトンの仕業だと悟ります。ヨウコ先輩は、「ハルキはウインダム、私はキングジョー」と告げ、階段を降りていきますが、どれだけ階段を降りても、キングジョーにたどり着かない! ハルキもまた、ウインダムの最上階の階段を踏みしめると同時に、「どうした、生もの苦手か?」のシーンに巻き戻され、ここから、何度も何度も巻き戻されますw 繰り返しのシーンって、グダってしまいがちなのですが、テンポ感もよく、ヨウコ先輩の反応も面白く、見ていてとても楽しいシーンでした。「生もの苦手か?」でこんな笑うとは思いませんでした。

 一方、ヘビクラ隊長ことジャグラスジャグラーは、セレブロと邂逅。セレブロは自身の正体がばれていることを警戒し、邪魔するつもりかとにらみを利かせますが、ジャグラーは「むしろ応援してるんだぜ、俺は」と発言。この発言、危ういですねぇ。第5話でも述べましたが、ジャグラーは、善か悪か一見分からないキャラであり続けるのは良しとしても、最終的に良いキャラ、でなければならない宿命を背負っているので(最後に悪に染まってしまったらオーブ本編の全てが無に帰すので)、この「応援」の程度がちょうど良い塩梅であることを、願っています。ほんと、ジャグラーがラスボスってパターンだけは、避けて欲しい。

igomas.hatenablog.com

  なにはともあれ、ジャグラーは今回のブルトン作戦は気にくわないらしく、「いたずらするにしたって今日じゃねぇだろ。こっちは大事な打ち上げやってるのに」と言うと、セレブロはなおも嬉しそうに「それならもっと賑やかにしてやるよ」とブルトンの能力を使い、ジャグラーを巻きます。トイレに転送されたヘビクラ隊長は、「せっかくだからちょっとしてくか」と便器の方に戻り、CM。

 さてCM明け、どれだけ走ってもキングジョーにたどり着けないヨウコ先輩。ユカは解析の結果、「怪獣のせいで、ここはある種の四次元空間になっているのかも」「頭の中でイメージした場所や空間に繋がるようになってる」「無意識に考えたことが影響している」と解説。とても、オオタユカがまっとうな研究員で、嬉しい。このシーンも含め、整備班達が浮いてるの、結構上手く撮ってますよね。浮遊感が自然で、どう撮っているのかは分かりませんが、とても良いカット。ところで、オオタユカによれば、頭の中で無意識に思った場所に、転送されるとのこと。つまりヘビクラ隊長は本当にトイレに行きたかっt

 場面は変わり、「どうした、生もの苦手か?」のシーン。ヨウコ先輩はユカの分析を思い出し、「強く念じれば時限を越えて自分が本当に行きたいと望んでいる場所に行けるはず」とハルキにアドバイス。なるほど、ハルキはマグロを食べたいと深層心理で思っていたから、マグロを食べる前の状態に戻っていた、というわけですね。

 ハルキは、今度は絶対にブルトンに惑わされないと誓い、「自分の行きたい場所」に向かうという決意を持って、一歩を踏み出します。と、彼が向かったのは、なんとあの河川敷。ハルキと父の思い出の場所。キャッチボールをしていた、あの河川敷だったのです。いやぁ、ここに繋げてきたか。これはやられましたね。さすが田口監督。良い仕事をなさる。

 ハルキはそこで、父との再会を果たすことになります。ボールを渡し(ここ、なにげないシーンですが、ボールを渡すという構図そのものが、大人ハルキと父のキャッチボールの構図になっており、良い)、去ろうとする父を、ハルキは呼び止めます。「この町の消防士の方ですよね」と。この発言一つで、ハルキ父は「誰かを守る立場にある」ことが明確に示され、第11話での「家族を置いて他の人を助けに向かう姿」に正当性が生まれました。まぁ、これまでのシーンでも、髪型などから、ハルキ父は誰かを守る仕事に就いているのかもしれない、と推測できないわけではなかったのですが、やはりしっかり描いてくれないと、あの11話のシーンは劇的たり得ません。このセリフでしっかりと補完してくれたことで、武居監督の仕事が結実しているのが、上手い。

 ハルキは、長らく抱えてきた悩みを打ち明けます。「もし、誰かを守ろうとしたときに、その行動が同時に、別の誰かを傷つけてしまったり、守れないって分かったら、どうしますか」ハルキ父は答えます。「守りたい人を全員守れるわけじゃない。助けるために手を伸ばそうにも、手の長さには限界がありますしね。だから、手が届く範囲で、自分の信じる正義を、守ると決めた人を全力で守る。それが使命だと思ってます。そのせいで傷つけてしまったり、守ることが出来なかった人のことは、僕は絶対に忘れません」と。なるほど、良い落としどころですね。出来ないことは出来ないこと、出来る範囲でやるしかない。自分が全力でぶつかって、それで助けられない命があるのなら、それは仕方の無いことだけれども、でもそれはまた、自分の力が足りないからこそ守れなかった命でもある。だから、守れなかった命は絶対に忘れない。自分の失敗を胸に、また次の仕事を全力でこなし、今度は前の自分以上に、自分が出来ることを見つけてみる。そうやって成長していく、みたいな感じでしょうか。出来ないことは出来ないが、出来なかったことは一生忘れない、というのは、納得。

 ハルキは何かを伝えようとするも、言葉を飲み込んで、握手して欲しい、と頼みます。ハルキ父は困惑しながらも、それにこたえ、そして、「ハルキ」と驚いた表情で見つめます。ハルキもまた「父さん」と応えたところで、ハルキは元の場所に戻されるのでした。あぁ、ちょうどいい、ちょうど良い塩梅だ~。何の絡みもないまま終わるでもなく、父と子の対話をあまりやりすぎるでもなく、ちょうどいいところで切り上げる。上手い。また、この会話のシーンがあったからこそ、第11話のシーンで、ボールを取りに行った父の帰りが遅かったのだという補完がなされ、第11話の回想のなにげないシーンが、実は重要であったのだと逆転する構造が、大変見事なシーンでありました。

 これだけしっかり長台詞を使って、作品としての方向性を示してくれるのは、有り難い。並の作り手であれば、サクッとした会話で終わらせて、さっさと特撮パートだ、となるところ、作品上ここは大事なところだと日常パートにしっかり時間を割いて、作品の方向性を示してくれたのは、感謝しかありません。田口監督の日常パートの総決算と言いますか、このシーンは屈指の名シーン。ギンガ以降の日常パートとしては、ダントツのトップでしょう。

 さぁ、いよいよここからは特撮パートです。さすがブルトンをずっと撮りたがっていた田口監督。ここからは、田口監督特撮の独壇場だぁ~~~~~~~~~!! 四次元空間により、室内のあらゆる物があちこちに飛び交うカットに続き、宙に浮いては落ちるビルと、もう、なんでもありだ(笑) キングジョーストレイジカスタムが到着し、巨大怪獣特撮が展開されます。ミサイルを消したり自らがワープしたり、先程消したミサイルを出したり八つ裂き光輪を放ったりと、とてもとても、ブルトン

 ハルキはついに変身を決意します(あれっウインダムは?)。ハルキはゼットに、「自分の手が届く範囲で、守りたい人を全力で守る。それで傷つけてしまった者は、絶対に忘れない。この胸に、刻み込んでいく!」と宣言します。アツいアツいシーンでありますが、一応冷静になって補足しておくとしましょう。このシーン、まぁ確かにハルキなりの言葉で説明してはいるものの、全体的に、父親の言葉の単なる繰り返しになっており、もう一捻りあればさらに跳躍したのかな、というシーンではあります。父の言葉は一アドバイスでしかなく、それをハルキなりにどう捉えるか、はまた自由であるはずで、父の言葉は絶対、としてしまうよりかは、ハルキが自分なりの言葉で語る、というシーンになれば、さらにグッとくるシーンになったような気がしますね。まぁ、じゃあどうすれば良いんだってのは自分にもよく分からないのですけどw 作り手として何がベストなのかは、終わりなき問いでありましょう。今回は尺が詰め詰めなので難しいでしょうが、前後編の話であれば、ハルキなりの言葉に消化するシーンも入れられそうだな、と思ったので一応書いたまでです。

 それから、前回第13話のセリフも気になりましたね。ゼットもまた、ウルトラマンとして大事なことだから一緒に悩む、と発言していただけに、ゼットがどうこの問題にけりを付けたのか、も語られればなお良かったですね。ハルキがハルキ父の言葉で語るのはまだ分かるとしても、ゼットはゼットで、思うところがあるはず。ゼットなりの答え、というのも示されれば、バディものとしては良い展開になったのかな、と。

 もちろん、先程も言いましたが、今回の日常パートはここ10年で見ても屈指の出来で、これ以上無いくらいに良いシーンであることに変わりはありませんが、だからといってこれ以上良くなりようがないというわけではありません。尺的にも今回はこの展開がベストであったとは思いますが、今後より日常パートに重きを置く作風になっていったとき、こういう視点もあるよね、と示しただけのことです。別に今回のシーンに不満があるわけではないので、そこだけご了承ください。長くなりました、先へ進みましょう。

 ハルキは、特殊能力には特殊能力、と、ガンマフューチャーに変身。ブルトンの能力と、ゼットの能力。超絶怒濤のCGバトルが、光ります。ブルトンは、ゼットの蹴りもワープでかわし、そういえば、ブルトンのワープ、良いですよね。初代を彷彿とさせる懐かしのワープ。当時はCGなんて使えませんから、ワープ前とワープ後別々にカットを撮って、二つのカットの間に怪獣を移動させておき、それでさもワープしたかのように見せていたわけですが、その感じ(ぶつ切りカット感)が良く再現されています。最近だとCGで、ワープの過程が描かれたりしますからね(ハイパーゼットンを参照)。

 必殺技組の力を使い、良いダメージを与えますが、ブルトンの力でゼットは地面に埋まり、転がるブルトンに押しつぶされます(笑) キングジョーの助けもあり、なんとか脱出したゼットは、ベータスマッシュの姿でブルトンの触覚を、引き抜いていきます。ものすごく、力技w ブルトンの攻撃をものともせず、立ち向かっていくゼットに対し、ブルトンはワープで逃げ、のし掛かりで応戦。ただでは負けない強敵怪獣感が出ており、良いカット。ゼットは砲丸投げのごとくブルトンを飛ばすと、アルファエッジに姿を変え、必殺技組の力を使い、ブルトンを倒すのでした。爆発シーンが、実に美しい。

 戦いが終わり、祝勝会の片付けをする一同。ポップコーンの欠片を、ブルトンの破片じゃない!?とはしゃぐユカが、実に微笑ましい。ヨウコ先輩が、ボーッと座るハルキの肩をポンと叩くシーンが、「生もの苦手か?」のシーンと上手く対応していて、なんというか、のほほんとしたシーンに仕上がっていますね。田口監督はほんと、隊員達の和気藹々とした雰囲気を描くのが、上手い。

 いやぁ、今回良かったなぁ満足満足、と思っていたら、ん、この声、グリーザ!? で続く。次回、結構色々と、ヤバそう。

 というわけで、第14話感想でありました。田口監督は、長らくブルトンを撮りたいとおっしゃっていたようですが、今回日常パート特撮パートともに、上手くハマりましたね。特撮パートが良かったのはもちろんのことですが、日常パートが良かった。ブルトンの設定を上手く生かし、「自分の深層心理が邪魔をしている」というところで、ヨウコ先輩の「キングジョーストレイジカスタムに対する懸念」という悩みを描き、他方「行きたいと望んだ場所に行ける」という設定を使い、ハルキを例の河川敷へと飛ばした。ブルトンだからこそできたこの演出が、作品の方向性と上手くマッチしており、良かったです。

 また、先の武居監督の仕事が、この回をもって結実したのは、見事としか言いようがありません。第11話の、キャッチボールのシーンの必要性、ハルキ父の仕事・立場をしっかり示しきれていない不十分さが補完されたことで、第11話の株も上がりました。まぁ、にしても「子供を置いて他の人を助けに行った父の姿」と「子供を守るレッドキング」を重ねるのは少し無理がありますが(笑) とはいえ、第11話の評価がこれで大いに上がったことは事実。素晴らしい演出でありました。

igomas.hatenablog.com

 さて、今回浮き彫りになったのが、オオタユカに対する田口監督とその他の監督陣の解釈の乖離。田口監督は、どうもオオタユカを単なるいい人として扱いたい印象を受けるんですよね。一方、他の監督陣は、あまりにも、マッドサイエンティスト要素を押し出しすぎたことで、オオタユカが人間の血の通わない、人がいくら死のうが気にしない人、と化してしまった印象です。他の監督陣の方向性で行くのか、田口監督の描き方で修正をかけていくのかわかりませんが、黒幕であるかないかにかかわらず、オオタユカには好印象を持ちたいので、頑張っていただきたい所存。

 と、これをもって今回記事とさせていただきます。いやぁ、第14話、実に良かった。より一層、田口監督でないと安心できない体になってしまいましたw さて、次回はいよいよグリーザ再登場回。初登場時に絶大なインパクトをもって登場したグリーザですが、次回もまた、その強敵なイメージを崩さず活躍してくれるのか、そして、ゼロ以上にヤバい劇薬、ベリアロクはどのように投入されるのか、ゼットの新形態はどんな活躍を見せてくれるのか、まだまだ目が離せないゼット。非常に楽しみです。それでは、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!

ウルトラマングレート感想4~6話

 皆さんこんにちはigomasです。今回も、ウルトラマングレート各話感想、やっていきましょう……とその前に
 色々と、すみません
 まず、ウルトラマンZ各話感想含め、記事の更新が遅くなってしまっている件ですが、これはリアルがべらぼうに忙しくなっているためです。9月になってやることが5倍近くになったこと、ちょうど10月から一つ大きなプロジェクトを始めたこともあり、今、とてつもなく、忙しい。正直、1分1秒が命取りなレベル。こんなに忙しくなるとは、想像だにしておりませんでした。そのため、少ーーーーーしだけ記事更新が遅れており、過去に書きだめたものをたまに揚げてる状況です。いずれすぐこの環境にも慣れて、また記事更新できると思いますので、現状は暖かい目で見守っていただけると幸いです。ちなみに、Zのブルトン回、グリーザ回、メツボロス回、多少の遅延はあれ、しっかり記事は書きますので、そこだけはご安心を
 次に謝罪すべきは、10月一週目に公開すると言っていた大型記事。これも、多忙のため繰り下がることとなります。まぁこれは、Z感想が追いついて、落ち着いてきたらということで……1年に1度とも言える本ブログ1大イベントなので、頑張りたい所存。
 そして3つ目、最後になりますが、ウルトラマングレート第3話、見逃しました、はい。本当に申し訳ありません。結構、自分でもショックです。ということで今回は、4〜6話の感想記事となります。
 というわけで、活動報告も兼ねてグレート感想、お楽しみ下さいませ。

igomas.hatenablog.com

 

 

《第4話》


 隊長が、シンドーらに車を使わせる理由を、「竜巻を誘発させるため」と素直に言えばいいのに、「経費の節約で戦闘機を使えない」とわざと嘘の理由づけをするのが、妙に生々しくて、とてもグレート。いや、ほんとに経費の節約だったという説も……?
 続いて笑ってしまったのが、ムジャリ登場シーン。シンドーとムジャリが顔を見合わせるのが、とてもシュールでしたね。間に挟まれたロイドの2枚目演技が、逆にコミカルで、大変面白かったです。
 ムジャリさん、自然には抗えない、抗ってはいけないと言っておきながら、人間が自然に勝ったら飛び跳ねて喜ぶっていう、この整合性のなさが、ちょっと、乗れませんでしたね。一貫してポジションを貫いて欲しかったし、スタンスに変化が起こるならちゃんと描いて欲しかったなと。
 デガンジャを倒してからの、「ゴーデスの支配からデガンジャが解放され自然のバランスは戻り雨期が訪れた」というナレーション。ここで、唐突に、やっぱりゴーデスの仕業だった! という展開に。それまで、もしかするとゴーデスの仕業かも、という示唆程度であったものの、最後にゴーデスの仕業だと力押しすることで、翻って人間が自然を攻撃したことに正当性を持たせるという、実に強引な話運び。好みとは大きく合いませんでしたが、まぁ単体話としては可もなく不可もなくといったところか……怪獣の見た目もインパクト大だったし(結局そこ)

《第5話》


 冒頭から、首がグワングワン動く怪獣、バランガスが登場。やはりグレート怪獣は、第2話のギガザウルスといい、首グワングワン系が好きかもしれない。王道怪獣を、本来の生物なら有り得ないくらいグワングワン動かしてしまうその神経の図太さが、本家には真似できないグレートの良さなのかもしれません。
 グレートに救われたジャックシンドーと、ゴーデスの使者スタンレーの基地での格闘戦は、生身の戦闘でありながら、ガイアとアグルの戦いを彷彿とさせる(こちらの方が先出ではありますが)、胸躍る戦闘でありました。
 なんだかんだで基地を守るため立ち上がったり、シンドーだけでなくスタンレーも収容するなど、その役職にふさわしい好感度を上げる隊長。「基地が欲しいならまず私を倒せ」という無茶なセリフを、いつも軽口を叩くのと同じ表情で言われるので、絵面としてはかなり面白いものとなってましたが(笑)
 グレートの戦闘スタイルが、まるで素人ファンの2次創作に見える時があるのは、単純にグレートに体幹がないのと、動きにキレがないことに起因するのかな、と今回あらためて感じました。この実にグレートな動きを、果たして坂本浩一監督はギャラファイで再現できるのでしょうか。再現できないに1票(笑)
 変身アイテムと恋人との二者択一で、割とあっさり変身アイテムを取る主人公、というのは、とてもグレートらしい展開w 結局恋人はゴーデス細胞漬けになってしまいます。グレートに変身してすぐ助けるでもなく、怪獣を倒すまで恋人基本放置だったのは、意外。

 

《第6話》


 オーストラリアの酸素がなくなってしまう、はなかなかのパワーワード。ゴーデスの脅威を表現するにふさわしい、いい台詞。
 軍人に基地を乗っ取られそうになり、隊長が発した一言「好戦的な軍人どもには任せられん」……どの口がいうか(笑) 隊長、かなり好戦的なイメージなんですが、それともこれは単なる軽口なのかw
 ゴーデス、かなり強敵として描かれていましたね。割とあっさり倒されたイメージが強かったのですが(まぁ、倒される時は一瞬でしたが)、結構強敵描写ありましまね。グレートを自身の体に取り込み、幻と戦わせるという鬼畜戦法でありましたが、ジャックシンドーとの言論対決に負け、怯んだところを倒されました。さすが、神経が図太いジャックシンドー。
 そして極め付けは、ゴーデスに誘われてどこかへ消えた恋人を主人公がほったらかし、最終的に恋人が自力で克服するという、根性論もびっくりな超展開。これには驚きました、さすが神経が図太いジャックシンドー(笑)

 

 ということで、ざっくりグレート感想でありました。早くも前半戦が終わり、後半戦に突入。ゴーデスの脅威が去った後の地球が、果たしてどうなってゆくのか、楽しみです。全12話という見やすさと、いつものウルトラマンとちょっと雰囲気が異なり、見飽きない辺り、非常にとっつきやすいウルトラマングレート。全くウルトラマンを知らないという方にはあまりオススメではありませんが、ちょっとニュージェネとかかじってますって人には、割とオススメ。

 それではこの辺りで、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!