igomasの部屋

どうも、igomasです。ウルトラマンファン。ヒーローより怪獣、悪役が好き。今日も今日とて「悪役」考察♪

ゲネガーグは次世代のハンドスピナーである

 皆さんこんにちは、ゲネガーグのこととなると理性が崩壊する、igomasです(笑) 今回は、私が定立した新たな学説、「ゲネガーグは次世代のハンドスピナーである」説について語っていきます……いやほんと、なんのこっちゃって話ですよねw まぁ、緩いソフビ雑談です。
 と言いますのも、私igomas、長らくソフビというものから疎遠な生活を送っておりました。そもそもウルトラマンから離れていた期間があるというのも大きいのですが、それ以上に、ソフビって、結構スペースを取ることもあって、わざわざ買うまでもないかな、と思っていたんですよね。最後に買ったのが、ギガキマイラとベリュドラのソフビで、これがまぁでかいのなんの。あまりに場所を取るものですから、もうソフビは買うまい、なんて思っていたわけです。
 それが、ウルトラマンギンガ放送以降、スパークドールズという新たな形で展開されるソフビ群、続々と売り出される新規造形に、次第に心惹かれるようになりました。なんだかソフビ界隈が盛り上がっていそうだ、サイズも小さくなって、迫力は減ったものの、そんなにかさばらないぞ、これは意外といいかも、と思い始めて、遂におもちゃ売り場のウルトラマンコーナーに自ら足を運び、商品を手に取り、そこで愕然とするわけです。「塗装が、減ってる!」と。
 最近の子供は知らないでしょうが(とはいえ、このブログの読者層にさほど最近の子供は含まれていないかもしれませんが)一昔前の特撮ソフビは、今で言う重塗装並みの、全面塗装はもちろん、グラデーションや色変えを駆使した、抜群に塗装の良いソフビがずらりと店頭に並び、実に壮観でありました。また、スーパーでもミニソフビの対決セットが売られ、非常に安い値段で買えて、またごく稀に前面しか塗装のないものもあったりはしましたが、基本全面塗装の素晴らしいものばかりでした。それが、時代が進み、原材料費が高くなるにつれ、塗装に費用をかけられなくなり、コンビニで売っているレベルのびんぼっちゃま仕様、すなわち、前面にしか塗装がされていないとか、あろうことか前面の塗装すら大幅省略、そんなソフビが、大型量販店のおもちゃ売り場に堂々と並ぶということになってしまったわけです。スーパーで売っているミニソフビなんかはもっと酷く、物によっては全く塗装がなっておらず、もはや別キャラというものまで売り出される始末。当時のくるみ塗装(全身塗装)をよく知っていただけに、その落差は著しく、大変ショックを受けたのを今でも覚えています。というか今もそのショックを引きずっています(笑)
 これはバンダイの商品全体に影響を及ぼし、ウルトラマンだけでなく、仮面ライダー界隈でも大きな問題となっています。特にウルトラマン仮面ライダーの近年の塗装省略は、凄まじいものです。原材料費の高騰により、かなり苦しいことは重々承知していますが、それを考慮しても、かなり酷いところまで来ている印象ですね。
で、そういった最近のソフビも、「まぁでも造形はいいよね」なんて擁護のコメントをよく見かけるのですが、正直言って造形も微妙なものは多く、特にガンQはかなりゆるーーーくなっており、ガイア放映当時の洗練された造形とは似ても似つかず、非常に残念に思っています。
 もちろん、ここに書いてある不満はあくまで私のエゴです。小さい子供の中には、造形や塗装などどうでもよく、それっぽいソフビがあれば十分楽しめる、なんて子も一定数いるのでしょう。そういう子は買えばいいし、ちょっとなぁと思う人は買わない。買いたい人が買えばいいだけの話だ、とは思っています。ただ、自分は買わなかった、ということです。
 というわけで、かなりショックを受けたのですが、それと同時に、それ以降ソフビについて少しずつ興味を持つようになりました。成型色が何色か気にするようになりましたし、ソフビの製作工程、一般人や一般の企業がソフビ製作する際の相場など調べましたし、緩い造形にもそれはそれでデフォルメという良さがあることも知りましたし、まぁとにかく、色々と新たな世界を知るきっかけになりました。結局、色々知った末に、「やっぱり塗装が1番」となったわけですが(笑)
 というわけで、「塗装さえ良いソフビが出れば、すぐにでも飛んで買いに行くのに」と期待を高まらせていたその矢先、恐るべきソフビの情報が飛んできます。それが、ウルトラマンジードに登場した、主人公の友達、ペガッサ星人のペガ。この当時は、ウルトラマンソフビ界に激震が走りましたね。とにかく「これが新世代の重塗装だ!」と言わんばかりのその迫力には、かなり驚かされました。服、ズボン、靴の細かな造形の完成度の高さ、背面を含む全面塗装で、ベルトの塗装にまで気を配る完璧な出来。これは、もう一切迷うことなく即買いでありました。こうして、ベリュドラ以降止まっていた時間が、遂に動き出すこととなったわけです。
 それからは、スーパー等で売っているミニソフビの中でも、特に塗装のやや良さげなものなど、順次買っていっておりました。ほんと、ペガを皮切りに、みたいなところが強く、大変感謝しています。
 さて、そうやって、塗装造形の良いものは色々と買っていったわけですが、結局のところ、塗装省略が甚だしいものは買うには至らず、また私は悪役好きでありますから、怪獣ソフビ以外は特に買うこともありませんでした。とういうわけで、たまにポツポツとソフビを買いはするけど、塗装完全重視で買う姿勢は依然変わらず、だったわけです。
 そんな折節、ウルトラマンZの放送が始まりました。塗装・造形共に評価の高かったセブンガーのソフビを探しウルトラマンショップに向かったものの、既に売り切れており、特に見るものもないかなとソフビコーナーを離れようとしたその時、店員さんに声をかけられました。「何かお探しですか?」と聞かれ、「セブンガーを探しに来たんですけど、もう売り切れちゃってて」と答えたところ、「新作だとこれらのソフビもありますよ」と、他のソフビを勧めていただいたのです。それが、他でもない、ゲネガーグでありました。ようやっとタイトル回収ですw
 ゲネガーグのソフビは、正直造形自体もかなりボリュームダウンしており、塗装もなんだか違う、目も劇中と似ても似つかないということで、さほど注目しているソフビではありませんでした。しかし、どういうわけか、店員さんの上手な商売戦術に乗せられ(本当に、巧みな話術でありました)、気付けばゲネガーグ購入、に加えアルファエッジも購入していました(笑) こうして、思いがけず、ゲネガーグのソフビを買うことになったわけです。
 家に帰って、さてこのゲネガーグをどうしよう、ということになりました。その場の勢いで買ったは良いが、なんというか、いびつな造形をしているものですから、そもそも持ち方も分からない。ソフビなんて長らく買っていませんから遊び方もわからない。飾るにもそんなスペースは既にギガキマイラとベリュドラ達が占領してしまっている。まさに八方塞がり。どうしようもないので、取り敢えず色々な持ち方で手に持ってみることにしました。
 読書したり、ゲームしたり、作業したり、生活の色々な場面で、取り敢えずゲネガーグを握ってみました。絵面としては、かなりシュールですね(笑) そんなこんなで1日を過ごしたのですが、意外にも、持ってるだけで割と、心が落ち着く気がしたのです。これは、これは次世代のハンドスピナーになるぞ! と感動を覚えましたね(なにいってんだ)
 ゲネガーグのソフビの特徴の一つとして、その触り心地の良さが挙げられます。というのも、ゲネガーグは宇宙鮫の怪獣なのですが、サメ肌といいますか、ザラザラした触感が見事に再現されています。表面を触っているだけでも、かなり精神安定剤になりますね。
 次に、突起の多さ、これが素晴らしい。顔からのびるツノ、背中上部の三つに分かれた突起、背中部分の小さな突起、尻尾、足と、突き出た部分がおおく、どこを掴むかで楽しみ方は無限大! また、マッサージにも使え、特に背中上部の突起や尻尾を使って手のひらのツボを押すのはかなりオススメだ(迷走発言)!
 また、尻尾を持つと、ツノの先を指示棒のように使うことができ、ゲネガーグのツノで文字をなぞっていけば、本を読んでいるときに今どこを読んでいるかが一目瞭然。使い勝手は抜群です。もう、自分でも何言ってるか分かりません(笑)

 まぁそんなわけで、触り心地の良さからゲネガーグを重宝するうちに、いつしかゲネガーグのソフビに愛着がわくようになってきました。そしてそうしているうちに、今まで塗装が造形がと敬遠していたソフビ達に、いつの間にか心惹かれるようになっていったのです。というわけで、私igomasの長いソフビ離れは、こうして収束することになったのでした。

 また、ゲネガーグ購入時に、初回生産分は安いからと勧められて買ったアルファエッジも良かったですね。それまでは、上半身、下半身、腕でそれぞれ成型色が異なるソフビは、背面を見た時の残念感が大きいので避けていたのですが、昔よりかは抵抗感がなくなったように思えます。怪獣だけでなく、ウルトラマンのソフビにも愛着がわくようになり、この時の店員さんには大変感謝しております。

 さて、ウルトラマンと怪獣のソフビが揃ったら、次にするのはソフビ遊び。とはいえ、今更ウルトラマンと怪獣を戦わせるのもなぁ……と試行錯誤の上、わけのわからないソフビ遊びが誕生したのでありました。詳細は、下の記事をご覧くださいw

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  こうして、ゲネガーグのソフビは、私のお気に入りのソフビの一つとなったのでした。まぁ若干ネタも混じっていましたが、ゲネガーグのソフビ、大変おすすめです。ソフビあんまり知らないな、という方は、その足掛かりとして、おひとついかがでしょうか。

 人生なにがきっかけになるか分かりません。読者の皆様にも、良いソフビとの出会いがあることを願って、本記事とさせていただきたいと思います。それでは、読んでいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!

ウルトラマンマックス感想10~12話

 皆さんこんにちは、igomasです。マックスさっくり感想、今回もやっていきましょう! 10話~12話も、気になる話が盛りだくさん。マイナー怪獣界のカリスマ、メタシサス回に、過去怪獣回では結構お気に入りのアントラー回。非常に楽しみです。

 

 

第10話「少年DASH」

 OPまでのシーンに関しては、「ませた子供を、良く描きすぎず、悪く描きすぎない」という、良い塩梅の見せ方が出来ているのが、評価の高いポイント。隊員達のキャラ描写を進めつつ、ゲストも立てる。良い場面展開が出来ています。

 OP後、「カイト隊員、ミズキ隊員、記念に写真を撮らせてください」と頼む少年に、「いいわよ」と、ナチュラルに並ぶ二人。いや少年と一緒に3人で撮るとか、そんなんじゃないんかい(笑)

 まぁOPが終わってからの展開は、日常パートはあまり乗れませんでしたね。まずもってテンポ感が悪い。重力場の歪みを発生させ姿を消すメタシサスの出現場所を、マサユキ君が予測し、それを思い出したトウマカイト達がマサユキ君の家に行き、しかしマサユキ君は既に外出しており、マサユキ君を探し、見つけるもマサユキ君に逃げられ、追いつき、マサユキ君に攻略法を聞くも「マックスに教える」と突っぱねられ、コバ隊員が説得し……と、かーなーりー助長なイメージ。最初の時点でトウマカイト隊員が、「どうして出現場所がわかるの?」とマサユキ君に聞いていれば倍くらいテンポ良く進んだのではなかろうか。まぁ、30分のストーリーを作ろうと思えば、多少グダらせる必要もあるのかもしれませんが、もう少しなんとかなったのかな、と。

 戦闘も、やや助長でしたよね。マサユキ君に、携帯電話で怪獣の出現場所がわかる、と教えてもらったものの、最終的な作戦は、マサユキ君がミズキ隊員に伝え、ミズキ隊員がコバ隊員に伝え、コバ隊員がマックスに伝えるという、とてつもなく助長な伝言ゲーム。攻略法さえわかったなら、コバ隊員がマサユキ君の携帯電話を借りてダッシュバード2号に乗り込み、直接マックスに伝えるとか、そんな感じで良かったのではないか。まぁ、ミズキ隊員が、マサユキ君の「あそこ」というほんわかした表現を、「ポイント○○○」としているだけミズキ隊員に役割はあるにはあるのですが、ちょっと、助長かな、と。

 それから、マサユキ君の振れ幅が、すごい。最初、ダッシュ隊員の名前を全部覚えている、将来有望な夢見る子供だったのが、コバ隊員は失敗ばかりだと失念し、ダッシュを全く信用しなくなり、その後コバ隊員の言葉を聞いて信用し、最後には「マサユキ君のおかげね」とミズキ隊員に言われると、「ううん、コバ隊員がいてくれたから。コバ隊員が諦めなかったから」と強く言い、コバ隊員に「君のおかげ」と言われても「そんな」と謙遜。なんというか、一つの話で唐突に2回急激なキャラ変が起こっており、マサユキ君の両極端ぶりが、あまり乗れず。また、中盤のませた子供感がどうも肌に合わず、あまり好みに合いませんでした。これは演者の印象というよりかは、脚本の問題かも。

 特撮パートはかなり良く、コバ隊員がダッシュバード2号からマックスに、メタシサスの出現場所を伝えるカットとか、非常にかっこよかったですね。とどめを喰らったときのメタシサスの目など、とても可愛らしく、好印象。

 

第11話「バラージの預言」

 博士の娘がダッシュ隊員達に味方する流れ、結構雑だった(笑) 思いのほか記憶が美化されておりました。

 とはいえ、アントラーの魅力は凄まじく、鳴き声から生態から、なにからなにまで最高。過去怪獣登場回としてはかなり好きな回だということは既に述べましたが、アントラー、やはりいい。都市部に突然現れる蟻地獄、街を飲み込む流砂。ダイナミックな特撮が、素晴らしい。この回の特撮は、是非ともウルトラ初心者にも見ていただきたいくらい。

 磁力光線でマックスの必殺光線発射が止められたり、マックスにアントラーの角がかじりついたりと、印象的なカットが多いのも評価したいところ。

 ちなみに、初代ウルトラマンに登場したアントラーと、マックス版のアントラーでは、角の先っぽの向きが異なるそうです。

 

第12話「超音速の追撃」

 とうとう来ましたヘイレン回。コスモスファンとしては、リドリアスのスーツ改造であるヘイレンは、かなり複雑な気持ちで見る怪獣であり、マックス配信において見返したいと思っていた回の一つです。

 ミズキ隊員の好みの曲に、隊員らが「いいね」と賛同する中で、隊長が「大事なテスト中に気を抜くな!」と怒るのでなく、「音楽というものはだな~」と力説するゆるさが、マックスのいいところ。ダッシュの隊員達の和気藹々とした雰囲気は楽しげで、こんな職場なら良いかも、と思える素晴らしい防衛軍ですね。最後のオチの部分の雰囲気も、良い。

 ヘイレンの、ジェット機を思わせる「ヤバいやつ」感は素晴らしく、思いのほかしっかり怪獣描写されており満足。マックスの「最強最速」の座を危うくした功績は、大きい。スラン星人以上のスピード感あふれる戦いで、これは、スラン星人からマックス代表怪獣の座を奪えるな、ヘイレンよ。

 突風が吹いたときの逃げ惑う一般人の反応とか、とても秀逸。素晴らしい。

 ヘイレンが魅力的に映る理由の一つに、ダッシュの戦闘機のCGが格好いい、というのもあるんでしょうね。戦闘機が格好いいからこそ、それと張り合うヘイレンが際立つ。本当に、怪獣を映えさせながら主人公サイドを映えさせる、というバランスの良さが、マックスの魅力。

 とはいえ、一般人(バンドメンバー)を危険にさらしてまでの、バンドで引きつけ作戦は、ちょっとやりすぎ感。まぁこの作戦の緩さもまた、ダッシュらしいですが(笑)

 

《おわりに》

 ということで、マックス感想でした。第10話の日常パートは人を選ぶというか、正直肌には合いませんでしたが、第10話~第12話全体を通して、どれも怪獣の魅力はしっかり描けており、楽しい一篇でありました。個人的にはリドリアス改造で悶々としていたヘイレンが、そこそこ活躍してくれていて安心しました。まぁ、リドリアスいなくなったのは悲しいけど。

 やはりアントラー回の特撮がいいですね。ほんと、見てない方は絶対見て欲しい。

 それでは、今回はこの辺りで。また次回の記事でお会いしましょう、igomasでした!

ウルトラマングレート感想1~2話

 皆さんこんにちは! igomasと申します。普段は、ウルトラマンを中心とした考察記事、悪役考察記事、時にはドラマ・アニメ・ゲームについて、記事を書いております。最近は、ウルトラマンゼットと、公式YouTubeで配信中のウルトラマンマックスの各話記事シリーズを書いてますね。

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  さて、先日方、その公式YouTubeにて、ウルトラマングレートの配信が始まりました。オーストラリアで製作された、平成初の実写ウルトラマンシリーズであります。全13話と、かなり短いシリーズとなっております。私igomas、小さい頃インフルエンザにかかって寝込んだときなどに、親にレンタルビデオを借りてきてもらい、数話かいつまんで見た程度の記憶しか無いのですが、その時から、いつかグレートをしっかり見たいとは思っていたので、非常に有り難い配信です。

 で、配信が始まったからには、せっかくだから各話感想記事書いておくか、ということで、ゼット、マックスに続き、各話感想記事シリーズを、始動したいと思います。グレートは先述の通り、全部で13話しかないので、マックスよりは細切れで2話ずつの更新とさせていただきます。マックス同様、というかそれ以上に、ざっくりした記事になるとは思いますが、読者の皆様に少しでも新たな発見を提供できるよう、頑張っていく所存であります。

 それでは、早速第1話から、見ていきましょう!

 

 

《第1話》

グレート先輩の動きが、思ったより素人だった

 てっきり海外の、特撮に長けたグループが制作しているのかと思っていましたが、割とグレートの構え、動きからなにからなにまで、初心者感丸出しの第1話でしたねw この人、武道とか全然嗜んでない人だ(笑)

 隊員たちのセリフまわしも独特で、かなり異色の作品であります。日本のウルトラマンよりも、ビルが高く、街で人が逃げ惑うシーンも、結構お金がかかっていそう。オーストラリアならではの作劇が、光ります。

 戦闘機の発射シークエンスが、速く、かっこいいですね。戦闘機が滑走路を走って、速度を上げながら発進する、というかなりリアリティの高いものになっており、滑走路スペースが広いのは、かなり珍しいですよね。この独特さを楽しめるのが、グレートらしさでしょうか。

 本作の第1話で高く評価できるのが、怪獣を「人知の及ばない強大な力・厄災」として描いているところ。海外では一般に、怪獣という存在は、いわゆるモンスター・侵略者であり、倒すことの出来る相手と認識されているのですが、グレートは、怪獣を厄災として描くことで、人類が太刀打ちできないことを示し、神秘の巨人ウルトラマンが救ってくれる、という展開に持っていっているのが上手い。オーストラリアに、日本の怪獣観を持ち込む、ということを見事に成し遂げています。

 

《第2話》

「人間よりあの恐竜を身近に感じる時がある」……わけが分からない(笑)

 第2話、ギガザウルスの首の動きが、エグいですねw 機械で動かしているのかなと思うくらい、グワングワン動いてます。結構この無理矢理な首の動きは、好きかも。

 火星で亡くした友を思い出し、不注意からギガザウルスの息吹にやられ、グラグラ揺れる戦闘機の中で、目をつぶって精神を落ち着かせグレートと一体化しようとするの、なんか、とても斬新であり、シュールw いつもなら墜落する戦闘機の中で、変身アイテムを掲げ叫ぶシーンですが、変身の仕方が変わるとこうも違和感があるのですね(笑) あ、あと、グレートが変身するとき、明らか画像拡大させました感満載で巨大化するのも、かなりシュールで面白いですね。

 変身解除して戻ってくるジャックの合成画像感の満載ぶりとか、実にグレートです

 

 というわけで、ざっくりグレート感想でした。これからもこんな感じで、まったり感想記事を書いていけるといいですね。それでは、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした~

ウルトラマンZ第13話感想 最後に立ちはだかる相手は誰だ?

 皆さんこんにちは! igomasです。今回も、ゼット感想、進めていきまずぜ!

 第11話、第12話を通して、「怪獣を倒すことの是非」テーマが語られ、ハルキの心の迷いは未だ解決しないまま、第13話に突入しました。今回はカネゴン回ということもあり、少し緩い雰囲気の回となるわけですが、その中で、しっかり「怪獣を倒すことの是非」というテーマに寄り添っていけるのか、が一つの見所となるでしょう。

 そしてもう一つ、大きな見所があるのですが、これは記事本編で語ることと致しましょう。それでは、第13話感想、はじまりはじまり~♪

 

《第13話》

 やっぱり総集編だった(笑)

 特空機スペシャル放送を見た時には、今作はやや変則的なのかな、と思いましたが、今作も、前半12話、総集編、後半12話のフォーマットは崩さない方針のようです。どうせ総集編でしょ、と見ない方も多いようですが、近年ウルトラマンの総集編はひと味違いますよね。本編のストーリーと絡ませつつ、過去を振り返るというやり方が、オーブの頃から定着しており、かなり見ていて面白い総集編になっています。話もガンガン進むので、各所に後半に向けた布石がちりばめられており、つまり、考察の宝庫、なんですよね。

 今回は、本編の話に触れることはもちろんですが、後半への伏線を考察していければと思っています。感想記事、というよりかは、やや考察記事寄りになるかもしれませんね。

 本記事でしっかり扱おうと思っている伏線は、タイトルにもあるとおり、「ラスボスは誰か」という問題であります。普段悪役考察をしている身としては、腕が鳴りますね。しっかり考察していこうと思っているので、そちらもお楽しみに。それでは、早速本編を見ていきましょう。

 グルジオライデンとの戦闘の際、急にハルキと気持ちが合わなくなった理由が分からず、悩むゼット。ウルトラもやもやするゼットが、ハルキを心配するところからスタート。

 ハルキは、またも腕立て伏せ。休日のヨウコ先輩は、かなりクールな印象ですね。ちなみに、このシーンのロッカー、ナカシマヨウコ隊員役の松田リマさんのツイッターで紹介されてましたよね。各キャラクターの漢字表記が載っており、それぞれ「蛇倉 正太」「中島 洋子」「夏川 遥輝」「大田 結花」とのこと。

 物音を不審に思ったハルキは、特空機格納庫にて、カネゴンに遭遇。ウルトラメダルを食べられてしまい、OP。今回の監督は、内田直之氏。ウルトラマンでは今作が初の監督作品とのこと。どんな魅せ方をしてくれるか、楽しみ。

 ここから、カネゴンからメダルを取り出すため、ハルキが奮闘するコミカルなシーン。今までって、総集編一話だけで怪獣を描くってことはしてこなかったのですが、こうやって怪獣を使うのは、非常に良い試み。

 カネゴンにゼットのことを尋ねられ、アルファエッジのことを教えると、アルファエッジのメダルが口から出てくる、と、怪獣と総集編要素を混ぜつつの構成がお見事。

 とそこへ、ヘビクラ隊長が登場。カネゴンを巡ってのコミカルなやりとりが、非常に好印象。この監督脚本家コンビ、意外といいかも……ヘビクラ隊長、完全にカネゴン知ってましたね(笑) ヘビクラ隊長は、「ようやっと怪獣を倒せるところまで来たか」と、誇らしげにキングジョーを眺めます。「この調子で開発が進めば、そのうちウルトラマンを越える力も」と、特空機の未来に思いを馳せるヘビクラ隊長。しかしその後、カブラギシンヤの残した『ウルトラメダルの精製法の書かれた紙』を手に、「もっと頑張ってもらわないとな」と不穏なセリフを残します。ヘビクラ隊長は、カブラギの暗躍を黙認し、むしろ利用している、ということがうかがえますね。

 さて、今回のメイン考察となる、最後に立ちはだかる相手は誰だ?(ラスボスは誰だ)問題に映るとしましょう。まず前提として、本作のメインヴィランはカブラギシンヤではない可能性が出てきたんですよね。というのも、身も蓋もない言い方をすると、あまりにカブラギシンヤにメインヴィランとしての魅力が無いからですね。キングジョー回を最後に、カブラギシンヤはそもそも登場すらしていません。しかも、ヘビクラ隊長には正体がばれ、ヨウコとユカの前にあっさり姿を見せ、盗もうとしたウルトラメダルをあっさりゼットに奪われるなど、メインヴィランとして粗が多すぎます。メインヴィランとしては、あまりに雑魚過ぎる、と言わざるを得ません。故に、彼はあくまで作品を彩る小さなスパイス。ラスボスは他にいると考えるのが、無難でありましょう。

 また、少しメタ的な話になりますが、ここ数年、メインヴィランは総集編の第13話にも出てくる、というパターンが定着しています。オーブだとジャグラージードだとフクイデ、ルーブは美剣サキ、タイガは霧崎。何かしらの形で、ちょこっと総集編に顔を見せるイメージが強いですよね。カブラギシンヤは第13話にはほぼ登場せず、代わりにストレイジの面々が登場しています。これはもしや、ストレイジの面々からラスボスが出るのでは? と疑いたくもなりますよね。

 ラスボス候補として、私igomasが考えているのが、オオタユカ、ヘビクラ隊長(ジャグラー)、ベリアル、特空機最終号であります。次点で、巷で予想されているのが、バコさん、ナカシマヨウコ隊員。この辺りを、考察していくことにしましょう。ここでは最有力候補となっているオオタユカを除く、他のメンバーを見ていきます。

 まず、ストレイジのメンバーや、特空機がラスボスと考えられている点について、補足説明をしておきます。ウルトラマンゼット主題歌2番の歌詞に、「最後に立ちはだかる相手は誰だ?正義の心振りかざして牙を剥くヤツ!最強の力を手に入れたモノは何処へ向かい誰と戦うの?教えて」という記述があります。ここから、最後に立ちはだかる相手(ラスボス)が、正義の心を振りかざして(ストレイジの力を使い)牙を剥くやつ、ということが想像できるわけですね。最強の力(最強の特空機か、はたまた未知のエネルギーか)を手に入れたラスボスを、ゼットが止めに入る、という最終回が予想され得ますね。以上の歌詞から、ストレイジ内部にラスボスがいるのではないか、と考えられるわけです。

 ここで、巷で騒がれているナカシマヨウコ説、バコさん説を除外しておきましょう。というのも、この二人はある程度劇中で好印象を持てるキャラとして造形されているので、黒幕にしてしまったときに、まったくもってメリットがないからです。曲がりなりにも、ナカシマヨウコ隊員はハルキの上司としてかなり奮闘していますし(実際、かっこいい戦闘シーンも散見される)、バコさんも、特空機(ウインダム・キングジョー)開発の際などは、ユカやハルキに年長者としての心あるアドバイスをしているように見えます。他のオオタユカやジャグラーといった、いかにも悪役になりそうな連中がいながら、ナカシマヨウコ、バコさんを敵に回してしまっては、ストレイジの好感度がだだ下がり、歴代最低の防衛組織になってしまいかねませんから、さすがにそれはしないでしょう。なお、バコさんが、昔少し格闘技をたしなんでいた、という描写があることから、実は宇宙人である可能性や、「使えるものは何でも使う」発言が実は黒幕的視点からの発言だった、みたいなことになる可能性を否定は出来ませんが、さすがに好印象を持てるキャラを黒幕にというのは、かなり作品作りとしてコスパが悪く、やって欲しくないところ。

 次に、最終特空機がラスボス、という説。これは、新規ファンの方はピンとこないと思いますが、以前いた「ダークザギ」というラスボスから連想して出来た説ですね。このダークザギというのは、ある星の住民が、ウルトラマンと同等の力をもつ兵器を作ろうとして、結果暴走した人工生命体なんですよね。なんだかストレイジが特空機を作るのと、ちょっと似ていますよね。ここから、特空機の最終形態が、暴走し、ゼットのラスボスになるのではないか、という考察がなされています。まぁ、それはそれでありだとは思いますが、やはり二番煎じ感が否めないので、個人的にはやめてほしい展開ではあります。

 そして、ジャグラスジャグラー(ヘビクラ隊長)説。以前第8話感想でも述べましたが、彼はセレブロとは全く関係なく別の目的でこのゼット地球に来ていると思われます。その目的を達成するため、最終的に敵に回る、ということもあるかもしれません。今回の、セレブロを利用しているかのような発言にも、注目ですね。彼はもともと、ウルトラマンの力を求めたものの、光に認められることなく、闇に魅了されていった、という過去がありますから、ウルトラマンを越える力ほしさに、主人公を裏切る、なんてこともあるのかも。カブラギに作らせた人工ウルトラメダルを利用して、2番の歌詞どおり最強の力を手に入れ、そして暴走するのかも。また、ラスボス限定アイテムである、主人公と対を成す武器(ダークライザー)を所持しているのも、黒幕ポイントが高い。とはいえ、ジャグラーは既にヒーローサイドとして描かれることも多く、果たしてラスボスになりそうかと言われれば、確率はやや低めでしょうか。

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  他のラスボス候補枠の考察はまた後にして、第13話を見ていきましょう。

 お金が足りないと動けなくなってしまう、というカネゴンに、へそくりからワンコイン渡すと、へそくり全部持って行かれるという……のほほんとした演出が良い。この人のちゃんとした特撮を、一回見てみたいですね、わくわく。

 ベータスマッシュの説明をしていると、そこにオオタユカが現れ、隠れるハルキとカネゴン。オオタユカに見つかったら解剖されちゃう! と最悪のパターンをイメージします。今更ですが、解剖って普通死んだ生物とか、麻痺させた生物とかにやる印象ですが、オオタユカは生きている(しかも喋ってる)状況で生物を解剖するマッドサイエンティスト、というイメージが既にストレイジ内に定着しているのが、とても、ヤバい(笑)

 カネゴンが思わずメダルを吐き出し、それをハルキが飛び出してギリギリキャッチ。ユカにメダルのことをなんとか気づかれずに済みますが、グルジオライデンの解剖結果が出たユカに、長話を聞かされます。とそこへ、カネゴンがふざけだして……というこの辺りのコミカルパートが、非常に良い。今回のコミカル面は、だいぶ見やすいですね。この監督のコミカル面と、特撮が合体すれば、それはそれは出来の良い単発回が出来るのではなかろうか。

 カネゴンの方ばかり気にして反応の悪いハルキに、ユカは「もうなんか最近上の空だよね~しっかりしてよ、前線に立つのは君なんだから」と言って去って行きます。さて、そろそろ、最近の有力説、「オオタユカラスボス説」について扱うとしましょうか。

 オオタユカは、割と伏線めいたものが張られているイメージですね。怪獣が好きすぎて、一般人がどれだけ死のうが、街で怪獣がどれだけ暴れようが、全く気にしないそのサイコパスぶりは、常人とは思えません(笑) レギュラーメンバーの中で唯一ウルトラメダルに触れていないこと、臭すぎて地球人(や宇宙人のジャグラー)が耐えられないほどの、グルジオライデンの表皮の異臭に耐えていたり、まるでカプセル怪獣を知っているかのように、セブンガーやウインダムといった、セブン関連の特空機をデザインしたこと(メタ的なことではありますが)などなど、怪しいポイントを挙げればきりがなく、まぁ順当にいけば、ストレイジメンバーの中で一番黒幕らしい人物。

 とはいえ、オオタユカ黒幕の伏線としてはあまりにベタというか、目立ちすぎており、逆にオオタユカは黒幕ではないのでは、なんて思っています。

 私の記事を見ていただければわかると思いますが、現状オオタユカの印象がかなり悪いんですよね。実は黒幕はオオタユカでした、なんて展開をやられても、たぶん私は「あんなにいい人だと思ってたのにまさか黒幕だったなんて!」と思うのではなく、「悪人だと思って見ていたらやっぱり悪人だった」って思うんだろうな、と。オオタユカラスボス説が一番濃厚ではあるものの、個人的には正直一番避けて欲しい展開ではあるんですよね。

 先の「前線に立つのは君なんだから」発言は、特空機開発者・技術者として、ハルキが特空機に乗って前線に立つことを指しているのか、それとも黒幕として、ハルキがゼットになって戦うことを指しているのか……これが伏線なのか、それとも単なる会話なのかは、今後の展開次第、といったところでしょうか。

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  一応、可能性はかなり低いですが(今後の展開的に)、私が推しているベリアルラスボス説を説明しておきますね。この作品自体が、ウルトラマンゼロの弟子の物語であり、また作品に「デビルスプリンター」が大きく関わっている以上、やはりベリアル関連の話は避けては通れないと思うんです。勝手なイメージではありますが、私igomasは、ベリアルを、マリオのクッパ型の悪役と形容することが多いんですよね。様々に姿形を変えつつも、だいたいの黒幕で、ラスボスとして立ち塞がる。ゼロの永遠のライバルで、因縁の敵。であるならば、ゼロの弟子とも、いつかは戦うのではないか、と思わずにはいられません。ジード本編において一旦ベリアルの物語は終了していますが、なんらかの形で復活を遂げ、ラスボスとして対峙するのではないか、とどこか期待してしまう自分がいます。ベリアルラスボス説、確率は3%くらいかなと思っていますが、劇的な展開で復活してくれれば、個人的には嬉しいところ。

 というわけで、感覚的には黒幕は、「オオタユカ52%、セレブロ20%、ジャグラー15%、特空機最終機10%、ベリアル3%」くらいで予想しています。はたしてラスボスは誰になるのか……非常に楽しみ。

 さて、「ゼットになって怪獣を倒すの面白そう」と言うカネゴンに対し、「むやみに怪獣を倒してしまうことはいいことなのか」と悩みを打ち明けるハルキ。地球人を守るためには、割り切って怪獣退治をしてしまうしかないが、しかし怪獣の気持ちを本当に無視してしまって良いのか、ハルキは悩み続けます。

 カネゴンは、メダルは君のことを信頼している、優しいハルキのところに、メダルも戻りたがっている、とハルキを励まします。ほんの少しだけ心がほぐれたのか、ハルキはガンマフューチャーの話を聞かせ、トイレに駆け込むカネゴンw 来週からガンマフューチャーの構成メダルを見るたびに、色々と、感情が錯綜しそう(笑)

 カネゴンストレイジ日本支部を去り(野放しにしていいのか)、ハルキがカネゴンに「ありがとう」と言うのが、非常に好印象。お腹がすいて動けなかったカネゴンは、優しいハルキに助けられ、怪獣のことで悩んでいたハルキは、「メダルのことがよく分かる」カネゴンに、励まされる。カネゴンだからこそできる演出を、総集編テイストに仕上げたのは、素晴らしい演出でありました。

 ゼットは「おかげさまで分かったよ、ハルキの悩み。一つになっているのに、分からないこともあるもんです。難しい問題です、だから、俺も考えるよ、一緒に。ウルトラマンにとっても、大事なことだと思うんです」と、ハルキの悩みに理解を示し、一緒に悩む、というスタンスを表明。根本的な問題は解決していないけれど、でも理解者がいてくれる。これはハルキの気持ちとしては、大きな一歩でありましょう。ハルキとゼットの会話を挟んだ上で、最後には、ヨウコ先輩もハルキを心配してくれていることを示し、終幕。

 次回予告を見たときには、コミカルなカネゴン回で、ハルキの悩みをしっかり描けるのか、と結構不安でしたが、カネゴンの特性を利用しつつ、ハルキを励ましながら総集編を仕上げ、ハルキだけでなく、ハルキの悩みを知ったヨウコ先輩とゼットが、一緒に悩んでくれている、と示したラスト、そして、しっかりカネゴンとのやりとりはコミカルに仕上げ、とかなり完成度の高い一品。この方のメイン監督回が、はやく見たい。

 総集編というのは、その性質上、話を大きく動かすことは出来ませんが、その中で、かなり良いパフォーマンスを見せてくれたのではないかと思います。次回からはいよいよ後半戦。物語が大きく動く予感、ですね。私も楽しみに待ちたいと思います。

 それでは、また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!

ウルトラマンZ第12話感想 生物兵器グルジオライデン

 皆さんこんにちは! igomasです。今回も、各話感想、進めていくとしましょう!

 前回第11話では、ハルキ父とのエピソードを交えつつ、「怪獣を倒すことの是非」という、新たなテーマを持ち出してきました。今回は、そのテーマをどう調理しているか、に注目しながら、キングジョーストレイジカスタムの新たな活躍にも期待しつつ、見ていきたいと思います。

 それでは、さっそく第12話、見ていきましょう!

 

 

《第12話》

 セブンガーとグルジオライデンとの戦いからスタート。なにげに久しぶりなセブンガー、そしてもっと久しぶりなクリヤマ長官。第4話からまったく出番がありませんでしたが、実に9話ぶりの登場と言えましょうか。長らく見ていなかったので存在を忘れかけていました笑 後半での活躍に、期待です。

 なんとしてでもグルジオライデンを止めたい様子のクリヤマ長官。セブンガーとウインダムが力を合わせるも、グルジオライデンに押し切られてしまいます。ハルキはゼットに変身。ガンマフューチャーで必殺技組の力を使い、グルジオライデンを追い詰めるも、とどめの一撃でまたもやハルキの心に迷いが生じ、光線を撃つことはかなわず。逃げられてしまいます。

 クリヤマ長官は、「怪獣を逃がすとはなんという体たらく!」と説教します。今作では、第三話のストレイジ本部の面々の、「ウルトラマンでも苦戦する敵に立ち向かっているセブンガーはすごい」発言のように、ウルトラマンありきの地球防衛思想が散見されるのですが、その中でもクリヤマ長官は、一貫して「地球人のみの力で地球を守る」ことを目標としており、ぶれていないのが良いところ。

 キングジョーストレイジカスタムが出動できないという問題や、グルジオライデンの次なる出現地はどこかと議論するストレイジのメンバー。「あ、これちょっと見てください」と(お芝居感マシマシで)オオタユカ隊員が取り出したのは、グルジオライデンの表皮。遺伝子操作の痕跡が見られる、地球外生物だと判明します。「生物兵器」というワードから、「宇宙人の手によって無理矢理改造され、暴れるグルジオライデン」に同情を見せるハルキ。前回に引き続き、同情の余地のある怪獣を登場させたのは、良い采配。

 クリヤマ長官により、グルジオライデンは、防衛軍の監視下にあり、10年前地球に落下してきて以来、調査研究を進めていたことが明らかに。グルジオライデンのデータから、セブンガ-、ウインダムら特空機が作られたとのこと。グルジオライデン、かなり本編において重要な役割を果たす怪獣で、中ボス級くらいの活躍はあってもいいのでは、と思いましたが、割とあっさりの退場でしたね。果たして誰に改造されたのか、来年のシリーズなどで明らかになるのでしょうか。

 クリヤマ長官が、次はキングジョーで確実に殺せと言うのに対し、「ウルトラマンゼットでも苦戦したんですよ」というオオタユカに対し、「ゼット様には頼らない。次は私たちだけで」と答えるナカシマヨウコ隊員。

 CM明けのシーンでは、キングジョーを見つめるハルキにヨウコ先輩が声をかけ、「ゼット様大変だよね……毎回怪獣と……だからこそ、私たちが強くならなくちゃいけない。自分たちの力で、平和を守れるように」と言います。怪獣達が本当に悪いのか、と尋ねるハルキに、ヨウコは「今この世界に、怪獣の居場所はない、可哀想だけど。だからこそ誰かに押しつけちゃいけない。ちゃんと背負いたいんだ、命を奪う責任を」と、ハルキの甘い考えを教え諭します。ヨウコの発言を通じて、ゼットの向かう「怪獣を倒すことの是非」についての答えがしっかりと示されたのは、良いことではあります。

 う~ん、今回ちょっと上記の2シーン(CM前の、クリヤマ長官に対するヨウコの反応と、CM後の、ヨウコがハルキに教え諭すシーン)が、少し引っかかりましたね、第12話。

 そもそもの問題は、ヨウコ隊員がそこまで「命を奪う責任をちゃんと背負」っていないところにあるのでしょう。ここでヨウコ隊員を振り返ってみると、第6話ではお遊びみたいな訓練シーン、第7話では棒立ち、第8話ではゼット様にベタ惚れして終了、第9話ではキングジョーと戦うでもなく、カブラギシンヤを追いかけるでもなく、棒立ち、第10話では巨大戦をゼットに丸投げ、と、本当に命を奪う責任を背負う気があるのか、というレベル。第5話にて唐突な「仕事人」発言が飛び出したり、今回の第12話でハルキを教え諭したりと、セリフの上ではさも仕事人かのように扱われていますが、実際は全く異なります。セリフと実際の描写とがあまりに乖離しているという、かなりブレブレな人物。

 クリヤマ長官は、上に書いたとおり、ゼット作中で、「怪獣退治は人間だけの手で成し遂げなければならない」という姿勢を一貫して貫いているキャラであり、ヘビクラ隊長も、オーブでの一件もあり、怪獣退治に対してしっかりとした考えを持っているようです。そういう人物達が、ハルキを教え諭すならまだ分かるのですが、ヨウコ隊員は、ハルキを教え諭すには立ち位置がブレブレであり、結構違和感があったことは否めません。

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 ゼット様に頼りまくっていた当の本人が、急に「命を奪う責任を背負いたい」と言い出しても、あまり劇的にならないのは当たり前。まぁ、前回のレッドキング戦のヨウコ先輩は、結構仕事人らしい活躍をしていたので、武居監督回の中だけでは、しっかり描けていたのかもしれませんが、全体で一貫していなければ、意味がありません。

 ハルキは今までの戦いを振り返り、自分の迷いを断ち切ります。一方都市では、グルジオライデンが出現。ハルキはウインダム、ヨウコ先輩はキングジョーに搭乗し、出撃します。

 キングジョーの強みをフルに活かした、セパレートモードやタンクモードを駆使し、グルジオライデンを追い込むキングジョーストレイジカスタム。ペダニウム粒子砲も決まり、かなり善戦します。それはそれとして、なんか今回、ヨウコ先輩の目つきが怖い(笑) 仕事人設定を活かしたかったのでしょうが、結構、怖かったw

 キングジョーを守るため、盾となって倒れたウインダムの配線を喰いあさり、再びエネルギーを溜め込んだグルジオライデン。ハルキはゼットに変身し、アルファエッジで立ち向かいます。グルジオライデンは、割と正当怪獣的な、フィジカル重視のシンプルな戦い方をする怪獣でしたね。アルファエッジとの王道取っ組み合い対決は、それはそれで良かった。

 必殺光線を放とうとするゼットですが、ハルキはまだ迷いを断ち切れておらず、グルジオライデンの涙を見て心が揺らぎ、まさかの変身解除。ゼットがオリジナル形態に戻ってしまいます。ゼットがピンチに陥ったそのとき、倒れていたキングジョーが再び動き出し、ヨウコは捨て身の作戦を決行。無事グルジオライデンを倒すのでありました。

 キングジョーの分離を使い、とどめの一撃を喰らわせるヨウコは、かなりかっこよかったですね。今回記事であれこれ言ったことを差し引いても、非常に良いとどめのシーンでありました。

 喜ぶオオタユカとクリヤマ長官。そして不敵に笑うヘビクラ隊長。そこ不敵に笑って良いのか(笑)というシーンではありますが(好感度的に)、果たして次回以降ジャグラーがどう動くのか、期待です。ハルキはどうしようもない葛藤にさいなまれ、空に向かって慟哭して、エンディング。

 なるほど、渋めのテイストで締めましたね。第12話を見る限り、この「怪獣退治の是非」という新たなテーマは、あくまで武居監督独自のものではなく、ゼット全体のテーマとしてしっかり扱ってくれる様子。確かに2話でこのテーマが解決しない、というのは、スピーディーな話運びを期待する人からすればやや不満も残るかもしれませんが、近年こういった重大なテーマを、しっかり描かないままサラッと流してきたことを考えると、こうやってじっくり描いてくれるのは、かなり嬉しかったりします。単発回ではなく、ゼット全体を通して、「怪獣退治の是非」を描くという、製作陣の覚悟とも取れるこの終わり方は、かなり期待させてくれますね。今後どう物語を動かしていってくれるか、楽しみです。

 と思っていたら次回、カネゴンで箸休め回みたいになっているのですが……ハルキの苦悶、ちゃんと描いてくれるのか、やや不安、というところで、今回記事とさせていただきます。また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!

 

《予告》

9/20(日) ウルトラマンゼット第13話感想記事更新予定(頑張る)

9/22(火) 新シリーズ、ウルトラマン “???” 感想記事シリーズ、始動!

9/20(日)~9/26(土) 上とは別に何かしらの記事挙げます!たぶん!

10月初週 大規模記事更新予定

乞うご期待!

ウルトラマンZ第11話感想 怪獣に父の姿を見る男

 皆さんこんにちは! igomasです。総集編を経ての、第11話、見ていきましょう!

 

 

《本編を見る前に:新型機と、新たなテーマ?》

 第11話では、ついに第三の特空機、キングジョーストレイジカスタムが登場します。新型機の説明回というのもあって、慎重な話運びが必要になってきますが、どうでしょうか。

 それから、第11話ではあまり関係ありませんが、12話以降、キングジョーストレイジカスタムばかりが取り沙汰されて、セブンガーやウインダムの見る影もない、みたなことにならなければいいですね。セブンガーは最近ほとんど姿を見せていないので、かなり懸念点ではあります。第三の特空機が、セブンガーやウインダムとともに、どのような活躍を見せてくれるか、楽しみですね。

 第11話のもう一つの注目ポイントとして、これまで示されてこなかった(というか流されていた部分)、「怪獣側の事情を完全無視して怪獣を倒してしまって良いのか」というテーマに踏み込んだところが大きいでしょう。正直、Zはそういうのはやらない作品だと思っていたので、少々驚き。この展開が吉と出るか、凶と出るか、この辺りも、十分吟味していけたらと思います。

 それでは、第11話、見て参りましょう!

 

《第11話》

 開幕早々、ハルキの「キングジョーストレイジカスタム」紹介パートがスタート。新型特空機参戦を、劇的にかつ慎重な話運びで描くのが難題なら、いっそ主人公に説明させちゃえ!という強引さが、すごくゼット(笑) 今作は、第一話でも、近年酷評を受ける長い変身バンクを、いっそ長々と撮って、ゼットとハルキを絡めるコメディシーンにしちゃえ!と吹っ切っていたりするのですが、そういった強引さが、所々で上手くハマっているのは非常に評価したいポイント。

 しかし、ハルキはシミュレーションの成績から、キングジョー搭乗は見送られるのであった。ハルキはキングジョーを操作できないことを悲しがり、先の紹介パートで、「キングジョーは男のロマン」的な発言をしていたことからも、「ロマン」という一点のみで乗りたがっている感がすごいのですが、このどこか子供っぽい無邪気さが、とてもハルキ。

 ハルキは父の命日のため、実家に帰ることに。同じころ、その実家のある深間市で、レッドキングが活動を始めるのであった、でOP(マジャッパかわいい)。

 第11話の担当は、ルーブメイン監督として有名な、武居正能監督。個人的には、本筋回だろうが単発回だろうが、良さげな回は良さげに纏めるが、ダメな回はとことんダメ、みたいな印象と同時に、「成長のめまぐるしい新人監督」なイメージもある監督ですね。様々な技術面での成長が芳しいものの、ストーリーとして結構危うい回も多いので、注意が必要な監督。今作での采配が、上手く働くかは、楽しみなところ。

↓武居監督がメイン監督を務めた、ルーブの総括記事 

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  ハルキと父の、キャッチボールのシーンからスタート。セリフや動きの端々から、あぁ、父親はハルキにとって、字義通りにも概念的にも、とても「大きな存在」だったのだなぁということが伝わってくる、良い回想シーン。ハルキは、何気ない父との日々に、思いを馳せるのであった。父と子の話を描くとき、何気ない過去のシーンを描く、というのはなかなか出来ることではなく、凡人の作り手なら、「重大な過去シーン」だけを抽出して描いてしまいがちなのですが、こういうナチュラルな描き方は、上手いなぁと感嘆。

  その後のハルキ母とのシーンでも、親子の会話を描いています。「この頃の可愛いあんたはどこに行っちゃったの?」という母の問いに「ここだよ、ここにいるって」と返すハルキが実にハルキらしい。ありがちなフォーマットに乗せつつも、ハルキらしさをちゃんと出すことがしっかりできています。数年前に25話かけて描いた「家族」より、単発回で描いた「家族」の方が上手く描けている、というのはどこか皮肉めいたものがありますが(笑)、それだけ武居監督が成長したということでありましょう。素直に褒めたいところ。

 さて、そこにレッドキングが出現。ヘビクラ隊長が状況を尋ねると、「出現した怪獣はレッドキング。深間市内の採石場で作業中に、地中に眠る怪獣を目覚めさせてしまったみたいで」とオオタユカが答え……もう何度言ったかわかりませんが、オオタユカ、どうしてそんなににこやかに説明してるの? 背景ではビルが崩れ、爆発が起き、人が逃げ惑っているのですが、あまりに不謹慎。しかもその直後、ヨウコ先輩が「深間市ってハルキの実家の近くじゃん」と気づくと、急に真剣な顔になるという……あぁこの人、いわゆるレギュラーメンバー以外がどうなっても全然気にしない人なんだな、と。前回のバロッサ回で、バロッサ星人が基地に侵入したことにあまり反応を見せず、ヨウコ先輩が捕まったと聞いてはじめて焦ったのも、そういうことなのでしょうか。オオタユカ、最近ものすごい勢いで好感度を落としにかかっており、好感度が0を通り越して地中深くまで掘り進んでいるのですが、大丈夫か、オオタユカ。

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  今作のオオタユカは、「怪獣好き」という設定を、製作陣が「怪獣解体が趣味のサイコパス」と履き違えて描いてしまったのでしょうが、「怪獣好き」ってそういう意味じゃないでしょ。これまでも、「怪獣好き」なレギュラーキャラはウルトラシリーズでも散見されましたが、それでも「怪獣は好きだけど、あくまで防衛隊としてのプロ意識は持っている」という描き方が出来ていたはずなのに、どうしてこうなってしまったのか。ウルトラシリーズの隊員で、これほど悪印象を与えてくるキャラは近年では珍しく、かなり困惑しております。オオタユカ、もう復帰は無理でしょうが、せめてこれ以上好感度を下げるのはやめていただきたい。

 ちなみに、レッドキング登場のカット自体は、特撮技術が高く非常に好き

 ヘビクラ隊長はヨウコに、新型機キングジョーへの搭乗を命じます。その後、バコさんにキングジョーの様子を確認。個人的な意見なのですが、バコさんの「最終チェック中だ。10分で終わらせる。よ~し、腕の見せ所だ。やろうども!急ぐぞぉ!」というセリフが、大変「セリフですよ」感が強く、あまり乗れませんでした。おそらく棒立ちで声を張り上げているだけなのが、とても堅い演技に見えてしまったのかも。細かい部分ですが。

 あ、あと「いつでも出せるぞ」とバコさんに言われたヘビクラ隊長が、「キングジョーストレイジカスタム、出撃準備!」と言っているシーン、ヘビクラ隊長の目が泳いでいることから、このセリフが複数人に向けて発せられたことが分かるわけですが、つまりヨウコ先輩とオオタユカ両名は格納庫に向かわずボーッとしていたということになり、う~んそれでいいのか? まぁこれは単純に青柳さんが演技中に目を泳がせてしまったただのミスで、実際はヨウコ先輩は既に格納庫にて準備済みで、オオタユカが会議室にて遠隔で一人準備していた、という設定なのでしょうが、そういう細かなところまで徹底するのが、プロ魂。細かすぎるところなので、もうこのあたりで。

 出撃するヨウコに、オオタユカが特製ジュースを渡すシーン。これ、これよ! オオタユカが好感度を上げ、キャラとして立たせる最後の砦、「特製ジュースを作る女」設定! これをもっと前面に押し出してくれれば、献身的にストレイジを支える人物として好感度が上がっていたかもしれないのに、サイコパス面だけが加速度的に強調されてしまったのは、今作の残念なところ。

 マイクを持たされるバコさん、正直、ダサい(笑) ここはヘッドマイクとかメガホンとかで良かった気もしますが、何故にマイクw まぁ、好みの問題なのでこの辺で……

 キングジョーがストレイジ基地から発射されるのは、その規格外の巨大さも相まってややコミカル感があり、セブンガー、ウインダム両機に比べれば、それほど格好いい発射シーンではありませんでした。

 さて一方私服のハルキは、避難誘導しながらレッドキングの元に向かい、その途中で泣いている子供を発見する。そして、かつて父が命を落としたあの日を、思い出すのであった……ということで、回想シーン。ハルキ母に「ハルキを頼む!」といってハルキを託し、「お前達は先に行け!俺は一人でも多く助ける」と言い、ハルキに「でも!」と返されたハルキ父は、「いいか、ハルキ。お前が母さんを守れ……大丈夫、また会える」と言って、一人怪獣ギーストロンに向かって走り出すのであった。

 このシーン、少し、というかかなり気になるのが、果たしてお父さんは何者なのか、ということ。「皆さんこっちです。パニックにならず落ち着いて避難してください」と発言して言うことから、もしかしたら町内会のちょっとしたメンバー、とかかもしれないな、程度の示唆はあるものの、全体としてハルキ父のポジションがあやふや。「子と妻を残し(父親としての本分を差し置いて)、一人でも多くの人を助けるため死に戦に出る」には、やはりハルキ父が、何かしらその行動が納得できる役職についていなければならず、それが定かでない以上、「この人何やってんだ」状態は払拭されません。深間市の町内会はどういった雰囲気なのか、ハルキ父は何か大きな役職についていたのか、ギーストロン出現現場にはテントが見えるが、一体これはどういう状況なのか、そこに何の説明もなく、ハルキ父の情報が「なんかいい父親」くらいしかない以上、「母子を差し置いて他の人を助けるため犠牲になる」のが唐突すぎて、あまり納得できませんでした。

 さて、泣いている子供を自分の昔の姿に重ねたハルキは、ゼットライザーを手に走り出し、泣いている子供を素通りしてゼットに変身。後で、レッドキングと戦いながら子供を安全な場所へ移動させるのですが、画としてやや拍子抜け。別に人の状態で子供を助け、その後ゼットに変身、で良かった気もするのですが……

 ベータスマッシュとレッドキングAの戦いは、プロレス感が強く、かなり面白いですね。キングジョー参戦後も、火花の散り方とか結構楽しめました。レッドキングのスーツは、ウルトラマンマックス放映時から15年もの間使われており、かなりのベテランスーツ。脇下がけっこうゆるゆるになっており、今回で見納めでしょうか。

 新たに2体目のレッドキングBが登場し、キングジョーストレイジカスタムが対処します。こちらのレッドキングは、レッドキング2代目をモチーフとしており、派生作品のウルトラギャラクシーファイトにて登場した新規造形スーツ。本編にも登場です。

 さてキングジョーとレッドキングの戦いですが、左手のペダニウムハンマー、まさかのコメディ路線だったw あの腕の伸び方は、かなりコミカルですね(笑) とはいえその攻撃力はなかなかのもの。第11話のキングジョーは、ある種「暴れ馬」として描かれており、セブンガーやウインダムとの差別化を図っていますね。一貫してこういうイメージを描ききっているのは評価が高いです。アルファエッジの戦いも、非常に良い。今回の特撮パートは、かなり各形態ごとに見せ場があり、非常に嬉しいところ。

 レッドキング撃退のため、ハルキはメダルを使い必殺技を放ちます。必殺技メダルは相変わらずの不遇ぶりで、ハルキには名前も呼んでもらえない始末。ジャックらの方はまだ光輪技などオマージュが見えるものの、コスモスらの方はほとんどオマージュ感がなく、寂しい。いつかコスモス・ネクサス・メビウスらも(そしてマックスも)、本編フュージョンでの優遇があればいいですね。

 レッドキングAを無事撃破したゼットは、暴れ馬キングジョーの操作に苦戦するヨウコ先輩の応援に駆けつけます。ずっと穴から離れないレッドキングBをよくよく見てみると、自分の卵を守っていたことが判明。レッドキング夫婦が、悪意をもって暴れていたのではなく、卵を守ろうと戦っていたのだと知ると、ハルキは「それじゃ、さっきのやつはただ自分の子供を守るために……」と、先程自分が倒したレッドキングAに、かつての自分の父親の姿を重ねます。

 第11話になって、「怪獣を、怪獣側の事情を考慮せずに、人間側の都合だけで倒してしまって本当によいのか」というテーマを持ってきました。怪獣を倒すことへの根本的な問いであり、怪獣特撮として必要なテーマではあるものの、ゼットでは捨象される部分だと思っていたので、やや驚き。ゼットという作品に、怪獣を倒すことの是非というテーマが絡み合い、物語が重厚になっていけば、それはそれで良いことではありますが、懸念点もありますね。あまりにテーマとして出すのが唐突じゃないか、という野暮な反論はあえてしませんが、唐突に出した分だけ、第12話と合わせていかに丁寧に描けるかは、非常に大事なところであり(失敗すると第11・12話の存在意義がないことにもなりかねないので)、見守りたいところ。

 さて今回の描写はといいますと、う~ん、ちょっと腑に落ちない部分が多々ありますね。第11話最大の問題としてあげられるのは、先述の「ハルキが、子を守ろうとしたレッドキングAの姿に、父の姿を重ねる」というところ。ここで、先の回想シーンを見返してみましょう。ハルキ父のセリフを見てみると「お前達は先に行け!俺は一人でも多く助ける」。そう、ハルキ父は、別にハルキ(子供)を守ろうとしたわけではないのです。子供と妻を差し置いて、他の人を助けようとしていたのです。それ故、レッドキングAに「子を守る父」として、自分の父の姿を見るのは、根本的におかしいのです。

 つまり、第11話では、「倒したレッドキングは親だった」の「親」という要素から(劇中では雌雄は未判別)、「父」を連想した、という程度のゆる~い繫がりしかないのです。だから、このシーンがどこか劇的さに欠けるというか、物足りない印象を持ってしまったというわけです。

 結局、ヨウコ先輩の放ったペダニウム粒子砲をゼットが防ぎ、レッドキングとは和解。驚くオオタユカと、「あぁ、ありゃ持たねぇな」と、自身の過去のあれこれを思い出しつつハルキを心配するヘビクラ隊長。正直ジャグラー自体がその過去が謎に包まれているキャラクターなので、何を思ったかまでは推測しかねますが、しかしジャグラーの軌跡をたどると、まぁ色々と思うところがあったのでしょう。

 ペダニウム粒子砲を止められたキングジョーは、かの有名な倒れ方で倒れ込み、これやってくれたのは、結構嬉しいかも。

 ヘビクラ隊長はオオタユカに、今回の一件の事情を説明し、「レッドキングは卵とともに消えた。次に現れたとき、再び人間を襲うかもしれないという可能性を残してな」と、今後の展開を示唆して、今回の物語は終わります。

 というわけで、第11話感想でした。全体として、家族の描き方(何気ない過去の描写)などは非常に上手く、ルーブ時に比べ「家族」の描き方が成長していることは全面的に賞賛しますが、その分ハルキ父を物語に絡ませるにおいて、ハルキ父の説明が曖昧なものとなり(母子を差し置いて他の人を助ける明確な理由が示されないので、結局「父親としての本分を果たしていない人」になってしまう)、そのハルキ父と「子を守る」レッドキングAを重ねられてもハテナ?となってしまう、という弊害はありました。もう少し、ハルキ父を、何気ない日常から重要な設定までしっかり描ききり、丁寧な物語構築をしていればまた変わったのでしょうが、今回はキングジョー参戦回ということもあり、割を食ってしまったか。

 一方のキングジョーストレイジカスタムは、描写も最低限のことはきちんと出来ており、その性能の紹介(ハルキの冒頭シーン)、他の特空機との差別化(暴れ馬感)など、しっかり描けていました。とはいえまだ別の形態を備えているとのことで、来週も目が離せません。と同時に、次回もキングジョーに尺を割いて、「怪獣退治の是非」というテーマを描ききれない、なんてことになったら、これは一大事ですので、武居監督にはしっかりやってほしいものです。「怪獣退治の是非」が、ハルキの心に大きな成長をもたらすのか、単なる「前々からやってみたいと思ってたんですよ」的な監督の自己満足で終わってしまうのか、次回の山場を、しっかり見届けたいと思っています。

 それでは、今回の記事はこの辺りで。また次の記事でお会いしましょう、igomasでした!

ウルトラマンマックス感想7~9話

 皆さんこんにちは、igomasです。マックスさっくり感想、進めて参ります。今回は、なにげにこの配信で一番楽しみにしていた、ケサム回。

 

 

第7話「星の破壊者」

 ナレーションのDASHの説明が、だんだん熱を帯びてきた(笑)

 第7話は、山での捜査から始まりますが、宇宙人の仕業とはあまり考えられないということもあって、どこか緩い雰囲気が出ており、隊長から注意されるところなどは、かなり抜け感のある演出。ちょっとカイトとミズキにコメディチックなことをさせたかったのかな。この監督が上手いのは、緩い雰囲気を作るだけ作っておきながら、任務開始以降はしっかり両隊員がプロの顔つきになっており、メリハリのある描写は見ていてスムーズ。カイト隊員は光に向かって進み、爆弾を発見。ミズキ隊員、前回の今回でまたも足を挫くw

 ミズキ隊員はなんやかんやあって、ケサムと出会います。自分だって負傷しているのに、怪我している彼を懸命に治療し、ケサムを信じるミズキ隊員。ミズキ隊員が、ものすごく登場人物として好感度を上げてきており、嬉しい限り。ケサム自身は、傲慢に星を滅ぼす文明を破壊する者として、決して完全悪というわけではなく、ミズキ隊員はミズキ隊員で、人間の可能性を信じるという、両者の対立が、作品そのもののテーマとなっているのも秀逸。スラン星人の回しかり、ナレーションしかり、今作は「行き過ぎた文明を作り上げた人類の罪と、それを変えていこうとする人々」の話が大きな主軸となっており、あくまでそのテーマに沿った横軸展開ストーリーが多いのは、一貫しているという意味で評価できるポイント。

 まぁ少なからず欠点もあって、スラン星人回とやや話が似てくるという弊害や、そもそもミズキ隊員とケサムの会話シーンがやや長く、視聴者に飽きが来てしまう、という問題もあるでしょう。ただ今回のように、作品序盤で作品テーマについて登場人物に長々と喋らせること自体は堅実な描き方ではあります。

 この話は久しぶりに見たのですが、記憶と違って、ケサムがだいぶ老けてました(笑) もう少し若い方を起用しているイメージがあったのですが、気のせいだったよう。戦闘のCGが良かったですね。この頃からかなりいいCG。ってか、ネクサスであれだけのCGが出来てたらそうなるか。個人的には、近年のCGより好みなくらい、この時期のCGは評価しています。

 最終的に、宇宙人を放置し人類を危機に陥らせてしまったことを謝罪するミズキ隊員ですが、そのミスを認めながらも、宇宙人との共存を望むその姿勢自体は悪くない、とフォローする隊長。事実人類滅亡の危機だったので、ここでさほど怒っていないのは隊長としてやや甘い部分ではありますが、隊長としての好感度アップには一役買いましたね。

 

第8話「DASH壊滅!?」

 ポイントは、「皆が笑って暮らせる世の中になれば」と夢を語った直後に危機が迫る主人公

 怪獣がDASH基地内部で暴れる、というストーリー上、ゲストキャラを出すことなく、DASH隊員のみの描写を丁寧に出来るので、この話でレギュラーキャラの評価が爆上がり。

 人間の本性が見えるのは、その人間が本当にピンチに陥ったときです。自分の身に危険が迫ったとき、簡単に味方を捨てて自分は生き残ろうとするか、仲間を見放さず、ともに窮地を脱しようとするか。そこに、人の本性が現れると、よく言われます。その法則が、第8話、かなり上手くはまっています。DASH基地が壊滅しかけ、自分たちの命も危うい状況下で、他の隊員達を助け、懸命に怪獣と戦うレギュラーメンバーたちの勇姿が一層際立ち、好感度が爆上がりした、という感じですね。

 怪獣に基地を襲われる、というのは直近でいうとZのバロッサ星人回がありましたが、当時の予算状況、作劇の巧さもあってか、組織の巨大さ、その中で特に際立った活躍を見せるレギュラーメンバーの魅せ方、が秀逸で、ほんと素晴らしい。

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  怪獣の脅威をきちんと描き、レギュラーメンバー全員に見せ場を作り、マックスも活躍させ、あらゆる要素を詰め込んでしっかり纏めた、非常に優れた名短編。

 ところで、誕生日からの基地壊滅演出というのは、シルバーブルーメオマージュだったりするのでしょうか。まぁ、希望を持ったスタートから絶望に叩き落とすという話運び自体は、結構よくある展開ではありますが……

 

第9話「龍の恋人」

 マックスを代表する回の一つとして、よく話題になる回ですね。

 「これぞ龍型怪獣!」と言わんばかりの王道龍型怪獣(龍型怪獣ってなんだ?) フォルムの、ナツノメリュウと、少女を巡る物語が展開していきます。今作特有の、人間の横暴さとそれを正す者との対比を、単発回に上手く盛り込んだ一作となっていますね。

 ナツノメリュウのフォルムが素晴らしく、これだけ首が長い怪獣というのは珍しいはずなのに、どこか既視感というか、親和性・王道感があるのはマックスならではと言えましょうか。花火や夜の戦闘が、とても印象深いエピソードでありました。当時のスタッフは、ナツノメリュウを動かすのにかなり苦労したとか。当時のソフビ人形などを見ても、いやはやすごいですね(笑)

 不満点としては、ホテル建設サイドの横暴さが足りず、「人間の傲慢さ」があまり劇的に描かれないところが挙げられるでしょうか。「ナツノメリュウの伝説なんて大昔の作り話でしょ、この村の発展を考えたら、ホテルを作って観光客を呼び込もうよ」というのは、意外と筋が通っており、なんだか悪人とまで言えないかも、と思ってしまったり。もっと大がかりに、森林伐採により森の生物たちが困り、ゴミで川は荒れ自然が汚されている、とかまでやれば「人間の傲慢さ」はきわだったかも。まぁ、ウルトラマン製作陣って基本人がいいイメージなので、そこまでワルな発想に至らなかったのかもしれませんが(褒めてます)。

 単発回としてのまとまりは良く、オチも丁寧な回でしたね。

 

 

 というわけで、今回も、マックスさっくり感想でした。まぁこうして見ると、少しずつマックスという作品の欠点なども見えてくるものの、テーマ自体はしっかり一貫して描いてるんだなぁ、ということが分かりますね。やはり、テーマの一貫性は正義。

 それでは、また次の記事でお会いしましょう! igomasでした!